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戸建を売却する際は、まず売却相場を把握しておくことが大切です。
相場を把握しておくと、今後の資金繰りや不動産会社選び、買主との価格交渉まで、あらゆる面で役に立ちます。
今回は、戸建売却までの大まかな流れに始まり、相場を把握することのメリット、相場の調べ方、相場を左右する要因に至るまで、詳しく解説します。
また、後半では不動産会社を選ぶときのポイントも紹介しますので、近々売却を検討している方は参考にしてみてください。
戸建てを売却するときの大まかな流れ
まずは、戸建売却までの大まかな流れを追っていきましょう。本題は売却相場ですが、流れの中で大切なポイントも解説します。
不動産会社に査定を依頼する
まずは不動産会社に物件の査定を依頼します。
「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」があり、簡易査定の後で、現地調査も含めた訪問査定を行うことが多いです。
簡易査定の段階では、売主が提供する建物や土地についての情報をもとに、目安となる査定額が算出されます。
この段階では複数の不動産会社に依頼して、提示された査定額を比較することが大切です。
そして、簡易査定の結果から3~5社に絞りこみ、訪問査定を依頼します。
不動産会社は訪問査定時に周辺地域の環境・アクセスなどを確認、役所で建築の条件などを調べて、より詳細な査定額を算出します。
査定額はあくまでも物件に対する評価のようなものであり、なおかつ、当該の不動産会社がその値段で売れるという見込みです。

実際の売却額は、複数の要因で変動することに留意しましょう。
なお、査定依頼の前に売却の相場を自分で調べておくのがおすすめです。
提示された査定額が妥当か否かを判断する材料にできます。
媒介契約を結ぶ
査定額を比較検討し、売却を依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。
媒介契約には「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約の3種類があります。
それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の希望と合致する契約を選ぶことが大切です。
では、それぞれの媒介契約の特徴を比較して見てみましょう。
他の不動産会社との同時契約 | 売主が自らみつけた買い主との直接契約(自己発見取引) | 契約期間 | 指定流通機構への登録義務 | 販売活動の報告義務 | |
---|---|---|---|---|---|
専属専任媒介契約 | 不可 | 不可 | 3ヶ月 | 5日以内 | 1週間に1度以上 |
専任媒介契約 | 不可 | 可 | 3ヶ月 | 7日以内 | 2週間に1度以上 |
一般媒介契約 | 可 | 可 | 定めなし | 登録義務なし | 報告義務なし |
この比較表をふまえ、各項目の内容・契約の種類による違いを、以下で詳細に解説します。
他の不動産会社との同時契約
他の不動産会社との同時契約できるかどうかは、不動産会社が販売活動にかける熱意にかかわってきます。
なぜならば、不動産会社の売上となる媒介手数料は、売買契約を締結した買主をみつけた不動産会社のみに支払うものだからです。
他の不動産会社と同時契約できる一般媒介契約では、他社が買主をみつけてしまえば、それまで熱心に販売活動していたとしても売上にはなりません。
そのため、どうしても他の契約と比べると熱意は低下しがちです。
一方で、メリットもあります。不動産会社によって抱えている見込み客が異なるため、幅広い購入希望者を募れる可能性があるという点です。
早急に売却したいなら、熱心な販売活動が期待できる、専属専任媒介契約・専任媒介契約を選択しましょう。
逆に、より好条件の購入希望者が現れるまで待てるのであれば、一般媒介契約が適しています。
売主が自らみつけた買い主との直接契約(自己発見取引)
不動産取引は、必ず不動産会社が仲介をしなければならない、というわけではありません。
売主が自ら買主をみつけ、直接取引する「自己発見取引」をすることもできます。
自己発見取引は、一般媒介契約と、他の不動産会社との取引は不可だった専任媒介契約でも可能です。
専属専任媒介契約のみ不可となっています。
親族や知人が購入を検討しているような状況であれば、専属専任媒介契約以外を選択しましょう。
契約期間
専属専任媒介契約と専任媒介契約には、上限3ヶ月の契約有効期限が設けられています。
この点も、不動産会社の熱意を左右するポイントです。
不動産会社からすれば、期間満了後に買主が契約更新してくれるとは限らないため、3ヶ月以内で売れるよう、積極的な販売活動をしてくれることが期待できます。
指定流通機構への登録義務
指定流通機構とは、宅地建物取引業法に基づく、国土交通省大臣指定の不動産流通機構です。
不動産情報を業者間で交換するために用いるもので、レインズというネットワークでつながっています。
レインズに物件を登録すると、購入する不動産を探している顧客を持つ不動産会社から、販売活動を行っている不動産会社へ連絡が入りやすくなります。
つまり、買主を迅速にみつけやすいということです。
専属専任媒介契約の場合は媒介契約の締結から5日以内、専任媒介契約の場合は7日以内の登録が義務付けられています。
一方、一般媒介契約の場合は登録義務がありません。
販売活動の報告義務
販売活動の報告義務も重要なポイントです。
広告宣伝の内容、民間の不動産ポータルサイトへの登録など、不動産がどのような販売活動をしているのかを定期的に報告する義務を指します。
専属専任媒介契約はこの報告義務が最も厳しく、不動産会社は1週間に1度は売主へ報告する必要があります。
専任媒介契約の場合は2週間に1度で、一般媒介契約では報告義務はありません。
報告義務を重視すべき理由は、不動産会社による「囲い込み」の恐れがあるからです。
囲い込みとは、不動産会社が売主と買主の両方から手数料を得るために、自社がみつけた買い主以外の商談を断ることを指します。
囲い込みをされると、契約期間ギリギリまで売却に至らなかったり、より高額で購入してくれる買主との機会を失うことになりかねません。
販売活動の報告内容から、あまりにも問い合わせがない、常に商談中など、不自然な点がある場合は要注意です。
また、本当に問い合わせがない場合は、売り出し価格を見直すきっかけにもなります。
媒介契約については、こちらの記事でも詳しく紹介しています。合わせて読んでみてください。
不動産売却における不動産会社との媒介契約について、詳しく解説します。3種類ある契約の特徴と、具体的な状況・条件別におすすめの契約、よくある質問への回答など、必見の情報が満載です。内容を把握して、自身の希望と合致する契約を結びましょう。
販売活動の開始から内覧の受け入れ
不動産会社と媒介契約をすると、販売活動が始まります。
民間のポータルサイトへの掲載、新聞への折り込みチラシなど、手段は多種多様です。
これらの販売活動にかかる費用は、基本的に媒介手数料に含まれています。
ただし、売主の希望で大手新聞社の紙面への広告掲載などを行う際には、別途費用の支払いが必要です。
なお、広告等に掲載する「売り出し価格」は、査定額を基準として売主が決めます。
相場や査定額よりも高く設定しても構いませんが、その分、買主がみつかりにくくなる恐れがあるため注意しましょう。
広告掲載等が始まると、購入希望者や見込み客を持つ他の不動産会社から、媒介契約をした不動産会社へ連絡が入ります。
その連絡で内覧希望が出ている場合には、売主は可能な限り受け入れるのがおすすめです。
実際に物件を見てもらいながらセールスポイントを伝え、なおかつ相手の疑問にも答えることで、売却できる可能性が高まります。
印象アップにつながる、内覧前のハウスクリーニングというのも一つの手です。
価格交渉から売買契約の締結
売り出し価格を見た上で購入を希望している相手だとしても、売買契約までには交渉が付きものです。
減額は多かれ少なかれ希望されるものだと考えておきましょう。
そのため、売り出し価格は、相場から外れない範疇で、実際に売れて欲しい金額よりは高めに設定するのがコツです。
そうすれば、交渉によって価格を下げざるを得なかったとしても、本来の希望価格で売却できます。
交渉を経て買主の購入意思が固まり、売主も納得できる条件で話がまとまれば、売買契約を締結します。
契約書は不動産会社が用意してくれますが、売主と買主の個人間契約です。
口頭での交渉内容だけを鵜呑みにせず、契約書にしっかりと希望通りの条件が記載されているかを、署名・捺印前に確認しましょう。
戸建ての売却価格の相場を知っておくメリット
不動産会社に査定を依頼する前に、売却価格の相場を自分で調べておくことが大切です。その理由として、主なメリットを5つ解説します。
不動産会社選びに役立つ
不動産会社から査定結果を取り寄せ、比較検討する際の基準として、売却価格が役立ちます。
査定額が相場よりも高いか低いかを見て、その理由として挙げられている事柄を確認することが大切です。
査定結果に詳しく書いていなければ、不動産会社に質問しましょう。
不動産会社を選ぶときの注意点の1つとして「定額が高いというだけで決めてはならない」いうことがあります。
高い査定額を提示する根拠がしっかりとあるか否かが、重要なポイントとなります。
なぜなら、専属専任媒介契約・専任媒介契約をとりつけ、他社を排除した状態で手数料を獲得するために、根拠がないにも関わらず、査定額の時点では高額を提示する不動産会社があるからです。
このような場合、最初は高額の売り出し価格で販売活動を行いますが、根拠がないのでその額ではまず売れません。
よって、最終的には売れないことを理由に、売り出し価格を下げるよう提案されます。
このような悪質な不動産会社を回避するためにも、あらかじめ調べ、相場との差が大きい査定額を提示してくる不動産会社があれば、その根拠を徹底的に追求しましょう。
買取の場合は買取価格を交渉できる
不動産会社に依頼する売却方法は、買主をみつけてもらう媒介契約だけではありません。
不動産会社自体に売却する「買取」という方法があります。
買取を依頼する際に相場を知っておけば、買取額か妥当かどうかを判断したり、高額での買取をお願いできないか交渉したりする際に役立ちます。
なお、買取では、不動産会社が買い取った後で個人や事業者に売却するため、相場と比べると6~7割程度の買取額になるのが一般的ですが、媒介による売却よりも早く売れるというメリットがあります。
また、媒介による販売では、査定・媒介契約までに1~4週間、販売活動開始から買主との売買契約に1~3ヶ月、物件の引き渡し・代金の全額受取りまで1~2ヶ月を要し、それ以上長引くことも少なくありません。
一方、買取では査定後の商談を経ればすぐに売買契約に移れるため、1ヶ月程度で売却代金を受け取れます。
また、個人間の売買では存在する、物件の欠損等に対する補償「瑕疵担保責任」も免除されます。

民法では、売主は過失の有無(知っていたか知らなかったか)に関係なく、買主に対して責任を負わなければならないと規定されています。
これを瑕疵担保責任といいます。
売り出し価格を決めやすくなる
査定額は不動産会社から提示されますが、売り出し価格を最終的に決定するのは売主です。
査定額とは異なる価格を設定しても構いません。
売却までの期間的な制限がない状況、あるいは制限はあっても時間の猶予がある場合、最初は相場より高い売り出し価格を設定してみることも可能です。
傾向としては、相場より高いと買主がみつかりにくくなりますが、高額で売れるまで待てるのであれば有効な手段です。
逆に、すぐにでも売りたいのであれば、相場よりも安い売り出し価格に設定するのがおすすめです。
しかし、あまりにも安すぎるとかえって不信感を抱かせるため、不動産会社とよく相談しましょう。
価格交渉がしやすい
売り出し価格を見て連絡してきた購入希望者だとしても、売買契約までの商談の中で、値下げ要求をしてくることは少なくありません。
その要求が過剰なものかどうか、相場を基準に判断しましょう。
もし相場よりも大幅な値下げ要求であれば、その要求に応じずとも、他に相場に近い価格で購入してくれる希望者が現れる可能性があります。
逆に、もともと高めで設定していた売り出し価格に対して、相場程度までの値下げ要求をされたのであれば、落としどころと判断して売却に応じるのも選択肢の一つです。
資金繰りがしやすくなる
住宅ローンの返済が難しくなった場合や、新居に向けての資金調達で売却する場合、資金繰りの計算は欠かせないポイントです。
根拠のない状態で高額で売れることを見込んでいると、資金繰りは破綻してしまいます。
相場を調べることで、売却額の目安を把握し、計画を立てるようにしましょう。

相場を知らずに売却活動を行うことは、裸で戦場に行くことと変わりません。
売却活動は、幸い戦いの場ではありませんので、強い武器までもは必要ありませんが、最低限の””防具””を装うものだと思って、相場を知っておきましょう。
戸建ての実勢価格と売り出し価格
相場を把握する上で参考となる「実勢価格」と「売り出し価格」の調べ方を解説します。
なお、固定資産税評価額は公示地価の7割程度であり、実勢価は公示地価の1.1~1.2倍ほどなので、
固定資産税通知書で固定資産税評価額がわかる場合は、「相場=固定資産税評価額×0.7×1.1~1.2」も一つの基準です。
実勢価格の調べ方
「実勢価格」は、実際に取引が行われた価格を指します。
より詳細にいえば、買主との価格交渉を経て、締結した売買契約書に記載されている金額です。
この価格の調べ方は主に2種類が挙げられます。
土地総合情報システムで調べる
土地総合情報システムは、不動産の取引価格と、地価公示、基準地価を検索できる、国土交通省のWebサイトです。
実勢価格を調べる際は、「不動産取引価格情報検索」を使います。以下の情報を指定して絞り込みます。
- 取引時期
- 不動産の種類(宅地・土地・土地と建物・中古マンション等・農地・林地)
- 地域(都道府県・市区町村・地区/路線・駅名)
検索結果には、以下の情報が掲示されます。
- 不動産の種類
- 所在地(町名まで)
- 地域(商業地・住宅地等)
- 最寄駅(駅名・徒歩分数)
- 取引総額
- 面積
- 土地(坪単価・平米単価・形状)
- 建物(延床面積・築年数・構造)
- 間取り
- 用途(住宅・事務所・店舗等)
- 今後の用途
- 前面道路(幅員・種類・方位)
- 都市計画
- 建ぺい率
- 容積率
- 取引時期
- 改築(済・未)
- 取引の事情等
これらの内容が、自身が売却したい不動産の条件と近しいものを参考にしましょう。
レインズマーケットインフォメーションで調べる
レインズマーケットインフォメーションは、不動産会社間でのみ使われるレインズを、一般の人でも活用できるように情報提供を行っているサイトです。
運営は全国指定流通機構連絡協議会が行っています。
先述の土地総合情報システムとは異なり、こちらではマンションと戸建のみの検索が可能です。
まずはどちらも、都道府県・地域を指定してから詳細条件による絞り込みに遷移します。詳細条件は次の通りです。
- 地域詳細(町名まで)
- 沿線
- 最寄駅
- 駅からの距離(徒歩分数・バス)
- 価格(下限・上限の指定)
- 土地面積(下限・上限の指定)
- 建物面積(下限・上限の指定)
- 間取り
- 築年数
- 成約時期
- 用途地域
- 軸(土地面積×価格・建物面積×価格)
これらを指定すると、実際にあった取引の上記項目の詳細と、直近1年の取引情報グラフが提示されます。
詳細を確認し、売却したい物件と似ている条件の情報を参考にしましょう。
売り出し価格の調べ方
売り出し価格は買主主体で決めた金額で、広告等に掲載するためのものです。
買主候補との価格交渉を経る前の金額であり、実際にその価格で売れるというものではありません。
しかし、相場と比べてどの程度の金額で売りに出されているのかという目安を把握できます。
民間の不動産ポータルサイトから、買主目線で売り出し中の物件を調べましょう。
goo住宅・不動産で調べる
goo住宅・不動産は、NTTレゾナントが運営する不動産ポータルサイトです。
SUUMO・at home・LIFULL HOME’S・アパマンショップ・HOME4U・マンションコミュニティ・生活ガイド.com・OCN不動産から情報提供を受けており、一括検索できます。
戸建を売却するための情報を検索するのであれば「購入>中古一戸建て」を選択しましょう。
その他、次のような項目で段階的に絞り込めます。
- エリア(都道府県>市区郡>町名・路線>駅・地図)
- 価格(下限・上限の指定)
- 間取り
- 建物面積(下限・上限の指定)
- 土地面積(下限・上限の指定)
- 築年数
- 駅からの時間
- 建物構造(鉄筋系・鉄骨系・木造等)
- 階数(平屋・2階建て等)
- 立地・特徴(1種低層地域・南道路・整形地)
- キッチン(カウンター・システム・IHクッキングヒーター・浄水器)
- 設備(都市ガス・本下水・ウォークインクローゼット等)
- 駐車場(有・2台・3台)
- 性能・評価(免震・インスペクション済等)
- 瑕疵担保(保障・保険)
- お得な条件(売主・代理・フラット35S適合・低炭素住宅・長期優良住宅)
- 画像・動画(間取り図有り・外観写真有り・動画・パノラマ有り)
このように、細かな情報で検索できます。
このような検索条件は、購入希望者の需要に合わせたものです。
つまり、アピールポイントになり得る項目ともいえます。
自分が売却したい不動産と似た物件の売り出し価格だけでなく、細かな条件の違いによって、同じ立地でも売り出し価格に差が出ているかをチェックしましょう。
【PR】SUUMOのサイトで調べる
リクルートが運営するSUUMOでも、売り出し中の物件を調べられます。「一戸建てを買う」の項目にある「中古」を選択して検索をかけましょう。以下の条件で絞り込めます。
- エリア(都道府県>市区郡>町名・路線>駅・地図・通勤・通学時間)
- 価格×広さの相場
- 価格(下限・上限の指定)
- 間取り
- 建物面積(下限・上限の指定)
- 土地面積(下限・上限の指定)
- 築年数
- 駅徒歩(分数)
- 駅利便性(始発・2沿線以上利用可)
- 所有権(所有権・賃借権・地上権・定期借地権)
- 階数(2階建て・3階建て以上)
- 性能(耐震・長期優良住宅・低炭素住宅・オール電化等)
- 証明書類(住宅性能評価書あり・インスペクション済み等)
- 瑕疵担保(瑕疵保険・瑕疵保証等)
- リフォーム・リノベーション(水周り設備交換・内装・外装・リノベーション)
- 表示情報(3Dビュー・物件ムービー)
- 日当たり(南向き)
- 室内設備・仕様・収納(床暖房・バリアフリー・ウォークインクローゼット等)
- キッチン(システム・対面式・パントリー・IHクッキングヒーター等)
- 浴室(浴室乾燥機・浴室1坪以上)
- バルコニー・テラス・庭(ウッドデッキ・テラス・ルーフバルコニー等)
- 駐車場(2台可・3台以上可・ハイルーフ)
- 立地(高台・角地・整形地・低層住宅専用地域)
- 周辺環境(隣の建物との間隔が広い・スーパー徒歩10分以内等)
- その他(即入居可・売主・代理)
このように、かなり細かな項目で絞り込めるため、売却したい不動産と極めて似た物件を検索できます。
設備や立地にアピールポイントが多い場合は、SUUMOを活用しましょう。

ポイントは、1つに絞らないこと。いろんなサイトを見ることにより、見えてくることもあるかもしれません。
戸建ての売却価格の相場を左右する要因
戸建を含め不動産の売却価格の相場は、複数の要因によって左右されます。
数年に渡る相場の傾向とその要因を調べ、絶好の売りタイミングなのかどうかを見極めましょう。ここでは、要因の一部を紹介します。
景気の良し悪し
景気がよいときは相場が上昇し、景気が悪ければ相場も下降します。
これは需要と供給の関係と、買い控えの影響によるものです。
一般的に、景気がよいときは給料等の収入もアップし、生活費以外に回せるお金の余裕が出てきます。
そのため、家を買おうとする人も自然と増えるわけです。
そして、家を買いたい人が増えると、売り出し中の物件が足りなくなってきます。
小売に例えれば、在庫が少なくなっている状況です。供給よりも需要が高まっていると、その対象となるものの価格は上がります。
一方、景気が悪くなると、生活費や経営資金等のために、不動産が売却によって現金化され始めます。
また、購入者となるはずの人たちも買い控えをするため、在庫が増えていく状況です。
このような状況下では、売ることが優先となって価格競争が始まり、全体的な相場が下落します。
金利の変動
住宅ローンの金利も相場に影響を与えます。
これは、買主が支払える金額自体は、金利が上がっても変わらないことが理由です。
3,000万円の物件をフルローンで購入するとして、返済期間35年ボーナス支払いなし、返済方式は元利均等の、金利1%と5%で総支払額を比較してみましょう。
借入金額 | 金利 | 毎月返済額 | 総支払額 |
---|---|---|---|
3,000万円 | 1% | 8.5万円 | 3,557 万円 |
3,000万円 | 5% | 15.2万円 | 6,360 万円 |
このように、同じ3,000万円の物件であるにも関わらず、住宅ローンの金利が上昇することによって総支払額が大きく変わってしまいます。
金利が上がることで購入を踏みとどまる人が増えると、不動産を早急に現金化したい売主は、不動産価格を下げざるを得ません。
こうして全体の相場も下がっていきます。

低金利であればあるほど、利息が少なくなりますので、結果返す総額が少なくなります。
戸建ての築年数
木造建築の戸建の場合、耐用年数が22年に設定されているため、その期限に向かって資産価値が下がっていきます。
築10年で新築価格の半分、15年で下落幅がゆるやかになり、築20年で資産価値はほぼ0です。
実勢価格や売り出し価格を調べる際は、立地や面積だけでなく築年数もよく確認しましょう。
再開発の予定の有無
再開発予定の地域では、不動産の価格が上昇する傾向にあります。
再開発とは、都市再開発法に基づいて行う、土地の合理的で健全な高度利用・都市機能の更新を図る建築や整備のことで、主に次のような事業を行います。
- 市街地内の老朽木造建築物が密集している地域の、細分化された敷地を統合する
- 不燃化された共同建築物を建設する
- 公園・広場・街路等の公共施設を整備する
このように整備が進むと、地域の利便性が高くなり活性化するため、土地の価格や賃貸物件の家賃が上昇しやすくなります。
また、敷地を統合・共同化して高度利用する予定の土地は、事業者に対して売却できる可能性があります。
この点について具体的に解説します。
Aさん・Bさん・Cさんが住居や店舗のために、それぞれ所有していた土地を、一つの敷地として統合します。
そこにXという施工者がマンションや商業ビルなどを建設し、土地をA・B・C・Xで共有するというものです。
その上で、A・B・Cに対しては、等価で新たなビルの床の権利(権利床)も与えられます。
そして、その権利床以外に高度利用で新たに生み出された床(保留床)が、Xの事業で使用できる部分です。
公共性や緊急性が著しく高い事業であれば、施工者XがA・B・Cの土地を買収・収用するケースもあります。
この場合でも、A・B・Cが希望すれば、土地の権利こそXに移転するものの、権利床は得ることが可能です。
このような土地の場合、再開発に向けて今から取得しておきたいという需要が増えます。
再開発予定の地域では、現在の土地そのものが持つ価値より、将来的な利益を見込んだ価値がつくため、実勢価格・売り出し価格に基づく相場は上昇する傾向にあります。
日当たりや周辺の環境
日当たり(南向きの窓・ベランダ・庭)・最寄駅や主要駅までのアクセス・病院やスーパーが近いかどうか、なども相場に影響します。
簡潔にいえば、利便性の高い立地ほど高額での売却が期待でき、不便であればあるほど低額になりやすいということです。
不動産会社による訪問査定や、売主が個別に不動産鑑定士に調査を依頼すると、高額になり得る周辺環境のアピールポイントがわかります。

新型コロナウイルスの影響により、今後の不動産価格の見通しは悪くなってきています。
しかし、今後の情勢の変化をしっかり注視して、タイミングを逃さないようにしましょう。
査定を依頼する方法
査定を依頼する方法は、不動産会社に依頼するか、不動産鑑定士に依頼するかの2つが挙げられます。ここでは、それぞれの特徴を解説します。
不動産会社に依頼する
不動産会社に依頼すると、最初は机上査定(簡易査定)が行われ、その後で訪問査定をするのが一般的です。
なお、不動産会社への査定依頼は無料なため、複数社に依頼できます。
データのみで行われる机上査定
机上査定では、売主からの情報を基にして簡易的な査定を行います。
その際に提示できる情報は全て伝えた方が詳細な査定を得られますが、次の項目が分かっていれば机上査定は可能です。
- 物件種別(戸建・マンション等)
- 所在地
- 面積(土地面積・建物面積)
- 築年数
- 売却希望時期
これらの情報から、不動産会社が、地価公示・周辺の類似物件の価格・市場の動向等を基にして、算出するのが机上査定額です。
物件を確認して行われる訪問査定
机上査定は複数の不動産会社に依頼し、机上査定額とその根拠とした内容を確認した上で、訪問査定を依頼する不動産会社を3~5社までに絞りましょう。
訪問査定は、現地調査と役所・法務局での調査を不動産会社が行ってくれます。
現地調査には売主の立合いが必要となり、概ね1~2時間を要します。
訪問査定でチェックするのは主に次のような項目です。
- 建物・土地・設備の状況
- 実際の間取り
- 駐車場のスペース
- リフォーム履歴
- 立地条件
- 日照条件
- 近隣地域の状況(騒音・近隣トラブル・反社会的組織の存在・建築計画等)
- 地目・地積・持ち分・抵当権等に関する登記簿謄本の確認
- 都市計画
- インフラの確認
- 道路との接面
また、訪問査定では売却する理由や、心理的瑕疵の有無、住宅ローンの返済状況などを不動産会社から質問されます。
これらの事情も踏まえて売却相談できるのが、不動産会社に査定を依頼するメリットです。
不動産鑑定士に依頼する
不動産鑑定士は、国土交通省が定める不動産鑑定評価基準に則して、客観的な鑑定を行います。鑑定項目は以下の通り詳細です。
- 一般的要因(自然的要因5項目・社会的要因8項目・経済的要因8項目・行政的要因5項目)
- 地域要因(住宅地域14項目)
- 個別的要因(住宅地16項目・建物9項目・建物および敷地3項目)
ただし、不動産鑑定士に依頼するのは高額な料金がかかります。
鑑定評価額によりますが、土地と建物合わせて1,000万円以下であれば25万円前後、~5,000万円以下なら30~50万円が必要です。
一般的には相続における遺産分割などで利用するもので、売却であれば不動産会社への依頼で問題ありません。
不動産会社の査定額に納得できないときは、依頼してみるのもよいです。

通常の売却なら不動産会社への査定依頼になります。
いろんな不動産会社がいますので、自分に合う業者を見つけましょう。
査定を依頼する不動産会社の選び方
査定依頼の方法がわかったところで、ここでは売却に向けて査定を依頼する際の、不動産会社の選び方を解説します。
中古戸建売買が得意なところを選ぶ
一口に「不動産会社」と言っても、得意分野は異なっています。
賃貸を得意とする会社、事業者向けの売買が得意な会社、土地の売買が得意な会社など様々です。
戸建を売却するなら、中古戸建の販売が得意な会社を選びましょう。
得意か否かは、その会社の実績をホームページや店頭で確認すればわかります。
対応が迅速でマナーがよいところを選ぶ
これは査定を依頼した後でしかわからないことですが、対応の良し悪しも重視すべきポイントです。次のようなポイントをチェックしましょう。
これらをチェックする中で、直感的にでも「居心地が悪い」「怪しい」「不安」といった感情が生まれるようなら、その会社と媒介契約を結ぶのはやめておく方が賢明です。
安心して任せられると確信できる会社に売却を依頼しましょう。
地方の場合は地元の不動産会社がおすすめ
取引実績の数だけでいえば大手不動産会社になりますが、自分が売却したい物件がある地域の実績までみておく方がよいです
なぜなら、大手の場合、地方に支社・支店がなければ、その土地の利点を十分に把握できていない恐れがあるからです。
その点、地元の不動産会社の方が、利点を最大限に引き出した販売ができる可能性があります。
しかし、必ずしも地元=優良企業とは限りません。
査定依頼しても、媒介契約を締結するかどうかは、やはり対応やマナーをチェックしてからにしましょう。

ポイントは「人」です。気が合うと思う担当を見つけることが、とても重要です。
複数の査定依頼は無料一括査定がおすすめ
机上査定を複数社に依頼するなら、一括査定サイトの活用がおすすめです。
一括査定によって複数社の査定結果を比較することで、訪問査定依頼・媒介契約をする不動産会社を選びやすくなります。
イエウールなら、全国の優良企業1,600社の中から、物件と売却希望条件に合う不動産会社を選出してくれます。
さらに、最大6社まで、無料で一括査定依頼が可能です。また、机上査定に必要な情報入力も簡単です。
査定結果は不動産会社から電話やメールで連絡されるため、担当者との相性も判断できます。
家を高く売却するために売却相場を知っておこう
家をより高く売却したいのなら、査定額の比較・売り出し価格の設定・買主との価格交渉まで、幅広く役立つ「売却相場」を知っておいて損はありません。
相場を把握する際は、売却したい不動産と近しい条件をもつ不動産の、実勢価格や売り出し価格が参考になります。
基準となる相場価格を把握すれば、あとは信頼できる不動産会社を探すのみです。
一括査定サイトなどを活用し、比較検討した上で、納得した上で売却までの手続きを進めましょう。

相場の要因は内的、外的要因に分けられます。新型コロナウイルスの影響により、現在は大きく外的要因を受けている状況です。
こういう時こそ、何の要因により相場が動いているのかを見極め、把握しておきましょう。