家を買取で売却するメリット・デメリット|買取の流れから注意点まで解説

家の売却を考えたことのある人なら、一度は「仲介」と「買取」はどのように違うのか、気になったことがあるのではないでしょうか。

不動産の買取と仲介では、それぞれにメリットとデメリットがあります。そうしたメリット・デメリットと、自身の売却スケジュールを照らし合わせて売却方法を選ぶようにしましょう。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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家の売却方法は3つ

はじめに、不動産の売却方法を解説します。

不動産会社による「仲介」での売却

不動産の仲介による売却とは、売主が不動産会社に不動産の売却を依頼し、不動産会社が販売活動を通じて購入者を探してくれるというものです。

売却活動を不動産会社に依頼すると考えればイメージがわきやすいかと思います。

売主と不動産会社は媒介契約を結び、不動産会社は売主の代わりに買主を探すだけでなく、契約条件の交渉や契約手続きなどを行ってくれます。

仲介での売却の場合、不動産会社は買主を探すことから始めなければなりませんので、売却にかかる時間は買取よりも長くなります。

また、買取と異なり、仲介では成約時に売主は不動産会社に対して、定められた仲介手数料を支払います。

不動産会社が購入者になる「買取」

不動産の買取とは、不動産会社が直接、不動産を買い取ってくれる方法です。

購入者が不動産会社となるので、購入者を探す手間が省ける分、早期売却が可能です。

早いところでは、見積もりから売却まで1週間ほどで完了するケースもあります。

なお、仲介手数料は不動産会社が買い取るため発生しません。

ただし、売却価格は仲介よりも低くなるケースがほとんどで、仲介での売却価格の6〜7割程度になる場合がほとんどです。

不動産会社による「買取保証付きの仲介」

不動産の売却方法には、仲介と買取のほかに「買取保証付きの仲介」というものがあります。

買取保証付きの仲介とは、仲介で一定期間を過ぎても売却できなかった場合に、あらかじめ取り決めていた金額で不動産会社が不動産を買い取ってくれる方法です。

「数ヶ月後に転勤を控えているけれど、できるだけ高く売りたい」など、高く売れる可能性は残しておきたいものの、一定の期限までに必ず売却したい人にとって、買取保証付の仲介は魅力的な選択肢の1つとなるでしょう。

しかし、仲介と買取とでは、不動産会社の目的が異なります。

できるだけ高く売りたい売主と、できるだけ安く買いたい不動産会社との利益が相反する可能性があることは知っておきましょう。

家を買取で売却することのメリット・デメリット

次に、家を買取で売却するメリットとデメリットを解説します。

買取で売却するメリット

買取で売却する主なメリットは次の5つです。

買取で売却するメリット

スピーディーな売却が可能になる

買取の1つ目のメリットは、買主を探す手間や時間が必要なく、すぐ売却できることです。

不動産会社が買主となるため、売却手続きもスムーズに進みます。短期間での売却が可能で、早期に現金化できるため、住み替えを考えている場合には、売却後のスケジュールも立てやすいでしょう。

仲介手数料がかからない

買取の2つ目のメリットは、仲介手数料がかからないことです。

不動産を売却するには、少なからず費用が発生します。

不動産売買の仲介手数料の上限は、取引価格の3%+6万円+消費税で計算することができます。

1,000万円で売却した場合の仲介手数料は約40万円ほどと、決して少なくない金額を払わなければなりません。

不動産会社に直接売却するため仲介手数料が不要な買取と比べて、仲介での売却時には大きな負担に感じられるでしょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

仲介手数料の「取引価格×3%+6万円+消費税」という額は、宅地建物取引業法で定められている上限額です。

上限額いっぱいまで請求する仲介業者が多いですが、中には仲介手数料を安くしてくれる業者もあります。

売却を依頼する時に、相談してみるとよいでしょう。

瑕疵担保責任が免除される

買取の3つ目のメリットは、瑕疵担保責任が免除されることです。

瑕疵とは、そのものが通常持っているはずの品質や性能がないことをいいます。

瑕疵担保責任とは、売買契約の目的物に購入した時点では分かっていない隠れた瑕疵があった場合に、売主が買主に対して、契約解除や損害賠償などの責任を負うことです。

「隠れた瑕疵」というのは、通常の注意を払っても見つけられない欠陥のことをいいます。

知っているのにそれを隠して売ったという悪意のあるケースでなくても、売主には責任が課せられてしまうのです。

具体的には、シロアリ被害や、配管の不具合、漏水などがそうしたケースに該当します。

そのため、家を売却した後に不具合が生じた場合には、修繕費などその瑕疵があったことで生じた買主の損害を売主は負担しなければなりません。

買主が売主に対して責任を追求できる期間は、「瑕疵を発見した日から1年以内」です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

瑕疵担保責任は民法の任意規定なので、実際には当事者間で責任の内容や期間を修正したり変更することができますが、民法上は、住宅を購入して10年経つまでは瑕疵担保責任を追求できることになります。

瑕疵担保責任を考えれば、その責任やリスクが免除される買取には一定のメリットがあるといえるでしょう。

内覧対応の手間や時間を省ける

4つ目のメリットは、内覧対応が不要なことです。

家を売りに出すと、購入希望者に家の中を見てもらう「内覧」というステップが発生します。

居住中の家を売りに出した場合には、家の掃除や、購入希望者への受け答えなどの手間や時間がとられます。

一方、買取は不動産業者が見て確認し、査定をするだけです。内覧対応に負担を感じる人は、買取にメリットを感じるでしょう。

周囲に知られずに売却できる

5つ目のメリットは、周辺住民に知られることなく売却できることです。

仲介での売却は不動産会社が販売活動を通じて購入希望者を募るため、チラシや不動産会社のホームページ、仲介サイトなどで売出し中の物件情報が公開されます。

分譲住宅の場合には、売出し価格が近隣の人に分かると都合が悪いことがあります。

買取なら、そのような心配がありません。周囲に知られずに売却したい人にとって、買取は有力な選択肢となるでしょう。

買取で売却するデメリット

続いて、買取で売却する主なデメリットを2つ解説します。

買取で売却するデメリット

市場価格よりも安くなってしまう

買取のデメリットの1つは、市場価格より安くなりやすいという点です。

不動産会社は買い取った物件をリフォーム後に再販します。 

買取価格は、物件の購入費用、リフォーム費用、再販にかかる経費などを差し引いた後に、利益が出る水準となるのが一般的です。

そのため、買取での売却価格は、仲介での売却額の相場の6〜7割にとどまり、仲介よりも安値になる可能性が高くなります。

築浅など好条件の物件は不利になりやすい

通常、住宅の価値は新築のときが最も高く、人が住んだ時点で中古住宅となり、市場価値も落ちていきます。

人気物件なら、中古住宅であっても相場価格か、それ以上の価格で売れることもあります。

しかし、築浅物件や人気エリアなどの好条件の物件は、仲介で売却した方がよい条件で売れることが多いでしょう。

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家を買取で売却するときの流れ

次に、家を買取で売却するときの流れを説明します。


家を買取で売却するときの流れ

家の査定・買取金額の決定

不動産会社が買主となる買取で売却する場合には、買取金額が妥当なのかを見極めることが大切です。査定してもらう前には、自分で相場を把握しておくようにしましょう。

相場は次のようなサイトで自分で調べることができます。

  • 土地総合情報システム
  • レインズ・マーケット・インフォメーション

「土地総合情報システム」は、国土交通省が運営している、不動産取引を実際に行った人を対象にしたアンケート結果をデータベースにしたサイトです。

使い勝手がよく、一般の人でも簡単に相場を知ることのできるデータベースではありますが、アンケートを元に作成されているため、実際の取引価格とは異なっている可能性もあります。

参考:土地総合情報システム|国土交通省

レインズ・マーケット・インフォメーションは、売り出し価格ではなく成約価格の相場を調べられるため、これから売りに出そうとしている物件の相場をより正確に知ることができます。

不動産ポータルサイトに掲載されている売り出し価格と、実際に売れた価格は離れていることはめずらしくありませんので、実際に売れる価格を知りたい人におすすめです。

参考:レインズマーケットインフォメーション|不動産流通機構

一方で、売却がはじめての人なら、複数の不動産会社に査定依頼することで相場観を知る方が簡単かもしれません。

査定額の根拠を聞いたときに納得のいく説明をしてくれる、誠実な不動産会社と契約を進めるとよいでしょう。

不動産会社を選んで売却の相談をする

まずは、不動産会社に査定を依頼しましょう。

査定を依頼するためには、不動産会社を探すことが欠かせません。

不動産の売却は、査定業者選びがとても重要です。買取は契約の相手方が不動産売買のプロである業者であるため、売主である個人は不利な立場に置かれることになります。

情報量は圧倒的に不動産会社の方が持っているからです。

そのような場合には、複数の不動産会社とやりとりすることである程度は、情報のアンバランスさを是正できます。

複数の不動産業者に査定を依頼する際には、一括で査定を依頼できる一括査定サービスの利用がおすすめです。

物件の引渡し条件を確認する

買取で売却するときには、物件の引き渡し条件を確認することが大切です。

照明やエアコンなどを設置したままや、家具を置いた状態で引き渡す場合には、処分費用を請求されることもあります。

物件をどのような条件で引き渡すかによってかかる費用が変わってくるため、後でトラブルにならないようにしっかり確認しましょう。

また、契約締結すると、買取代金の5〜10%ほどの手付金が支払われます。

合わせて、売却代金の入金タイミングなども確認しておくと安心です。

不動産売買契約の締結

契約条件を確認できたら、不動産売買契約を締結します。

売買契約書にサインをすると、条件を変更したり取り消すことは難しくなります。

必ず、最終確認をしてから慎重に契約を結ぶようにしましょう。

決済・引渡し 

契約締結してから、約1ヶ月後に銀行で決済を行います。

売主はその日までに物件を引き渡す準備と、売買に必要な書類などを用意します。

引き渡し時に必要になる主なものは以下のとおりです。

  • 登記識別情報(権利証)
  • 印鑑証明書
  • 実印
  • 評価証明書

引き渡し日当日は、銀行などの金融機関で、売買代金から手付金を差し引いた売却代金の受け取り、住宅ローンがある場合には住宅ローンの完済と抵当権抹消手続き、そして鍵や関係書類の引渡しを行います。

決済と引き渡しが完了すると、不動産会社による買取の取引は終了です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

引っ越しの都合などで、引き渡しをしてからも少しの間住みたい場合などは、契約書に特約としてその旨を付けておくことも可能です。

そのような場合に備えて、あらかじめ不動産会社に相談、交渉してみるとよいでしょう。

家を買取で売却するときにかかる費用

家を買取で売却するときにかかる費用は、次のようなものです。

  • 売買契約書に貼る収入印紙代
  • 住宅ローン等の抵当権抹消登記費用
  • 不動産譲渡所得税
  • 引越し費用

印紙代は、売買代金によって変わります。たとえば、契約金額が3,000万円なら契約書に貼る印紙代は15,000円です。

詳しくは、国税庁のホームページで確認しましょう。

抵当権抹消の登記費用は、2〜10万円程度かかるのが一般的となっています。(司法書士に依頼した際の報酬も含みます。)

引っ越し費用は地域、時期、規模、依頼する引っ越し業者によっても大きく異なります。

複数の引越し業者に見積もりを依頼して、費用相場を確認するのがおすすめです。

不動産を売却すると、売却した金額の収入があることになるため、譲渡所得税を納めなければなりません。

マイホームを売却した場合には、居住用住宅を譲渡した場合に適用できる特例がありますが、適用を受けるには確定申告が必要です。

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買取で売却する場合の注意点

買取で売却する場合の注意点

すぐに自宅を売却したい人にとって、買取は魅力的な売却方法に見えるかもしれません。

しかし、買取での売却には、買取を依頼する前に知っておきたいいくつかの注意点があります。

必ず買い取ってもらえるとは限らない

仲介で買主がつかない物件は買取に出すことで現金化が可能です。

築年数が古かったり、事故物件でも買取なら処分できる可能性は高いでしょう。

しかし、買取には向いている物件と、そうでない物件があります。

たとえば、戦前に建てられた木造物件など、一見して状態が悪いことが明らかな戸建住宅は買取してもらえないことがあります。

不動産会社が買取しているのは、リフォームして再販するためです。

そのため、リフォーム費用が高くつく物件や、売れる見込みのない物件は買取を拒否されることも考えられます。

損をする可能性もある

仲介ではなく、買取を選択する人の中には仲介手数料がかからないことを理由として挙げる人もいます。

しかし、なぜ仲介手数料が不要なのかを考えてみることも必要です。

買取の買取価格は、仲介よりも低くなる傾向にありますが、仲介手数料がかからなくても、印紙代や抵当権抹消登記費用や、所有権移転登記費用はかかります。

安すぎる買取価格で契約してしまうと、税金や諸費用でマイナスが大きくなってしまうケースも考えられます。

仲介手数料が無料でも、買取価格がすべて手元に残るわけではありません。「仲介手数料無料」におどらされないようにしましょう。

損失が出て特例を利用するなら確定申告を忘れずに

家の買取後に住宅ローンの残債が残った場合、一定の要件を満たせば「居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例」を利用できます。

譲渡損失の特例とは、住宅ローン残高と売却額の差額を損失という形で、給与所得と損益通算できるという制度のことです。

損益通算というのは、一定期間内の利益と損失を相殺することをいいます。

たとえば、ローン残債から、売却価格を差し引いたマイナス分が800万円で、給与所得が600万円の場合、その年の所得はマイナス200万円となります。

勤め人の場合、毎月勤務先で所得税が源泉徴収されていますが、損益通算することで払いすぎていた所得税の一部が返ってくる可能性があります。

ただし、特例を利用する場合には確定申告を行う必要があります。

家を売却してマイナスが出た場合は、忘れずに申告しましょう。 

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

売却益が出た場合だけでなく、上述のように売却でマイナスが出た場合にも確定申告が必要となります。

そのまま放っておいても、どこからも通知などは届きません。

自分自身でしっかりと管理しておくようにしましょう。

スピーディーな家の売却は買取を検討しよう

不動産買取は、仲介に比べると売却価格が低くなる傾向にあります。

しかし、買取は売却期間が短く、瑕疵担保責任がなくなるというのは、売主にとって大きなメリットです。

すぐに現金化したい人や、築古物件の売却なら買取を選ぶことも考えられます。

スムーズに買取の手続きを進めるには、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

不動産を少しでも高く売るために、まずは一括査定を利用して、複数の不動産会社の査定額を確認してみてはいかがでしょうか。

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