抵当権抹消登記費用は?自分でできる?費用相場や3つの方法を解説

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住宅ローンを完済したときや、住宅ローンを支払っているマンションや家などの売却時に必要な手続きの1つが抵当権抹消登記です。

一見難しそうに見える手続きですが、実は自分で行うことができます。

司法書士に依頼するとしても、手続きにかかる費用の内訳や依頼料の相場を知っておくと、提示された見積もりの数字が適切なのか判断できるため、余計な出費を抑えられます。

ここでは抵当権抹消登記とはどういった手続きなのか、そして手続きに必要な費用や書類について説明していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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抵当権抹消登記とは

抵当権抹消登記とは

まずは、抵当権抹消登記がどのような手続きか解説します。

抵当権の登記を解除する手続き

抵当権抹消登記とは、「抵当権を抹消する登記を行う」手続きのことです。

住宅ローンは一般的に、購入する不動産を担保に金融機関からお金を借りることになります。

抵当権はローンの支払いが滞ったときなどに、金融機関が担保にしている不動産を差し押さえられる権利です。

住宅ローンの契約が成立したときに、不動産を担保に金融機関が抵当権を持っていることを登記しています。

この抵当権が抹消、つまり無くなったことを登記する手続きが、抵当権抹消登記です。

この手続きは住宅ローンを完済したときや住宅ローンが残っている物件を売却するときに必要になります。

さらに、抵当権抹消登記は住宅ローンを完済していないと行えません。

そのため、住宅ローンが残っている物件を売却するときは、物件を売却したお金でローンを完済した後に抵当権抹消登記を行い、その後物件を買主に引き渡します。

すでに住宅ローンなどの債務の支払いが済んでいるにもかかわらず、抵当権を抹消する手続きを行っていなくても違法ではありません。

しかし手続きをしないと、登記簿を確認した第三者から抵当権が残っていると思われてしまいます。

すると、新しく物件を担保にローンを組めなかったり、物件を売ろうとしたときに購入者から敬遠されてしまうなど不利益を被る場合があります。

また、抵当権を抹消しないまま長年放置しておくと、相続などにより権利関係が複雑になり、いざ抵当権抹消登記をしようとしても手続きや書類の準備が大変になる場合があります。

売却した物件を引き渡す前に行う

抵当権抹消登記は売却した物件を買主に引き渡す前に行います。

これは、登記簿に登記されている抵当権は、持ち主がかわったとしても次の持ち主に引き継がれてしまうからです。

もし売主が債務を返済できずに差し押さえが実行されると、買主には非がなくとも物件の所有権を失ってしまいます。

そういった危険を避けるために、売買代金の決済と引き渡しが行われる前に、抵当権抹消登記を行うのが一般的です。

しかし、これでは売却した代金で住宅ローンの残りを支払おうとしている場合、抵当権を抹消することができず、売却できないことになってしまいます。

その場合には、代金の決済と引き渡しのときに、ローンをしている金融機関の担当者や抵当権抹消登記を代行する司法書士など関係者が揃っている中で手続きを進め、買主は抵当権抹消登記が確実に実行されることを前提に取引を行うなどの対応をします。

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抵当権抹消登記を行う3つの方法

抵当権抹消登記を行うには3つの方法があります。

それぞれにメリットデメリットがあるので、自分の状況に合わせてどの方法を用いるか判断する必要があります。

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自分で行う

抵当権抹消登記は必要書類を揃えて手順通りに行えば自分でも可能です。

メリットは費用が安く済むことです。かかるのは手続きに必要な費用と交通費などですみます。

デメリットは手間と時間がかかってしまうことです。

必要書類を揃えて手順通りに行えばできるとはいえ、必要な書類を入手し作成するだけでもそれなりの手間がかかります。

また、法務局は平日しかあいていないので、平日働いている方には申請が難しいこともあります。

郵送での申請も可能ですが、不備があって返送されるなどのやりとりが増えると、手間や時間、さらには郵送費や交通費などの費用が増える可能性があります。

家族に代行依頼する

登記を行うために特別な免許等は必要ありません。

そのため自分では手続きを進める時間がない場合、家族や知人に代行してもらうことが可能です。

この場合は用意する書類に委任状が増える以外は、自分で手続きを行う場合と同じです。

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司法書士に依頼する

最後は司法書士に依頼する方法です。

メリットは手間がかからないことです。デメリットは代行手数料がかかり費用が高くなってしまうことです。

前述の通り、自分で手続きを行うには手間と時間がかかってしまいます。

司法書士に依頼すればすべて代行してくれます。

また、書類や手続きの不備などがないので、再申請になる心配もありません。

抵当権抹消登記にかかる費用の相場

今までの内容から抵当権抹消登記を行うために必要な費用の総額はいくらぐらいになるのか、その相場を見ていきます。

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自分もしくは家族がおこなう場合

不動産の筆数にもよりますが、手続きの費用だけですみますので登録免許税をあわせて5,000円以下で済みます。

たとえばマンションの場合、建物の登記簿に土地の情報も載っているので、登記簿謄本1通取得で600円、登録免許税が2,000円、合計2,600円、プラス郵送費や交通費で手続きが行えます。

司法書士に依頼する場合

司法書士に依頼する場合、支払う報酬は総額で8,000円から10,000円程度になります。

これは手続きの費用に司法書士に対する報酬がプラスされた金額になります。

また、司法書士に依頼した場合、抵当権抹消登記が完了したことを証明するために、手続き後に登記簿謄本の写しを取得して渡してくれる場合が多いです。

したがって、その分、不動産の数×500〜600円程度費用がプラスされることになります。

黄 威翔/宅地建物取引士黄 威翔/宅地建物取引士

抵当権抹消手続きにかかる登記費用や登記簿謄本の発行手数料には消費税はかかりませんが、司法書士に支払う代行手続きの報酬には消費税が課せられます。

抵当権抹消登記にかかる費用の内訳

それでは実際に抵当権抹消登記に必要な費用の内訳を見ていきましょう。

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書類を作成し提出するのに必要な費用

まずは、申請書類を作成して提出するまでにかかる費用です。

抵当権を抹消したい不動産の情報を取得するために登記簿謄本を取得、閲覧するための費用が掛かります。

取得したい場合の、不動産一件あたりの手数料は次のようになります。

書類を作成し提出するのに必要な費用

また、登記簿謄本は情報の確認をするためのものですので、提出の必要はありません。したがってオンラインで閲覧、確認するだけで十分です。

この場合、不動産1件あたり334円に抑えられます。

手続きにかかる登録免許税

抵当権抹消登記の手続きの際に必要になるのは、登録免許税です。

登録免許税は不動産1つあたり1,000円掛かります。

登録免許税は収入印紙で納めるので、収入印紙の購入を忘れないようにしましょう。

注意が必要なのは土地と建物は別の不動産として数えることと、土地は見た目ではなく登記簿の筆数で決まることです。

たとえば、建物と土地は別々の扱いになるため、不動産2つとみなされ2,000円の登録免許税が必要です。

また、建物が2筆の土地にまたがって存在する場合、建物1つと土地2つで合わせて3つの不動産という扱いになり3,000円かかります。

黄 威翔/宅地建物取引士黄 威翔/宅地建物取引士

あまりないことかもしれませんが、不動産の数が20を超える場合は、20,000円を上限として一律の額となります。

つまり、もし25や30の筆数があっても支払う額は20,000円となります。

司法書士に支払う報酬

手続きを司法書士に依頼した場合は、報酬を支払う必要があります。

抵当権抹消登記の代行を依頼した場合の報酬は5,000円〜10,000円が相場になっています。

もし司法書士に手続きを依頼する場合はこの価格帯を念頭に置いて探すとよいです。

また、報酬の基準を不動産1筆あたりで定めているところもあるので、一見格安に見えても実際に依頼したら高額になってしまう可能性もあります。

さらに報酬自体が安くても、費用項目が多くて割高になる司法書士もいます。

なので、事前に見積もりを取るなどして、報酬の基準がどうなっているのかもしっかり確認することをおすすめします。

条件によって変動するその他の費用

続いては、必ずしもかかるわけではない費用について紹介します。特定の条件下にあるときのみ発生する費用であるため、自分が該当するかどうかの確認もかねて見ていきましょう。

条件によって変動するその他の費用

住所・氏名変更登記申請費用

不動産の現在の所有者の住所・氏名が、登記されている所有権の登記名義人と異なっている場合は、変更の登記が必要です。変更は、抵当権抹消手続きの前に行わなければなりません。

住宅ローンを組んでから登記に変更を加えていなければ、金融機関から送付された「抵当権設定契約書」で登記されている所有者の住所と氏名を確認できます。現住所や氏名と違いがあれば変更を行いましょう。

こちらも登録免許税が必要で、住所・氏名それぞれの変更ごとに、不動産1件あたり1,000円かかります。司法書士に依頼した場合の支払報酬の目安は10,000~15,000円です。

相続登記費用

故人の不動産を相続によって取得し、その登記を行っていなかった場合は、抵当権抹消の前に相続登記をする必要があります。

必要書類・手続きと、それぞれにかかる金額をリストにまとめました。

項目 費用
名寄帳 無料~300円
※自治体によって異なる
固定資産評価証明書 数百円
※自治体によって異なる
登記事項確認 334~600円
故人の戸籍謄本 450~700円
故人の住民票の除票 200~300円
相続人全員の戸籍謄本 1通あたり450円
相続人全員の印鑑証明書 1通当たり200~400円
相続人の住民票 200~400円
登録免許税 固定資産税評価額×0.4%

この他、各種書類を取得する際の交通費や郵送代がかかります。司法書士へ依頼した場合の、支払報酬の相場は60,000~90,000円です。

休眠抵当権の抹消手続きにかかる費用

休眠抵当権は、明治時代~昭和初期に設定された抵当権が、抹消されずに残っているものです。完済しており、抵当権が消滅していることを証明できる書面があればよいですが、多くの場合は見つかりません。

本来であれば完済していないと抵当権は抹消できませんが、抵当権者が行方不明・弁済期から20年以上が経過していれば、登記された金額と長い年月分の利息を、法務局に供託することで手続き可能です。

長い年月分の利息となると高額に思えますが、心配いりません。当時の貨幣価値を換算せずに計算するため、明治時代~昭和初期なら登記された金額は数十円程度です。利息分を合算しても数百円で済みます。

抵当権抹消手続費用を抑えたいなら自分で行う

抵当権抹消登記の手続きは自分で行うことで、余分な費用をかけることなく安く済ませることが可能です。

必要書類も金融機関が用意してくれるものが多いので、きちんと手続きを理解すれば難しくはない作業です。

一方で、それなりの手間や時間がかかります。

司法書士に代行を依頼するにしても、見積もりを取るなど料金を精査し、適切な価格で請け負ってくれる司法書士を探しましょう。

また、状況によっては金融機関や買い主が指定して司法書士に代理を依頼しなくてはならない場合もあります。

自分の状況にあわせて、どの方法が適切か判断していきましょう。