【専門家解説】中古物件の売却に関する基礎知識ぜんぶまとめ

中古物件の売却を検討するにあたり、「新築に比べて売れにくいのではないか?」「どのようなポイントに注意すればいいの?」といった不安や疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、不動産売却の流れや注意点、不動産市場における中古物件の需要など、中古物件を売却する際の基礎知識を幅広く解説していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

この記事の監修者プロフィール
台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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中古物件ってどんな物件?

中古物件ってどんな物件?

まずは不動産市場における中古物件の価値や扱いについて、その定義とともに解説します。

中古物件の定義

基本的に、過去に人が居住したことのある建物のことを「中古物件」と呼びます。

もしくは、完成後1年以上経過した建物、または1年以内でも使用者に所有権が移転された建物、所有権を移転していなくても居住した建物のことを指します。

したがって未入居であっても、完成してから1年以上経過すると中古住宅の扱いとなります。

なお、長期固定金利型住宅ローンの「フラット35」では、「借入申込日において築後年数が2年を超えている住宅または既に人が住んだことがある住宅」と定義されています。

築年数によって価値が変化する

マンションや一戸建てなどの中古物件の価値は、年月の経過にともなって下がっていきます。

下落率は不動産の流行や税制など様々な条件に左右されますが、経年に応じて緩やかに下降していくのが一般的です。

不動産市場では、新築から3年で約3%、5年で約7%と築15年くらいまでは下落率が大きく、それ以降は下落率が緩やかになっていくのが一般的と言われています。築10年で価値が半分くらいまで下がってしまうケースが多くなっています。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

ただし、これは、戸建とマンションで違います。戸建は下げ幅が大きく、マンションは小さいです。戸建はずっと右肩下がり、マンションは10年までわずかずつの減少、10年超えると少し加速します。しかしながらここ数年は東京や大阪では新築よりも上がっている(右肩上がり)の物件も多くありますので、ひとくくりに言い切ることは難しいです。

また、建物には国によって定められた「耐用年数」というものがあります。

木造戸建て住宅の耐用年数は22年、鉄筋コンクリートなどのマンションの耐用年数は47年と定められており、売却時の価値査定においては、築25年以上の戸建ては価値がゼロの「古家」として扱われるケースがほとんどです。

中古物件購入のメリットとデメリット

中古物件購入のメリットとデメリット

中古物件の売却を成功させるためには、購入者の目線に立って考えることが大切です。ここでは、購入者の目線に立って、中古物件を購入するメリットとデメリットを考えてみましょう。

中古物件を購入するメリット

まずは中古物件を購入するメリットを紹介します。

やはり最大のメリットは、新築よりも価格が安いということです。中古物件を選ぶことで、同じ予算であっても、より立地や広さなどの条件がよい物件が見つかる可能性が高まります。

また、価格が安い分、リフォームやリノベーションに費用を充てることも可能です。最近では、あえて低価格の中古物件を購入し、お金をかけて思い通りの家にリノベーションするという方も増えています。

もう一つのメリットとして、実物を見てから購入できるというポイントもあげられます。マンションであれば、共有部分などの管理の状態も確認してから購入できるため安心です。

また、中古物件は住宅のある場所であれば、どこでも売り出される可能性があるため立地の選択肢が広いというメリットもあります。

新築の場合は販売されるエリアや時期が限定されるため、築年数よりも立地を優先するという方には、中古物件の方が選択肢が多くなるでしょう。

中古物件を購入するデメリット

中古物件のデメリットとして第一にあげられるのは、やはり建物や設備が古いという点です。建物が古いとその分、維持費や修繕費が高くなることは避けられません。マンションであれば、毎月の修繕積立金は築年数がたつほど高くなる傾向にあります。

また、売主が個人の場合、建物価格に消費税がかからない分、住宅ローン控除で戻ってくるお金が少なくなります。

消費税がかからない物件は、住宅ローン控除で戻ってくる税金が10年間で最大200万円と決まっており、これは最大400万円の新築と比べると半分の金額です。

さらに、不動産会社の仲介で購入する場合は仲介手数料を支払う必要があります。なお、仲介手数料の上限は、「物件価格×3%+6万円+消費税」となっています。

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中古物件を売却する流れ

ここからは実際に中古物件を売却する際の流れを解説していきます。中古物件の売却には様々な手続きや契約が必要で、不動産取引が初めてという方にとっては難しいことも多いと思います。

中古物件を売却する流れ

中古物件の売却をスムーズに進めるためにも流れをしっかりと把握して、準備を進めていきましょう。

売却に必要な書類を用意

中古物件の売却の手続きには次の書類を用意する必要があります。

  • 購入時の売買契約書
  • 購入時の重要事項説明書
  • 建築図面一式
  • 土地測量図・境界確認書(戸建て)
  • 建築確認済証と検査済証(戸建て)
  • 管理規約・使用細則等(マンション)
  • 登記識別情報通知(または登記済権利書)
  • 固定資産税の評価証明書

上の書類のほとんどが物件の取得時に受け取り、すでに手元にあるものですが、万が一紛失してしまった場合には、再度取得する必要があります。

中には取得に時間がかかるものもありますので、余裕を持って準備しておくようにしましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

もしもない場合は購入時の業者か施工主等に聞くと教えてくれます。できるだけ大切に保管しておきましょう。

売却価格の相場を調べる

中古物件の売却を成功させるには適正な価格で売り出すことが大切です。不動産会社が提示する査定額が適正なものであるか、判断するためには、自分でも売却価格の相場を把握しておく必要があります。

ここでは中古物件の売却価格の相場を自分で調べる方法を紹介します。

土地総合情報システムを使う

「土地総合情報システム」は、国土交通省が公開している各地域でおこなわれた取引の情報を調べることができるサイトです。

「土地総合情報システム」の「不動産取引価格情報検索」で知りたいエリアの住所を入力するとそのエリアで実際に取引を行った人のアンケートを見ることができます。売却する物件と似た条件の物件の取引情報を確認し、売却価格の参考にしましょう。

レインズマーケットインフォメーションを使う

「レインズマーケットインフォメーション」は国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営しているサイトです。

このサイトでは、直近1年間に売買された物件の価格情報を調べることができます。エリア別に平米単価や間取り、築年数などの情報が一覧で表示されますので、売却する物件と似た条件の物件の情報を確認してみてください。

不動産ポータルサイトを使う

購入者向けの不動産ポータルサイトで、現在の売り出し中の物件の価格を調べるという方法もあります。自分の物件に条件が近い物件がいくらで売り出されるのか調べることで、売り出し価格の参考にすることができます。

査定を依頼する

中古物件の売却を決め、相場を調べたら不動産会社に査定を依頼します。査定には「机上査定」と「訪問査定」という2種類の方法があります。

簡易的に査定額を算出する机上査定

「机上査定」は実際に物件を見ることなく、過去のデータを参考にしておおよその査定額を算出する査定方法です。そのため「簡易査定」と呼ばれることもあります。

インターネットを使って無料で依頼することができる上、査定時間も数時間~1日と短時間で済む手軽さが魅力です。依頼するにあたり、特別な書類などを用意する必要もありません。

手軽に依頼できる反面、机上査定で提示される査定額は、簡易的に算出された金額に過ぎず、実際の売却価格とは大きく異なる可能性もあります。机上査定で提示された査定額はあくまでも参考価格として考えることが大切です。

また、インターネットの一括査定サイトを使えば手軽に机上査定を受けることができます。一括査定サイトであれば、同時に複数の不動産会社に査定を依頼し、それぞれの査定額を比較することができるためおすすめです。

より適正な査定額がわかる訪問査定

「訪問査定」では、概要とデータを見るだけでなく、不動産会社が実際に物件を見て、現地の状況を加味して査定をおこないます。

机上査定では分からない実際の室内の状況や周辺の環境なども見て査定をおこなうため、より適正な査定額が算出されます。

したがって、具体的に売却を考えている場合には、机上査定だけでなく、訪問査定を依頼することが必要です。

仲介を依頼する不動産会社を選ぶ

査定を依頼し、実際に売却を依頼する不動産会社を選びます。よい不動産会社を選ぶことが中古物件売却を成功させる鍵になりますので、次のポイントを押さえて信頼できる不動産会社を選びましょう。

得意分野が売却する物件と一致しているか

不動産会社にはそれぞれの得意分野があり、自分が売却する物件がその得意分野と一致していることが重要です。

具体的には得意分野によって次のような違いがあります。

不動産会社の得意分野

しかし不動産会社はこうした得意分野を自ら掲げているとは限らないので、過去の取引実績などから判断する必要があります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

取引実績が豊富であるほど、そのエリアや物件の売却に慣れているということになるため、実績は多い方がいいといえます。

効果的な宣伝をしてくれるか

売却をスムーズに進めるためには、効果的な広告方法でたくさんの人に物件情報を見てもらうことが重要です。

様々な広告方法がある中で、とくに重要なのがインターネット広告です。現在では8割以上の人がインターネットで物件を探していると言われています。

不動産会社を選ぶ際には、どのようなインターネット広告サイトと提携しているのか確認しましょう。

販売戦略に納得できるか

査定額や売却のスケジュールについて根拠も合わせて説明してくれるかどうかも大切です。営業担当者に売却の戦略や査定額の根拠を聞いてみるとよいでしょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社と媒介契約を結ぶ

売却を依頼する不動産会社を決めたら媒介契約を締結します。この媒介契約には3つの形態があり、それぞれ売主と不動産会社の関係が異なります。それぞれの特徴を次の表にまとめました。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
同時に契約できる不動産会社の数

同時に何社とでも契約できる

一社のみ 一社のみ
自己発見取引

×
業務状況の報告義務 任意 2週間に1回以上の報告義務あり 1週間に1回以上の報告義務あり
有効期限 自由 3ヶ月 3ヶ月
レインズへの登録 任意 契約締結日から7日以内に登録する義務あり 契約締結日から5日以内に登録する義務あり

一般媒介契約

「一般媒介契約」は複数の不動産会社と同時に契約することができる契約形態です。

売主は一社に限らず媒介を依頼できる上、自ら購入者を見つけて取引することもできます。

また、不動産会社間の情報を共有するためのシステムである「レインズ」への登録は任意となっています。

これは人気エリアにあるなど、競争してでも売りたいと思わせるような魅力的な物件である場合に限ります。また、レインズへの登録義務がないため、両手取引が発生しやすいというデメリットもあります。

専任媒介契約

「専任媒介契約」では、一般媒介契約とは異なり、売主は一社としか媒介契約を締結することができません。

ですが、売主自身が購入者を見つけた場合には、一般媒介と同様、不動産会社を介さずに取引を進めることが可能です。

さらに、不動産会社には、契約から7日以内にレインズに登録する義務と2週間に1回業務状況を報告する義務があります。

こうした条件から、専任媒介契約は、売主と不動産会社双方の権利と義務のバランスが最もよく取れた契約形態ということができます。

専属専任媒介契約

「専属専任媒介契約」では、同時に複数の不動産会社と契約できない上、売主が自ら購入者を見つけて直接取引することもできません。

不動産会社が紹介する相手以外とは取引ができないため、依頼した業者に全面的に売却を任せることになり、3つの媒介契約の中で最も拘束力が高い契約形態といえます。

不動産会社は、契約から5日以内にレインズに物件の登録を行う義務があります。さらに、1週間に1度業務状況を報告しなければならないなど、他の契約形態に比べ、より丁寧な業務が要求されます。

販売活動を行う

不動産会社と媒介契約を結んだら、売り出し価格を決め、販売活動を始めます。

売り出し価格は販売活動に大きく影響します。相場に対して高すぎても安すぎても買い手がつきにくいため、査定額や過去の取引事例を参考に適切な価格を見極めましょう。

また、購入希望者から値下げ交渉をされることも念頭に入れておく必要があります。適切かつ多少値下げされても納得できるような売り出し価格を決めることが大切です。

売り出し価格が決まったら、不動産会社が広告掲載などをして販売活動をおこないます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

基本的には不動産会社が行います。内覧に備えて、少しでも印象が良くなるよう、掃除や片付けを念入りにおこないましょう。

買主と売買契約を結ぶ

購入希望者との交渉で条件に折り合いがついたら売買契約を締結します。契約を結ぶ前に宅地建物取引士から買主に対して、不動産や取引条件に関する重要事項説明が行われ、その後正式に売買契約を締結します。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

このタイミングで、買主から不動産価格の10~20%程の手付金を受け取るのが一般的です。

引き渡しをする

売買契約を結んだら引き渡しの準備をします。引き渡しまでの間にローンの解約や抵当権の抹消などの手続きをおこなう必要があります。

また、引越しが必要な場合は、引き渡し当日までに引越しを済ませておかなければなりません。

住宅ローンの支払いが残っている場合は、ローンの解約を金融機関に申し出て、自宅の抵当権を抹消する必要があります。

残債を全て返済する必要がありますが、買主から受け取った売買代金を充当して物件を引き渡す同時決済が一般的です。

引き渡し当日は、残金の支払いや登記申請が必要になるため、金融機関や法務局が開いている平日の日中に手続きを行います。

当日は買主も立ち会い、物件の状態を最終確認し、取引完了となります。

中古物件を売却する際の注意点

中古物件を売却する際の注意点

不動産売却では大きな金額が動くため、大きな得をすることもあれば、一つの判断ミスで大きな損をすることもあります。

できるだけ損をせず、高く売却できるよう最後に売却の注意点を確認していきましょう。

売却前にリフォームはしない方がよい

設備などが古くなった中古物件を売却する際、リフォームをしてから売りに出した方が高く売れるのではないかと考える方も多いかと思います。

ですが、結論として売却前のリフォームは基本的には不要です。

なぜなら、高いお金をかけてリフォームをしても、その費用を売却価格に上乗せできず、リフォーム費用の方が高くついてしまうリスクが大きいためです。

また、買い手のニーズに合わないようなリフォームをしてしまうと、かえって売却が難しくなってしまうケースもあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

先ほども触れた通り、最近では購入後にリフォームやリノベーションをすることを前提に中古物件の購入を検討する方が増えています。

そういった方にとっては、好みに合わないリフォームが施された物件より、好みのリフォームができる安い物件の方が魅力的だといえます。

こうしたリスクを考えて、売却前のリフォームはあまりおすすめできません。

欠陥がある場合はきちんと伝える

売却後に物件の欠陥が見つかった場合、売主が責任を負うことになります。この売主が負う責任のことを「瑕疵担保責任」といいます。

これによって売却後に問題が発見された場合、売主は物件を補修したり損害賠償に応じたりしなければなりません。

補修しても住むことが難しいほどの重大な欠陥であった場合には、契約の解除を求められることもあるため中が必要です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

こうしたトラブルを避けるために、雨漏りやシロアリ被害、設備の故障などを認識している場合は、必ず売却前に買主に伝えるようにしましょう。

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売却にかかる費用

売却にかかる費用

中古物件を売却する際には手数料や税金など様々な費用がかかります。一般的には売却額の5~7%ほどの費用がかかるといわれています。

具体的には次のような費用がかかります。

仲介手数料 上限は(売却額×3%)+ 6万円 + 消費税
印紙税 売却額に応じて1,000円?6万円
抵当権抹消費用 5,000~2万円(司法書士に依頼する場合)
ローンを一括返済する費用 金融機関への手数料1~3万円
譲渡所得税
  • (保有期間に応じて)
  • 5年以下の場合:譲渡所得の39.63%
  • 5年超の場合:譲渡所得の20.315%

売却によって利益が発生した場合は確定申告をして譲渡所得税を納める必要があります。売却によって損益が発生した場合は確定申告をする義務はありません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

ですが、所得と損益通算して税金を抑えられることがあるため、損益が発生した場合でも確定申告をしましょう。

中古物件の売却を成功させよう

中古物件の売却を成功させよう

不動産を売却するためには様々な手続きが必要で、難しいと感じる方も多いかもしれませんが、流れを把握しておくことで、行動しやすくなります。

スムーズに売却を進められるよう、この記事の内容をよく確認して、準備しておきましょう。

中古物件には新築とは異なるメリットや需要があり、それを把握し、活かすことで、上手く売却することができます。

また、信頼できる不動産会社を選び、売却を成功させましょう。

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