手付金はいくらにするべき?不動産売買契約締結時の手付金相場

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不動産の売買を行う際には、売主と買主の間で売買契約を締結します。

この売買契約の締結の際に、重要な役割を担っているのが「手付金」です。不動産の売却や購入が初めての方は、「手付金」という言葉を聞いたことがない人も多いかもしれません。

不動産取引をスムーズに進めるためには、手付金についても知っておくことが大切です。

この記事では、手付金の基本的な役割や相場などを紹介します。また、手付金設定時の注意点やポイントについても解説します。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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不動産の手付金とは

不動産の手付金とは

不動産の売却時には、不動産そのものの取引金以外にも、税金や手数料など様々なお金が動きます。

はじめに、手付金とは何か、誰がいつ支払うのかなどの基本的なポイントを紹介します。

誰が誰に支払うのか

不動産売買を行うとき、売主と買主の間で売買契約を結びます。この売買契約の際に買主が売主に支払うお金が手付金です。

手付金は本来、買主が売主に一時的に預けるお金のことを指します。売買契約の際に購入意思の証として預け、売買取引の最終段階で行う不動産代金の決算の際に、売主から買主に返却されるという考え方が原則です。

しかし、これではお金のやり取りが二度手間になってしまいます。

そのため、一般的には手付金を売買代金の一部として扱い、手付金分を売買代金から差し引いて最終的な決済を行う方法を取ります。見え方として、不動産代金の一部を売買契約時に手付金として払うことになります。

支払うタイミングは

手付金は売買契約と同時に買主から売主へ現金で支払うのが原則です。

しかし、不動産売買の手付金は100万円以上になることも多く、高額です。

売買契約当日に現金でやり取りすることに抵抗がある場合などは、売主・買主・不動産会社での話し合いの上、事前に支払いを済ませることも可能です。

また、支払い方法を銀行振込で進めるとき、売買契約を行う日が土日の場合には、前金曜日に前もって振込を行うケースもあります。

いずれの場合も不動産会社や相手と相談の上で、手付金の支払いタイミングを確定します。なお、売買契約以降に手付金を支払いを設定するのはトラブルにつながる可能性が高いです。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

手付金を支払ってから契約をすれば、勝手に契約を解除することができなくなります(契約解除の際には手付金を放棄しなければならなくなるので)。しかし、契約をしたのに手付金を支払っていないと、売主、買主どちらからも簡単に契約を解除することができてしまいます。そのようなことからトラブルにつながるケースがあります。

どんな役割を持っているのか

手付金は、不動産取引において重要な役割を担っています。

具体的には3つの種類があります。売買契約時の手付金がどの種類となっているのか、売主・買主双方がしっかり認識した上で契約を進める必要があります。

  • 違約手付
  • 証約手付
  • 解約手付

違約手付とは、不動産売買契約で定めた内容に対し債務不履行があった場合に、買主の場合は手付金の没収、売主の場合は手付金と同等額のペナルティを支払うという意味を持ちます。

証約手付は不動産の売買が成立した際に買主から売主に支払われる手付金です。これにより売買契約の成立を明確にします。

解約手付は、手付金の授受が発生することにより、売主側・買主側双方の契約解除を認めるものです。どちらか一方の意思だけで契約解除ができることになります。

多くの不動産売買契約書では、手付金に解約手付の意味が含まれています。

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契約を解約する場合は

買主都合で不動産売買契約を解約する場合、支払った手付金を放棄することになります。つまり「売主は買主から受け取った手付金を返還しなくてよい」ということです。

一方、売主都合による解約では、手付金を買主に返還し、さらに手付金額相当分を買主へ支払う必要があります。

このように手付金の存在は、一度行った売買契約を簡単に破棄できないような効力があるといえます。

なお、解約時の手付金の扱いは上記の流れとなることが一般的ですが、不動産売買契約で定めた内容によって例外もあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

民法第557条第1項における「解約手付」は上記の通りとなります。しかし、契約時に「解約手付」ではなく「証約手付」などと取り決めていたり、特約で解約時の違約金の扱いを特別に(3倍など)取り決めていたりする場合は、必ずしもこの通りではないです。あまりないケースではありますが。

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不動産売買契約締結時の手付金の相場

不動産売買契約締結時の手付金の相場

手付金は、原則的に売主と買主の合意の元に、その価格を決定します。

手付金の相場は、不動産の種類や契約方法、販売元などにより異なります。ここでは、新築戸建て、中古マンション、賃貸、不動産会社が売却する不動産の場合の手付金の相場をそれぞれ紹介します。

新築の戸建ての場合

新築戸建の場合、まだ建築中の場合は、手付金の相場は物件価格の5%程度です。すでに完成している場合には、物件価格の10%程度になることが多いです。

物件価格が4,000万円の不動産の場合、未完成であれば200万円、完成していれば400万円程度が相場となります。

なお、売主が不動産会社(宅地建物取引業者)の場合は、手付金が未完成の物件であれば物件価格の5%、完成後の物件であれば10%以上の場合、「保全措置」という仕組みにより手付金が保証されます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

手付金の金額が違う理由としては、未完成の場合、購入する物件をまだ確認していないわけですから、契約の解除をする可能性が高くなるからです。

中古マンションの場合

中古マンションの場合も、売買代金に対して手付金の相場は5~10%の金額となります。

売主が個人の場合、手付金の額に上限はありませんので、相場を参考にしながら売主と買主で相談して金額を確定しましょう。

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賃貸の場合

賃貸住宅の場合、手付金を預かるケースはあまり多くありません。特に東京の賃貸では手付金がないことが一般的です。

ただし、賃貸契約において手付金を預かることが禁止となっているわけではありませんので、発生する可能性がないわけではありません。手付金が発生する場合は、最大10%程度が相場でしょう。

また、手付金(賃貸契約では預り金と呼ばれることもある)がある場合でも、賃貸契約の申込を早期に撤回した場合は返金されます。

しかし、すでに不動産仲介業者から重要事項の説明を受けた上で書面を受け取り、さらに物件のオーナーが入居を承諾してしまっている場合には、借主が入居をキャンセルしても手付金(預り金)は戻らない可能性が高いです。

本格的に契約に至った後のキャンセルは返金が難しいです。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

手付金を取るかどうかは、地域というよりは人(貸主)によって違うようです。東京よりも大阪の方が手付金を取る貸主は多いように思います。

不動産会社が売主の場合

不動産会社が売主となる場合、手付金は売買代金の20%以内と法律によって定められています。さらに、手付の種類は解約手付にしなければなりません。

20%はあくまで上限なので、一般的な相場と同様に5~10%程度を手付金としている不動産会社もあります。

法人から不動産を購入する場合には、手付金がどれくらいになるのか早い段階で確認したほうがよいです。事前に手付金額を把握しておけば、いざ支払いが必要になったときにあせらなくて済みます。

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不動産の手付金を設定するときのポイント

不動産の手付金を設定するときのポイント

売買契約をスムーズに進めるために、手付金の設定時に気をつけるポイントがあります。具体的には次の2点です。

双方が納得のできる金額を設定する

手付金は売主と買主の話し合いによって決められるものですので、双方が納得できる金額を設定しましょう。

売主側が一方的に金額を決めて提示することがあっても、買主から希望の値段を交渉をすることができます。

また、売主から見た場合にも、手付金が高いからよいというわけでもありません。高く設定しすぎると、万が一自分都合で契約を解約しなければならなくなった際に、大きな出費が発生してしまいます。

逆に低すぎると相手から簡単に解約されてしまう原因にもなりますので、双方の希望を踏まえた上で適切な価格を探っていくことが大切です。

双方が納得のできる期日を設定する

手付金の期日とは、契約のキャンセルを行うことができる期限のことです。

期日を長く設定しすぎてしまうと、その間に相手方の状況や気持ちの変化が起こる可能性があります。必要以上に期日が長いと、キャンセルの確率を高めてしまうことになります。

不動産は高額な買い物ですので、一度購入を決めた買主が、時間が空くことによって不安になり、キャンセルをしてしまうケースも多いのです。

逆に期日を短く設定しても、相手方から不審に思われて契約自体が成立しないというケースもあります。適度な期間を設定することが重要です。

手付金の期日は一般的に1カ月程度です。特別な理由がなければ、1カ月前後で設定するとよいです。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

人気のある物件などだと、解約した際の手付金分を支払っても購入したいという新たな買主が現れる場合もありますので、手付金を高めに設定して期間も短めにする、という場合があります。

不動産の手付金を相場よりも高く設定するケース

不動産の手付金を相場よりも高く設定するケース

手付金の金額の相場について紹介しましたが、状況によっては手付金を高く設定したほうがよいケースもあります。

債務不履行のリスクが心配なとき

手付金には、買主が支払う手付金を保証する「保全措置」という仕組みがあります。

不動産引渡しの前に不動産会社が倒産してしまって債務不履行となってしまった場合などに、保全措置によって手付金を取り戻すことが可能です。

保全措置は、売主が不動産会社(宅地建物取引業者)であることが前提です。宅地建物取引業者から購入する物件が、さらに次の要件に当てはまる場合に保全措置が必要となります。

  • 完成物件の場合:手付金が10%超、または1,000万円以上の場合
  • 未完成物件の場合:手付金が5%超、または1,000万円以上の場合

売主が不動産会社(宅地建物取引業者)であれば、手付金を上記の水準以上で設定しましょう。手付金が戻ってこないリスクを避けることができます。

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人気物件を売りに出す場合

売却したい物件が、ブランドエリアにある、相場よりも安い価格で売り出すなど、人気物件であれば、購入希望者が殺到することが予想されます。

このような場合、手付金を高く設定することによって本当に購入したい人を見極めることにつながります。条件がよい物件を売却する場合には、売主は多少強気の額を提示してみてもよいです。

また買主側も、購入したい物件が競争率の高い人気の物件であれば、手付金を相場よりも高めに提示することにより、購入の本気度をアピールすることができます。

不動産の手付金に関する注意点

不動産の手付金に関する注意点

最後に手付金に関しての注意点を紹介します。事前に手付金の注意点を把握して、スムーズな取引ができるようにしましょう。

買主がローン審査に落ちたら返却しなければならない

売買契約を締結した後、買主の住宅ローンの本審査が行われます。

このとき、買主がローンの審査に落ちてしまったら売買契約を履行することができません。そのような場合に備えて、ほとんどの売買契約には「ローン特約」がつけられています。

「ローン特約」とは、買主が住宅ローンを組めなかった場合は売買契約を白紙に戻すというものです。契約が白紙になるわけですから、当然、手付金も買主に返金されることになります。

この「ローン特約」をつけていないと、ローンが組めなかった場合でも、売買契約を解除することができないので注意が必要です。

手付金はローンで支払えない

通常、住宅ローンを組む際には購入する不動産を担保とします。そのため、住宅ローンの審査の段階で、不動産の売買契約が締結していなければなりません。

手付金は売買契約時に支払うものなので、購入する物件を担保に、手付金をローンで支払うことはできません。

そのため手付金の分は、あらかじめ現金での用意が必要になります。

少額手付金の場合は期間を短くする

相手方からの減額交渉により、手付金を少額に設定してしまった場合は、契約を解約されるリスクが高くなります。

このような場合は、契約までの期日を短くするなどの対処を行った方が安心です。

一般的には1カ月程度が期日の相場ですが、期日を2週間程度にすることを条件として、手付金の減額を受けることをおすすめします。

適切な手付金の設定で不動産売却を成功させよう

適切な手付金の設定で不動産売却を成功させよう

不動産を売却する際には、必要書類の準備、売却活動、引越し先の準備など、同時並行で様々なことを行わなくてはなりません。

そのため手付金のことまで意識が回らないというケースも多いのですが、紹介した通り、手付金も重要な役割を持っています。ぜひ、注意点やポイントを押さえて、不動産売却に臨んでください。

適切に手付金の金額や期日を設定し、スムーズな不動産取引を目指しましょう。

不動産売買に関する基礎知識をまとめましたので、ぜひ合わせてご参考にしてください。