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戸建て売却では、大きな金額が動きます。また、状況によっては売却相場が下落したり、建物が老朽化して資産価値が下がることもあります。
建物は維持・管理だけでもお金がかかるので、スムーズに短期間で売却までのスケジュールをこなしていく必要があります。
この記事では戸建売却までの流れだけではなく、戸建売却において生じる費用や高く売るコツ、売却の注意点にまで触れています。
売り出す条件をどのように設定するかが、売却成功のカギです。
戸建ての売却にかかる期間は
ここでは一戸建ての売却までにかかる期間について説明します。
一般的には3カ月から11カ月
売り出す条件や価格設定によって異なりますが、一般的に戸建を売却するまでにかかる期間は3ヶ月から11ヶ月程度です。
広告を出してすぐに売れる場合もあれば、成約までに1年以上かかるケースもあります。
よくある失敗は「まだまだ期限までに時間がある」と、油断をしてしまうというものです。
必要以上に売却期間を長引かせないことが大切です。そのためにも売却スケジュールをしっかり立てましょう。
- 査定・不動産会社選定:1日~数週間
- 売却プラン決定:1週間
- 売却活動・内覧対応:売却するまで
- 売買契約・引き渡し・決済:1カ月
不動産会社に相談するときはいつまでに、いくらで売却したいのかということを最初にはっきりと伝えておくことが大切です。
希望売却額と、妥協できる最低限の売却額を伝えておくとより良いと思います。
マンションよりも長くかかる
戸建とマンションの売却にかかる期間を比較してみると、戸建売却の方が長い時間がかかります。
- マンション:売り出し直後~6カ月
- 戸建:3~11カ月
マンションの場合は建物の構造について不安に思う人が少なく、また不動産投資家が購入する機会も多くあるからだと言えます。
また、「しばらく住んで、売ればいい」とマンションを賃貸感覚で購入する人もいます。
それに比べて一戸建は建物の構造だけではなく、シロアリ被害の有無、耐震性、雨漏りなど確認すべきことが多くあります。
このように戸建の売却は、マンションと比べて難易度が高いようです。
戸建て住宅を売却するときの手順
戸建を売却しようと思ったら、やらなければならないことがたくさんあります。まずは売却までの流れを知り、できることから始めてみましょう。ここでは戸建売却の手順についてみていきます。
戸建ての売却相場を調べる
戸建は、建物と土地がセットになっています。建物は築年数とともに価値が下がり、土地は景気の変動によって価格が上下します。
そのため正確な売却予想金額を出すのは難しいのですが、自分自身でもおおよその金額を調べることができます。
そこで戸建がいくらになるか調べるために使える相場情報サイトを2つ紹介します。
レインズマーケットインフォメーションとは
「レインズ」とは、Real Estate Information Network Systemの頭文字から取った「不動産流通標準情報システム」の略称で、不動産会社同士が情報を共有するために使っている情報サイトです。
このレインズの情報から、一般の消費者向けに公開されているのが、レインズマーケットインフォメーションです。こちらに掲載されている情報のひとつが成約価格です。
「成約価格」とは、不動産の売買が成立したときの価格ですので、「売り出し価格」とは異なります。この成約価格を参考にして、戸建の価値を考えてみてもよいです。
土地総合情報システムとは
国土交通省が公開しているのが、土地総合情報システムという情報サイトです。このサイトで得られる主な情報は次の3つです。
- 不動産取引価格
- 地価((地価公示価格)
- 不動産取引価格アンケートの回答
都道府県地価調査の価格は、実際に行われた売買の事例をもとにしている価格なので、参考になります。
しかし、レインズマーケットインフォメーションと比べると、情報が古かったり、データ量が少なかったりします。
土地の相場を把握するためにはよいですが、戸建ての相場を詳しく調べるのは少し難しいかもしれません。
優良な不動産会社を見つける
戸建ての売却相場をある程度把握した後は、今後の戸建て売却をサポートしてくれる不動産会社をみつけましょう。
自分で1社ずつ問い合わせするのでも良いですが、不動産一括査定サイトを使った方がより優良な不動産会社を見つけやすいです。
なぜなら優良な不動産会社は最初からあなたを騙そうとせず良心的な価格を提示してくれるので、ざっと比較するだけで悪徳業者に費やす時間が少なく済むからです。
また、不動産業界はこれまでの取引先との関係性を重んじる慣習があるため、隠れた優良な不動産会社は一部の一括査定サイトにしか登録していないこともあります。
不動産売却で失敗したくないのであれば、一括査定サイトをいくつか利用して優良な不動産会社をしっかり探すことをおすすめします。
ここでは、不動産一括査定サイトの大手として人気のある3つのサイトを順番にご紹介します。
HOME4U
出典:HOME4U
HOME4UはNTTデータグループが運営しており、実績によって厳選された不動産会社が登録している不動産一括査定サイトです。
NTTデータグループが持つ日本最高峰のセキュリティも導入されており、個人情報も大切に守ってくれるのが魅力です。
査定する会社も最大6社に限定しているので、不動産会社から大量の営業電話がかかってくる心配もありません。
【PR】SUUMO(スーモ)
出典:SUUMO
SUUMO(スーモ)は株式会社リクルートが提供する仲介専門の不動産一括査定サービスです。
不動産業界大手であるSUUMOは数多くの不動産仲介会社と提携しており、実績ある不動産会社から複数の査定価格を比較できます。
最短60秒で終わるほど申し込み手続きも簡単なので、仲介を利用した不動産売却をしたい人におすすめです。
HOME’S(ホームズ)
HOME’S(ホームズ)はサービス利用者数が700万人を突破するほど人気のある不動産一括査定サイトです。
日本最大級の不動産・住宅情報サイトの運営経験から生まれた独自の審査基準に基づき、良質な不動産会社のみと提携しているのが魅力です。
各不動産会社ごとに「買取保証」や「女性スタッフが1/3以上」などの特徴も見やすいので、こだわって探したい人におすすめです。
上記3社以外にもおすすめな不動産一括査定サイトを比較したい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
不動産の一括査定サイトにはどのようなメリットがあるのか興味がある方も多いのではないでしょうか。この記事では不動産一括査定サイトの利点やサイトの選び方などを紹介しています。不動産売却をスムーズに進めたい方に必見の情報を詳しく解説します。
不動産会社に戸建ての査定を依頼する
不動産会社の多くが、無料で査定を行っています。査定の専門家なので、気軽に正確な査定価格が把握できて便利です。
各不動産会社には、それぞれ強みがあります。売却に強い不動産会社もあれば、賃貸が専門だという不動産会社もあります。
もし戸建の売却を考えているのなら、戸建売却が得意な不動産会社を探して査定を依頼するとよいです。
戸建売却が得意な不動産会社の見分けるにはその不動産会社のホームページなどで、戸建の情報が多いかどうかを調べるのが簡単な方法かと思います。
きちんと確認したい場合には、その不動産会社に戸建の売却実績などを直接問い合わせてみると良いかと思います。
自分自身で不動産会社を調べるのが難しければ、一括査定サービスを行っているサイトなどで検索してみるのも一つの手です。
不動産会社に査定をするメリットは、査定価格がある程度性正確なので適切な資金計画を立てられるようになることです。
また、戸建て査定のポイントや注意点に関して、下記の記事をご覧ください。
戸建ての査定では、どのような点を見られるのか分かりやすく解説します。少しでも高く戸建てを売るためのコツやおすすめの不動産一括査定サービス3選も紹介しますので、これから戸建ての売却を検討している方は必見です。
不動産会社と媒介契約を結ぶ
パートナーとなる不動産会社が決定したら、次は物件売却の仲介を依頼する媒介契約を結びます。
媒介契約は3種類あるので、状況に応じて納得のいく媒介契約を結ぶようにしましょう。
「専属専任媒介契約」、「専任媒介契約」、「一般媒介契約」の違いは、次の通りです。
専属専任媒介契約 | 専任媒介契約 | 一般媒介契約 | |
---|---|---|---|
複数との契約について | 1社のみ | 1社のみ | 複数社と契約可能 |
買い手を見つけて直接契約できるか | 不動産を通さなければならない | 直接契約可 | 直接契約可 |
契約の期間 | 最長3カ月 | 最長3カ月 | 規定は特にない |
レインズへの登録義務 | 契約後5日以内 | 契約後7日以内 | 登録義務なし |
報告義務 | 7日に1回以上 | 14日に1回以上 | 規定は特にない |
戸建ての販売活動が開始される
不動産会社と売り出し価格や条件を決め、必要に応じてインスペクションを実施し、媒介契約を結んだら、不動産会社による販売活動が開始されます。
インスペクションというのは、建物の状況調査です。専門家がシロアリ被害や壁のひび割れ、雨漏りといった建物の構造上の欠陥がないかどうか、などを調べます。
行うのは任意ですが、購入希望者の安心感につながるでしょう。
購入希望者が内覧を行う
購入希望者が現れると、実際に家を見るための内覧が行われます。室内の掃除をしっかり行い、明るい対応を心がけましょう。
事前に家中のカーテンを開け、照明をつけておくとよいです。また、使っていない家具やいらないものは、あらかじめ処分をしておいてください。
どれほど条件がよくても庭の草木が荒れ放題だったり、水回りの汚れが目に付いたりしたら、あまり良い印象を持ちません。
良い印象を抱いてもらうために、内覧前には特にきれいに掃除をするようにしましょう。
買主と売買契約を締結する
購入希望者とのあいだで話がまとまれば、売買契約を結びます。売り主側に必要な書類は以下の通りです。
- 身分証明書
- 実印・印鑑証明住民票
- 銀行口座の通帳
- 登記済権利書(登記識別情報)
- 固定資産納税通知書
必要な書類は不動産会社に確認しておきましょう。売買契約に関わる書類は、不動産会社が準備してくれます。
重要事項説明書や売買契約書の内容をしっかり確認し、不明な点がないようにしておきましょう。
また、不動産売買契約を結ぶ際には、多くの場合この時点で買主から2割程度の手付金を受け取ります。
引き渡し日までに引越しを済ませる
手付金以外の残りの金額を決済するのは、引き渡し日です。
引き渡し日には売買代金の決済や登記手続きを行います。一般的に買主と売主、そして司法書士や銀行関係者らが集まって、住宅購入の最終手続きを完結します。
ほとんどの場合、引き渡し日までに引っ越しを済ませておかなければなりません。
引っ越し会社の繁忙期には、希望の日程で引っ越しができないこともあります。早めに引っ越しのスケジュールを立てて動くようにしましょう。
売却完了後に確定申告を行う
戸建などの不動産を売却して発生した利益にかかる税金は、所得税(復興特別所得税が上乗せされる)と住民税です。
給与など一般的な所得とは別に課税されるので、確定申告を行う必要があります。
申告の手続きをするのは、売却した翌年です。申告の時期は、2月16日~3月15日のあいだで、引き渡し以降に住んでいる場所を管轄している税務署に申告しましょう。
また税務署に直接行かなくても、e-Taxを使って、画面の案内に従って金額等を入力することにより、確定申告書等を作成・申告することができます。送信できない添付書類については税務署へ送付、または直接持参することになります。
参考:e-Taxトップ
戸建て住宅の売却にかかる費用
戸建を売却する際には、パートナーである不動産会社へ支払う仲介手数料の他にもかかる費用があります。
ここでは、戸建売却の際、何にどのくらいの費用がかかるのか、詳細をみていきます。
不動産会社へ支払う仲介手数料
戸建売却で不動産会社を通した場合には、不動産会社へ仲介手数料を支払う必要があります。
支払うタイミングは、売買契約が成立したときです。それ以前に支払う必要はありません。
また成功報酬である仲介手数料は、取引価格に応じて上限が決まっています。これは宅地建物取引業法の中で決められていることです。
以下に売買金額と、それに対する仲介手数料の上限額をまとめているのでご確認ください。
200万円以下の部分 | 5% |
200万円超から400万円以下の部分 | 4% |
400万円超の部分 | 3% |
つまり、売却金額が2,000万円の場合の計算式は「(200万円×5%)+(200万円×4%)+(1,600万円)×3%=66万円+消費税」となります。
上記の仲介手数料の上限を求める式は、契約が一般媒介契約でも専任媒介契約でも同じです。
売買契約書に貼付する印紙税
売買契約書に、印紙税を納める必要があります。契約書に収入印紙を貼付して割り印を押すことで納税できます。収入印紙は、郵便局の他に、コンビニや法務局などで購入できます。
印紙代は契約金額によって異なります。次の税率は国税庁の土地売買契約書のページから一部抜粋しています。
契約金額 | 本則税率 | 軽減後の税率 |
---|---|---|
100万円を超え500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円を超え1千万円以下 | 10,000円 | 6,000円 |
1千万円を超え5千万円以下 | 20,000円 | 10,000円 |
5千万円を超え1億円以下 | 60,000円 | 30,000円 |
契約書に記載された100万円を超えており、2020年(令和2年)3月31日までの間に作成されたものであれば軽減措置の対象となるため、軽減後の税率の欄を参考にしてください。
譲渡所得にかかる住民税と所得税
課税譲渡所得がプラスの場合は、所得税や住民税が発生します。
課税譲渡所得は、次の計算式で出せるので、確認しておくとよいです。
- 課税譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用
譲渡価額 | 土地や建物などの不動産の売却代金 |
---|---|
取得費 | 不動産の購入代金や、購入にかかった費用の合計 |
譲渡費用 | 不動産を売却したときにかかった費用 |
税率は物件の「所有期間」が5年以下の短期か、5年超えの長期かで変わります。
短期(5年以下) | 長期(5年超) | |
---|---|---|
所得税 | 30.63% | 15.315% |
住民税 | 9% | 5% |
合計 | 39.63% | 20.315% |
気をつけなければならないのは、「所有期間」の定義です。所有期間とは不動産の購入日から、譲渡した年の1月1日までです。
譲渡した日ではないので、気をつけないと高い税金を払うことになってしまいます。
また条件を満たせば、「特別控除」や「軽減税率の特例」「買換え特例」などが受けられます。
3000万円の特別控除
個人の売却に所得税がかかると、売却のハードルが上がってしまいます。そのため国はさまざまな減税対策をもうけています。その一つが3,000万円の特別控除です。
この制度は、売却する物件が居住用財産の定義に当てはまれば、3,000万円の特別控除を適用させられるというものです。
個人のマイホーム売却の場合、よほどのことがない限り、この控除のおかげで所得税がかかりません。
3,000万円特別控除を受けた場合の課税譲渡所得を出す計算式は、次の通りです。
- 課税譲渡所得=譲渡価額-取得費-譲渡費用-3,000万円
また控除を受けられる条件として、覚えておきたいものがあります。
一つは、譲渡した年の前年と前々年に「買換え特例」や「3,000万円特別控除」を受けていないこと、もう一つは譲渡相手が親族(親子・夫婦・生計を一にする親族・同族会社)でないことです。
3,000万円特別控除を受けられるかどうかで、税金が大きく異なります。特例が受けられるか事前に確認をしておきましょう。
10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
3,000万円控除を受けてもまだ課税譲渡所得がでているのなら、10年超所有軽減税率の対象となるか確認してみましょう。この軽減税率の特例は、3,000万円控除と併用して使うことが可能です。
10年超所有軽減税率というのは、簡単にいうと居住用不動産を10年超で所有していれば、課税譲渡所得の6,000万円までを低い税率で計算できるというものです。
その場合の税率は、14.21%(10.21%、住民税4%)となります。
適用条件は3,000万円特別控除と同じですが、居住用不動産物件の所有期間が10年を超えている必要があります。
所有期間は、不動産の購入日から、譲渡した年の1月1日までとなりますので注意してください。
特定の居住用財産の買換え特例
売却した金額よりも、買い換えたマイホームの取得金額が高い場合に、検討したいのが「買換特例」です。
3,000万円の特別控除を受けても、課税譲渡所得がプラスで出てしまう場合に検討してみましょう。
特例を受けた場合の譲渡所得金額を出す計算式は、次の通りです。
- (1)売却金額-買い換えた金額
- (2)(売却した家の所得費+譲渡費用)×((1)÷売却金額)
- (1)-(2)
注意点の一部は、次の通りです。
- 特例の期限:2017年(平成29年)12月31日までにマイホームを売却していること
- 直近2年の間に3,000万円控除とは併用できない
- 売却価格が1億円以下
- 所有期間が10年以上
- 所有期間が10年超え
- 新しいマイホームの床面積が、50平米以上
- 住まなくなってから3年目の12月31日までに前の家は売却する
- 新しいマイホームへの入居期限がある
- 親族(親子・夫婦・生計を一にする親族など)に対して売却していない
- 売却した物件の確定申告は、売却した翌年に行う
例えば、家を買った値段よりも3,000万円以上高い値段で売却した場合、このままだと譲渡所得税がかかってしまいます。
しかし、売却額よりもさらに高い家を買った場合、譲渡所得税は、次にこの家を売った時の譲渡所得まで繰り延べされる、ということです。
非課税や減税になるわけではありませんので注意してください。
戸建て住宅を高く売るコツは
「どうせ売るなら、高く売りたい!」と誰でも思うことでしょう。ここでは戸建を高く売却するために、知っておきたいコツやポイントをみていきます。
複数の不動産会社に査定してもらう
不動産会社と一口にいっても、各社それぞれに強みや弱みがありますので、戸建の売却を依頼するならば、戸建売却に強い不動産会社を探す必要があるのです。
しかし、個人が不動産会社の特徴をつかむのには限界があります。その際には思い切って複数の不動産会社に査定をしてもらいましょう。
査定の精度が上がり、評価のばらつきを抑えることができます。
多くの不動産会社が無料で見積もりを行っています。またインターネット上で一括査定できるサイトも多数あります。
入力が数分程度の短い時間ですんだり、提携会社が1,000件以上の規模だったりと利用者に多くのメリットがあるので便利です。
内覧までに清掃や整理をしっかり行う
不動産会社に査定を依頼する際には、家の掃除が行き届いていなくてもかまいません。清掃の有無が査定に影響することはないからです。
清掃が重要になるのは、内覧が始まってからです。マイホームを購入したいと考えている人たちは、自分たちがその家に住む姿を想像しながら厳しくチェックをしています。
そのため「押し入れやクローゼットの中をみたい」「水回りを確認したい」など、こちらが隠しておきたいと思うところもチェックする可能性がありますので、きちんと片づけや清掃をしておくことをおすすめします。
庭の雑草、水回りの汚れなども徹底的にきれいにしておく必要があります。
また、カーテンを全部開けたり、電気を全部屋つけておくだけでも購入希望者に好印象を与えることができます。
戸建ての売却が得意な不動産会社を見つける
スムーズに高く戸建を売却したいのなら、パートナーである不動産会社の選定を誤ってはいけません。成約の確率をアップさせるためにも、戸建の売却が得意な不動産会社を選びましょう。
また営業担当者との相性も、売却に影響します。「相談しても素っ気ない」「ほしい情報が手に入らない」「相場を聞いてもすぐには答えられなかった」など不安な要素があるのなら、別の不動産会社を選んだり、担当者を変えてもらったりすることも考えてみてください。
戸建ての売却は大きなお金が動きます。後で後悔しないためにも、胸にモヤモヤしていることがあるのならきちんと解決をはかりましょう。
インスペクションを実施する
インスペクションとは、物件の状況調査のことです。インスペクションを依頼すると、雨漏りやシロアリの被害、建物の劣化の状況について報告を受けることができます。
中古物件のマイホーム購入希望者は、多くの場合建物の瑕疵について非常に敏感です。そのためインスペクションを実施することにより物件に問題ないことが証明できれば、それは買主の安心感へつながるのです。
もしも早く手放したいと考えているのなら、インスペクションを実施してみてもよいかもしれません。
インスペクションについては特に、建物の建築年が古かったり、新耐震基準で建てられていなかったりする場合は、インスペクションを行う方が良いと思われます。
また、新しい家であっても、大きな地震があった地域などでは、基礎に問題が生じている可能性もあるので、調査を行っておく方が買主も安心して購入することができるかと思います。
戸建て住宅を売却する際の注意点
売却後に「○○しておけばよかった」と思っても、取り返しはつきません。戸建売却の注意点を事前にしっかりと押さえ、後悔のないようにしましょう。
土地の権利・境界線は明確にしておく
戸建を売却する際には、土地の権利や境界を明確にしておく必要があります。土地の権利については「土地測量図」や「境界確認書」などに記されているので、書類をそろえておきましょう。
隣接している土地との境界線を曖昧にしたまま売却すると、近隣住民とトラブルになってしまうかもしれません。何年も裁判になっているケースも実際にあります。
土地の境界線には「所有権界」と「筆界」があります。
所有権界というのは隣接した家同士が自分たちで決めたもので、たとえば「この木が境目」など互いに話し合って決めていることが多いようです。民法物権編第3章206条以下に所有権についての記載があります。
それに対して、筆界とは法務局の「地図・公図」に載っている情報をもとにしたものです。
不動産登記法第123条1号に「表題登記がある一筆の土地とこれに隣接する他の土地との間において、当該一筆の土地が登記された時にその境を構成するものとされた二以上の点及びこれらを結ぶ直線をいう」とありますが、これが筆界のことです。
所有権界と筆界はたいていの場合一致しますが、時折そうでないものがあります。その場合、将来境界紛争が起こる可能性があるので、注意が必要です。
雨漏りやシロアリなどの劣化がないかしっかり調べる
スムーズに、そして高い金額で売却したいからといって、建物の良い面ばかりを売り主に伝えてはいけません。
売却前には雨漏りやシロアリ被害などがないか、売主が不安を感じやすい点をしっかりと調べて、買主に伝えておく必要があります。
もしも、引き渡し後にそれらの劣化がみつかると、瑕疵担保責任で売主が修理費を負担することになってしまり、最悪の場合は、契約が解除されてしまったりすることもあります。
瑕疵担保責任というのは、建物の見えない部分に重大な欠陥や不具合があった場合に、それを保障する責任のことです。新築住宅の場合は10年間の瑕疵保険がつきます。
一方、中古住宅の瑕疵担保責任については、売買契約の内容次第です。中古住宅の売り主が宅地建物取引業者の場合は、瑕疵担保責任を2年以上つけなければなりませんが、個人の売主の場合には、瑕疵担保責任を免除したり数カ月の短期でつけることが多いようです。
瑕疵担保責任について理解した上で、インスペクションを利用してもよいかもしれません。
買取を選ぶときはデメリットをよく理解する
売却したい期限が決まっている場合は、不動産会社に買い取ってもらうことを検討する人もいることでしょう。その場合には、デメリットをよく理解しておく必要があります。
買取の最大のデメリットは、市場価格よりも買取価格が低くなりやすいことです。一般的な売却金額の60~80%程度にしかならないことがほとんどのようです。
すぐに現金化できるメリットと、買取価格が安いというデメリットを天秤にかけた上で、自分の状況に合った方を選びましょう。
なるべく早い段階で売却する
戸建ては築年数が経過するごとに、物件の価値が下がります。つまり「いずれ売ろう」と思って物件をそのまま放置しておくのは賢明とはいえません。
もしも、売るつもりでいるのなら、なるべく早い段階で売却を決意することをおすすめします。
固定資産税や修繕費など、土地建物を所有するだけで費用が発生することも頭に入れておかなければなりません。
手順を理解して高くスムーズな売却を目指そう
マイホームを購入するときには、不動産会社が手取り足取りいろいろなことを教えてくれます。しかし売却するときには、自分で自発的に動かなければなにも始まりません。
家を売却しようと思ったら、いくらで売りたいのか、いつまでに売りたいのかなどをしっかりと決めて、売却を任せられる不動産会社を見つけるために、まず自分で情報収集を行いましょう。
売却までの手順を知り、失敗しないポイントを学んで、戸建の売却を成功させましょう。