不動産売却の仲介手数料交渉のコツとは?仕組みや計算方法を詳しく解説!

※当記事はアフィリエイト広告を含みます。

不動産物件を売却しようと思ったら、不動産会社に仲介を依頼する方法が一般的です。

不動産会社は物件の宣伝から買主との交渉まで、さまざまなプロセスを代行してくれる頼れる存在です。

しかしその一方で、気になるのが仲介手数料です。

不動産会社と契約する以上、買主が見つかったときには必ず仲介手数料を払わなくてはいけません。

そうは言っても、仲介手数料はできるだけ安く済ませたいと思う人も多いです。

この記事では、不動産会社に支払う仲介手数料の仕組みや、値下げ交渉のコツなどを解説します。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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仲介手数料の仕組みを理解しておく

仲介手数料の仕組みを理解しておく

不動産会社を選ぶ前に、仲介手数料など報酬の仕組みを理解しておきましょう。

仲介手数料は成功報酬制

不動産会社は物件が高値で売れるよう、宣伝をしたり買主との交渉を代行したりしてくれます。

そして、買主が見つかったら契約書を作成するなど、事務手続きも請け負います。

これらの仕事に対する報酬が仲介手数料です。

仲介手数料は成功報酬制であり、買主が見つからない限りは支払う必要がありません。

また、不動産会社によって金額もさまざまなので、業者選びのポイントと言えるでしょう。

仲介手数料には上限が決められている

宅地建物取引業法によって仲介手数料には上限が設定されています。

そのため、不動産会社は法律の範ちゅうで仲介手数料を決めなくてはいけません。

仲介手数料の上限は、物件価格に応じて下記の表のように3段階の料率が設定されています。

どんなにサービスがよくても、手数料が高すぎる不動産会社は要注意です。

上限を踏まえて、比較できるようにしておきましょう。

売買価格 報酬額(仲介手数料)
200万円以下 取引額の5%以内+消費税
200万円を超えて400万円以下 取引額の4%以内+消費税
400万円を超える 取引額の3%以内+消費税

仲介手数料が安いのはメリットか

不動産取引に慣れていないと、仲介手数料の安い不動産会社を良心的だと思いがちです。

しかし、実際のところ、仲介手数料が安いとそれだけサービスが行き届かない可能性も考えられます。

なぜなら、売却には広告宣伝費や人件費など、それなりのコストがかかるからです。

また、手数料以外に着手金などの名目でお金を要求されるケースもゼロではありません。

サービスが似通っている不動産会社同士なら、手数料が安いほうを選ぶのが得なのは事実です。

ただし、手数料が安いというだけに注目して不動産会社を決めないようにしましょう。

不動産売却の仲介手数料の計算例

不動産売却にかかる手数料の上限の計算例

仲介手数料の上限額は売買価格によって異なり、400万円以下の場合は計算方法が容易ではありません。

ここでは売買価格を1,000万円、3,000万円、5,000万円、1億円と仮定した仲介手数料の計算例をご紹介していきます。なお、400万円を超えるため、速算法で算出しています。

売却価格が1,000万円の場合

売買価格が1,000万円の場合、計算式に当てはめると、次のような金額が算出されます。

売買価格1,000万円×3%+60,000円+消費税10%=396,000円

仲介手数料は36万円、消費税10%の36,000円を含めると、396,000円が上限額となります。

売却価格が3,000万円の場合

売買価格が3,000万円の場合、計算式に当てはめると、次のような金額が算出されます。

売買価格3,000万円×3%+60,000円+消費税10%=1,056,000円

仲介手数料は96万円、消費税10%の96,000円を含めると、1,056,000円が上限額となります。

売却価格が5,000万円の場合

売買価格が5,000万円の場合、計算式に当てはめると、次のような金額が算出されます。

売買価格5,000万円×3%+60,000円+消費税10%=1,716,000円

仲介手数料は156万円、消費税10%の156,000円を含めると、1,716,000円が上限額となります。

売却価格が1億円の場合

売買価格が1億円の場合、計算式に当てはめると、次のような金額が算出されます。

売買価格1億円×3%+60,000円+消費税10%=336万6,000円

仲介手数料は306万円、消費税10%の306,000円を含めると3,366,000円が上限額となります。

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仲介手数料を下げるための交渉のコツ

条件がいい不動産会社なのに、仲介手数料だけが納得できないなら値下げ交渉をしてみましょう。

しつこすぎる交渉は敬遠されてしまいますが、中には応じてくれる業者もあるはずです。

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値切り交渉は正式な契約をかわす前に

不動産会社に申込書を提出した時点で、売主は契約内容に同意したと受け取られます。

その後、仲介手数料の値下げ交渉を行っても、受け入れられる確率は低いでしょう。

不動産会社は契約前に手数料の説明もしてくれるはずです。

交渉を行うなら、そのタイミングが理想的です。

契約するつもりがあること示す

不動産会社は契約の意思がない売主とは、交渉を嫌う傾向があります。

提示している条件で納得してくれない場合、無理に手数料を下げても自社が損するだけだからです。

そこで、交渉では「御社と契約したいのですが」という前提で話を進めましょう。

そのうえで、「予算が足りない」「他社のほうが手数料は安い」と正直に伝えます。

契約直前までこぎつけている売主に関しては、業者も柔軟に対応してくれる可能性があります。

スムーズに交渉がまとまることもあるでしょう。

繁忙期を避ける

契約を申し込むタイミングも値下げ交渉を左右します。

たとえば、1~3月は不動産会社にとっての繁忙期です。

異動や転勤などで引っ越しが増えるため、1年でもっとも不動産の供給が高まります。

つまり、この時期に値下げ交渉をしても「ほかにもお客さんはたくさんいる」と思われ敬遠されてしまいます。

一方、4~7月は繁忙期が一段落し、閑散期に入ります。

この時期の不動産業界は売上が落ち込むため、売却希望者からの連絡は大きなチャンスです。

会社にもよりますが、極端な内容でなければ値下げ交渉にも応じてくれるでしょう。

不動産売却の際には、仲介手数料以外にも必ず納めなければならない税金が発生します。

以下の記事では、不動産売却時の税金の種類や税率、節税のポイントを詳しく解説しています

大切な資産を賢く手放すために、ぜひ、参考にご覧ください。

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一括査定サイトを利用するメリットとは

不動産会社を選ぶときに便利なのが一括査定サイトです。

一括査定サイトのメリットを知り、物件の売却に役立てましょう。

無料で利用ができる

不動産会社に査定を依頼した場合、料金がかかってしまう恐れがあります。

また、無料で査定をしてもらえたとしても、その後、しつこく営業される可能性も生まれるでしょう。

一括査定サイトは原則的に利用が無料で、コストがかかりません。

また、条件のよくない不動産会社からの営業を避けることもできます。

比較検討が簡単

優良な不動産会社を見つけるには、複数の不動産会社を比較検討するのが一番です。

1社とだけやりとりをしていると、相手が当たり前のように話している内容の真偽を見抜けません。

しかし、ほかの会社の条件と照らし合わせれば、その内容が妥当かどうか判断しやすくなります。

一括査定サイトは同時に複数の業者から査定額を出してもらえるので、1社1社とやりとりしなくても比較検討が簡単にできます。

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物件の相場を知ることができる

売却したい物件の相場や、手数料の相場がわからない場合は、一括査定サイトを参考にしてみましょう。

一般的な不動産会社であれば、査定額に大きな差はないので相場を把握することができます。

また、査定額が極端に高い業者については理由を見てみましょう。

その業者に特別なノウハウがあるのだとすれば、相場以上の価格で売却することも可能です。

特に理由なく相場以上の価格を出しているなら、契約は止めておくのが無難でしょう。

優良不動産会社を見極めるには

不動産会社の多くは誠実に仲介業務を行っていますが、中には悪徳業者と呼ばれるところが混じっていることもあります。

だまされないためには、相手を見抜けるだけの知識と情報を備えておく必要があります。

査定額が極端に高いときは慎重に

査定を依頼した際、高値をつけてもらえるのはうれしいことです。

しかし、相場から極端にかけ離れた額だったとすれば、むしろ冷静になるべきでしょう。

なぜなら、業者にとっては査定も営業の場だからです。簡易査定で高値を算出することで、売主の興味を引こうとしている可能性もあります。

簡易査定の結果は、あくまで相場を踏まえて比較するようにしましょう。

誇大広告に注意

大げさな宣伝文句には気をつけましょう。チラシやホームページで「地域最安値」「業界ナンバーワン」といったフレーズが使われていたら要注意です。

なぜなら、不動産の価格とは時期によって変動するものであり、最安値などと断言できるものではないからです。

合理的な根拠を探して、冷静に判断しましょう。

不動産会社の魅力は、物件価格や手数料だけでなく、対応力やコネクションなどさまざまです。

親身に話を聞いてくれ、メリット・デメリットを正直と伝えてくれる、誠実な不動産会社を探しましょう。

口コミや地元住民から情報収集しておく

目星をつけた不動産会社があれば、口コミサイトなどを利用して調べておくのも一つの方法です。

近年では、インターネットで不動産会社の口コミを検索できるようになっています。手軽にできるのでおすすめです。

また、古くからその地域に住んでいる知人がいたら、評判のよい不動産会社を聞いてみるのもおすすめです。

地域で長年営業している不動産会社があれば、候補に挙げてもよいです。

なぜなら、長年営業をできているということは、それだけ地域情報に詳しく実績がある会社と考えられるからです。

また、悪い噂なども併せて聞いておきましょう。

両手取引などの悪い噂があれば、地元の人は知っている可能性が大いにあります。

事前にわかっていればトラブルは避けられます。

人脈やインターネットなどをフルに使って、できる限り情報収集をしておきましょう。

以下の記事でも不動産会社の選び方やおすすめのマンション買取業者についてまとめています

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不動産売却の仲介手数料に関するQ&A

不動産売却で発生する手数料に関するQ&A

これから不動産の売却を検討している人は、仲介手数料についてさまざまな疑問をお持ちなのではないでしょうか。ここでは仲介手数料に関するよくある質問について、Q&A方式でご紹介していきます。

仲介手数料を支払うタイミングは?

記事の冒頭でもご紹介したように仲介手数料は成功報酬であるため、不動産取引が成立して初めて支払い義務が発生します。

支払いのタイミングは2回に分けられるのが一般的で、1度目は売り手と買い手による売買契約時に半額支払います。2度目は、物件の引き渡し時に残額を支払い、仲介手数料の支払いが完了します。

ただし、仲介手数料を支払うタイミングは不動産会社によって異なるケースがあるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

具体的な金額は必ず確認しておきましょう。消費税込で結局いくらになるのか、また登記費用や各諸経費でいくらひかれるのか、までまとめて聞いておくこと。仲介手数料を安くし、その他諸経費で儲けを出す業者もいます。

仲介手数料を安くするには?

仲介手数料の相場は、宅地建物取引業法で定められた上限額ぎりぎりであるのが現状です。

売買価格が1,000万円であっても、40万円近い仲介手数料を支払わなければならないため、手元にある程度のまとまった金額を準備しておく必要があります。

しかし、大手不動産会社に物件が流れるのを回避するために、大手以外の不動産会社では仲介手数料を安く設定している場合もあります。

このように仲介を依頼する不動産会社によっては仲介手数料を安く抑えられる可能性があるため、複数の業者の仲介手数料を比較することが大切です。

例えば、インターネット上で物件の査定を依頼できる「一括査定サイト」では、個別に仲介手数料の金額を質問できるケースもあります。

不動産会社とのやり取りの中で、仲介手数料が安い業者を探すことで、信頼できそうな業者も見つけやすくなります。

仲介手数料を値引きしてもらうことはできるのか?

売買価格が1,000万円の物件に対して、仲介手数料は40万円近くかかります。ただし、この金額は上限額であり、宅地建物取引業法では下限額に関するルールは定めていません。

そのため、不動産会社との協議次第では、値引きできる可能性が全くないとは言えません。ただ、大手不動産会社では企業全体で仲介手数料を設定しているケースも多いため、値引き交渉は難しいかもしれません。

仲介手数料の値引き交渉を行うタイミングは?

仲介手数料の値引きを行っていないケースも考えられるため、値引き交渉を行うタイミングは、媒介契約を締結する前がおすすめです。

なぜなら、媒介契約の段階で、専任媒介契約や専属専任媒介契約を選ぶことをちらつかせると、値引き交渉に応じてくれる場合があるからです。

3種類ある媒介契約のうち、専任媒介契約や専属専任媒介契約は、売却活動を1社にしか依頼できない仕組みとなっています。

そのため、不動産会社としては、専任媒介契約や専属専任媒介契約を選んでもらった方がメリットが大きく、他社に物件が流れるリスクが回避できます。

ただし、買い手を見つけるために不動産会社はさまざまな手法で売却活動を行ってくれるため、買い手が見つかった後の値引き交渉は控えるようにしましょう。

仲介手数料の値引き交渉がしやすい物件は?

仲介手数料の値引きは、交渉しやすい物件とそうでない物件があると言われています。

なぜなら、人気エリアで希少性のある物件はすぐに売れやすく、高値での取り引きが見込めるからです。

仲介手数料は、売買価格に比例して高くなる仕組みとなっているため、高値で取り引きされれば仲介手数料を値引きしたとしても利益が確保しやすくなります。

一方で、利便性の悪いエリアにある物件や、築年数が古い物件などは、高値で取り引きされる可能性が低いため、値引き交渉しても受け入れてもらえる可能性は低いと言えます。

値引き交渉の前に、売却予定の物件に対する需要をリサーチしておくのも良いでしょう。

まとめ

仲介手数料は不動産会社を見極めるうえでの重要なポイントです。

そして、仲介手数料を契約前に調べたい場合は一括査定サイトを利用してみましょう。

一括査定サイトでは物件の価値がわかるだけでなく、異なる業者同士の条件を比較検討できます。

どの業者が相場からかけ離れているのか、サービスが充実しているのかも一目瞭然です。

自力で複数の業者とコンタクトを取る手間も省けます。

そして、一括査定サイトで見つけた優良業者と契約をして、できるだけ高値で物件を売却しましょう。

マンションや一軒家を売る際のコツを紹介した記事もありますので、ぜひ合わせてご覧ください。