
不動産買取は住み替え先が決まっている、築年数の古い家を売却したい、特定の期日までに売却して現金化したいという場合に適した売却方法です。
一方で一般的な仲介売却より売却価格の相場が下がるとされます。
不動産買取業者に売却すると相場の2~3割安くなるというのは果たして本当でしょうか?
不動産買取を利用してなるべく高く売却することはできないのでしょうか?
不動産買取業者にまつわる話を交えて、不動産売却を成功させるコツを解説します。
優良な不動産買取業者を見極めるポイントもあわせてチェックしましょう。
売却は不動産買取業者?それとも仲介業者?
不動産を売却するには不動産会社に買い手を見つけてもらう「仲介」と、不動産会社に直接売却する「買取」の2つの方法があります。
最近は買取を専門とする不動産買取業者の存在が注目されています。
仲介の特徴
不動産会社の販売活動を通して買主を探す方法で、折り込みやポスティング、オープンハウスなどさまざまなツールを用いて行われます。
買主は個人が中心で、市場価格での売却が成立しやすいのが特徴です。
一方、購入希望者への対応などで売却までに時間がかかったり、仲介手数料が発生したりする点はデメリットといえるでしょう。
買取の特徴
不動産会社が直接買取るため、価格条件がまとまり次第、すぐに売却可能です。
販売活動は一切行わず、スピーディに現金化できるため、すぐに資金が必要なときに適しています。
一般的に市場の相場価格より安い価格での売却になるケースが多いですが、仲介手数料はかかりません。
買取と仲介を組み合わせた方法も
買取と仲介のメリットを取り入れた買取保証という方法もあります。
これは、ある期間まで不動産会社が販売活動を行いますが、買主が見つからなかった場合には、前もって取り決めていた金額で不動産会社に買取ってもらう方法です。
仲介売却は必ず売れるとは限らない不安がありますが、買取保証では売れ残る心配はありません。
不動産買取業者への売却がおすすめのケース
不動産買取業者への売却は市場相場を下回りやすいというデメリットがありました。
しかし、次のような物件の場合は不動産買取がおすすめです。
築年数が古い、旧耐震基準の物件
築年数が古くなるほど市場価値は下がりやすくなります。
とくに1981年以前の旧耐震基準で建築された物件は買い手がつきにくい傾向です。
築30年を超える中古物件の場合、たとえ外装に目立つ損傷がなくても、水道管の老朽化など目に見えない劣化が生じやすく、売却後に修繕が必要になる可能性があります。
仲介売却の場合は瑕疵担保責任により、修繕費を負担することもあり得ます。
しかし、不動産買取業者への売却なら、古かったり旧耐震基準で建てられていたりしても、瑕疵担保責任なしで売却が可能です。
傷みがひどくリフォームが必要な物件
壁紙が剥がれている、床や壁のキズが目立つなど内装の傷みがひどい場合、仲介での売却は内覧の際にマイナスになります。
不動産買取業者であれば内装の状態が悪くても、ほとんど買取に影響はありません。
リフォーム後に売却するより費用がかからず、手元にお金を残せます。
短期間で売却したい物件
不動産に問題はなくても1~2ヶ月以内に売却したい、すぐに現金が必要という場合は買取が最適です。
戸建に比べてマンションの売却はしやすいですが、適正価格でも3ヶ月から半年はかかります。
いつまでに売却するという期限がはっきりしている場合は、買取保証での売却を検討するのもよいでしょう。
仲介で売れない物件
立地に恵まれなかったり、耐震性に問題があったりすると、仲介では売れ残ることがあります。
半年以上問い合わせがない、問い合わせがあっても1年以上売却できない場合は、不動産買取業者の査定をおすすめします。
事故やトラブルがあったワケあり物件
火事が発生したり、孤独死や自殺者が出たりした物件は敬遠されがちです。
しかし売主には告知義務があるため、購入者に不利益になる情報でも正直に伝える必要があります。
売却できたとしても、後で問題となるおそれもあるため、こういった物件も買取の方が安心でしょう。
不動産買取業者への売却はそんなに安い?
ネット情報などではよく「買取は相場の2~3割安くなる」と目にしますが、本当にそれほど安くなるのでしょうか?
仲介=高いわけではない。悪質業者に注意
仲介に物件を出したからといって、必ずしも高い価格で売却できるわけではありません。
不動産会社が仲介する場合、早く売りたい物件を個人の買主ではなく、不動産買取業者に斡旋することがあるためです。
不動産会社は販売活動をせずに売却できるので仕事が楽になり、売主と不動産買取業者双方から仲介手数料をもらえるため、ある意味一石三鳥です。
同様に不動産買取業者も仕入れ物件を探さずに済みます。
なかには、不動産買取業者に相場より安い価格を提示して、仲介手数料とは別にお金を要求するケースもあります。
その金額は数万円のレベルではなく、数十万円から100万円を超えることも少なくありません。

あくまでも一部の業者に限ったことですが、仲介する不動産会社が不当に利益を上げるために、相場より低い査定価格で売主と交渉している可能性もゼロではないのです。
そのような事例もあるため、買取は相場より2~3割安くなるのが一般的という言葉に惑わされないようにしましょう。
不動産買取業者の再販の仕組み
不動産買取業者は個人の売主から不動産を買取った後、リフォームやリノベーションを行い、その費用をプラスして再び市場で販売します。
不動産買取業者は改修工事を行うことで不動産の付加価値を高め、費用以上の価値を生み出すことで利益を上げるのです。
このとき、複数の買取物件のリフォーム工事を同時に発注することで工事単価を抑えたり、仲介する不動産会社の営業力に頼ったりと、さまざまな戦略で再販につなげます。
近年はリノベーション物件の人気が高まり、新築より中古不動産市場が伸びているため、不動産買取業者の参入が増えています。
土地売却は不動産買取業者の差が出る
土地の売買の場合、個人で広い土地を購入するケースは少なく、分割して個人で売却するには宅建業の免許が必要になるケースがあります。
広い土地を売却するときは業者を入れるのが一般的で、業者によって価格に大きな違いが出ます。
例えば同じ広さの土地に道路を敷設して住宅を5棟建てる業者と、道路を敷設しないで住宅を6棟建てる業者では土地の運用利益が大きく変わります。
1棟増やすための土地の分割を検討するには経験や行政との調整力も必要です。
少しでも利益が増やすことができれば、増えた分を買取価格に反映してくれるケースもあるでしょう。
不動産買取業者を選ぶ際の注意点
不動産買取業者を選ぶときはどのように決めればいいのでしょうか。
次のような点に注意して見てみましょう。
買取勧誘のチラシに気を付ける
駅近や人気エリアのマンションの場合、「マンションを高く買取ります」といった不動産買取業者のチラシがポスティングされることがあります。
この価格は実際の買取価格よりもプラスαの金額が記されているケースがほとんどです。
買取専門業者の場合、常に転売する物件を仕入れたいため、本来より高い金額を提示し、所有者の気を引くように勧誘するケースも多く見られます。
くれぐれも不動産買取のチラシの価格に惑わされないよう気を付けましょう。
不動産会社の種類と得意分野を知る
不動産会社はマンションデベロッパーなどの分譲業者、中古物件の買取再販などを行う不動産買取業者、住宅や事業用物件を媒介する業者、不動産投資ファンドなど専門を持つ業者に分かれます。

売買契約をまとめるには経験と実績が必要になるため、不動産買取業者に取り扱う物件の種類と実績をチェックしましょう。
担当者が信頼できるかチェック
不動産買取業者を選ぶ際は、担当者が信頼できるかどうか見極めることも重要です。
こちらの要望をしっかり聞く姿勢があるか、不動産に関する豊富な知識があるか、売主の物件の特徴をしっかり捉えているかなどを確認してください。
また、担当者との相性がよいかどうかも重要です。査定を依頼して、その対応から確認してみましょう。
おすすめは不動産買取業者の一括査定
初めての不動産買取で手続きをスムーズに進めるには、信用できる不動産買取業者に相談することが大切です。
できるだけ高く売るなら一括査定を利用するとよいでしょう。
オンラインで手軽に数社への査定依頼が可能で、その中から信頼できる業者に依頼するだけでOKです。
信頼できる業者探しをサポートしてくれます。
まとめ
築年数の古い物件や仲介で売却しても買い手がなかなか見つからない物件は、不動産買取の検討がおすすめです。
不動産買取で売却しても、相場より価格が大きく下がるとは限りません。
不動産買取は確実に早く現金化できて、内覧などの手間がかからず、一般的に仲介手数料も不要です。
不動産買取のメリットを活かし、少しでも高く売却するには不動産買取業者選びが重要になります。
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不動産はできるだけ高値で売却したいものです。不動産売却の方法や手順、不動産会社選びのポイントを知り、高額での売却を目指しましょう。おすすめの一括査定サイト一括査定サイトも紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。