土地の相続放棄を検討したほうがよいケースとは?価値を見極めて売却も視野に入れよう

田舎の土地を相続した場合、所有しているだけでも固定資産税が発生します。

とくにメンテナンスをしない状態で放置してしまうと、荒れ地になって近隣住民からの苦情が発生することもあるかもしれません。

また、必要な手入れや定期的な確認には、その都度費用がかかります。

さらに、自宅から離れた土地の場合は、自分で維持管理をしようにも時間的な余裕がなく、なかなか手をかけるのが難しい場合もあります。

土地を相続しても、有効な活用方法や売却の見通しが立たない場合は、厄介な資産となることも考えられます。

そのようなときには、相続放棄という手段も検討しましょう。

放棄を行う際のポイントや具体的な方法について紹介します。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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土地の相続放棄をすると土地はどうなるか

土地の相続放棄をすると土地はどうなるか

相続を放棄した場合、被相続人が所有していた土地はどのように扱われるのかを説明します。

次の順位の相続人が相続する権利を得る

相続において、亡くなった人を被相続人、その人の財産を承継する人を相続人といいます。

親族のなかで誰が相続人になるかは、民法の定める優先順位によって決まっています。

第一順位の人がいる場合には、そのまま第一順位の人が相続します。

第一順位の人がいない、または相続を放棄した場合には、第二順位の人が相続します。

同様に、第二順位の人がいない、または相続を放棄した場合には、第三順位の人が相続します。これは、民法887条および889条で定められています。

相続を放棄した土地は最終的には国のものとなる

もしも、誰も相続する人がいなかった場合、残された土地は最終的に国のものになります。

相続人が存在しない場合、被相続人の財産は「相続財産法人」というひとつのまとまりになって、管理・清算されていくことになります。これを国庫帰属と呼びます。

相続財産管理人の選定の申し立てについて

相続財産法人を管理して、清算事務を進める役割を担うのが相続財産管理人です。

相続に利害関係を持っている人、または、検察官が家庭裁判所に申し立てて選んでもらう必要があります。

亡くなった人にお金を貸していた人などが、その財産に利害関係を持つ人に相当します。

選任請求をする際は、管理人を推薦することもできます。

しかし、家庭裁判所はそれを無視して適任者(多くの場合は弁護士)を選ぶこともあります。

また、相続財産管理人の選任を請求する際は、選任請求をした人が「予納金」を裁判所に納めることになる場合があるので注意しましょう。

予納金とは、管理業務の経費や相続財産管理人への報酬を支払うために使われるもので、亡くなった人が遺したプラスの財産ではそれらを支払いきれない場合に備えて納めるものです。

予納金の金額は、数十万円から100万円前後ぐらいの間となることが多く、家庭裁判所が事案の難しさに応じて決定する傾向にあります。

また、亡くなった方のプラス財産がそれ以上あれば、納めなくてよい場合もあります。

なお、予納金があまれば後で返還されますが、不足が生じて持ち出しとなってしまう例が比較的多いようです。

予納金は高額になることも多く、必ず返ってくるものでもないので、負担をめぐってトラブルにならないよう、相続者間で十分な話し合いをした上で決めましょう。

土地の相続を放棄したほうがよいケース

利用予定がなく遠方にあるような場合は、土地を所有していることで費用ばかりがかさむケースもあります。相続すべきかどうかは、状況をよく見極めて考えましょう。

土地の相続を放棄したほうがよいケース

マイナスの財産がある場合

財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。一般的に不動産や預貯金、高価な貴金属等がプラスの財産であり、借金はマイナスの財産です。

相続に際しては、プラスの財産だけを相続するということはできません。

したがって、トータルで考えた場合にマイナス財産の方が多い場合は、土地の相続を含めてすべての相続を放棄した方がよい場合もあるでしょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

相続放棄の他に「限定承認」という相続方法があります。

限定承認とは、プラスの財産の範囲内で借金などを返済するという相続の方法です。

プラスの財産以上の負債についての支払い義務を免れることができます。

相続放棄ができる3カ月以内で相続した財産がプラスなのかマイナスなのか判明しない場合などに、有効な相続方法だといえるでしょう。

土地が遠方にあり手入れができない場合

土地を放置することによって、雑草が生えたり、害虫が発生したりする問題もあります。また、民家が少なく人里離れている土地の場合、手入れが行われていないと野生動物の行動圏にもなりかねません。

野生動物が周囲の農作物へ被害を与えたり、人の往来が少ない土地では不法投棄の温床となる可能性もあります。

手入れをしないで放置している土地は、やがて荒れ地になり近所に迷惑をかけることもあるので、定期的に確認したり整備する必要があります。

遠方で不便な場所にあるために売却するのも難しいような場合は、整備や確認のための労力が負担になるので相続を放棄した方がよいかもしれません。

ただし、たとえ遠方であっても資産価値がある土地ならば、相続放棄する前に売却を検討するのもよいでしょう。

これ以上税金を払いたくない場合

土地を相続すると、相続税のほかにも毎年の固定資産税と都市計画税を負担しなければなりません。

広大な土地を相続したばかりに、税金の支払いが負担になるような場合は、相続放棄の方が得策といえるでしょう。

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土地の相続を放棄するときの注意点

放棄した後に土地の価値を知って後悔することのないよう、十分注意しましょう。

土地の相続を放棄するときの注意点

土地だけを放棄することはできない

土地は手入れが行われなければ荒れ地になります。荒廃しないように整備するためには手間もかかる上に、所有している土地には固定資産税や都市計画税が課税されます。

しかし、土地を放棄するのであれば他の財産もあわせて放棄する必要があります。土地だけを放棄する、という選択はできません。

トラブル防止のために相続人を確認する

財産の相続には順番があります。財産を放棄した場合には相続の権利が次の順位の人に渡ります。

あとでトラブルが発生しないように、財産を放棄する前には他に相続人がいないか確認しましょう。

とくに、マイナス財産を相続放棄する場合は、親族間でよく話し合う必要があります。

不要な土地だからといって、勝手に自分だけが相続放棄すると、次の相続順位の親族にマイナス財産の相続権が渡ってしまうことになります。

土地の価値を知らないと損をする可能性がある

たとえ遠方の土地だったり狭小な土地だったりしても、立地条件がよければ売却も可能となります。

マイナス財産がなければ、相続をして売却したほうが大きな利益を得られる可能性もあります。

3ヶ月以内に放棄するか決断をする

相続人になったことを知ってから、もしくは相続できる財産を知ってから3ヶ月以内に放棄するか相続するかどうかを決める必要があります。

このことは、民法915条1項に定められており、ポイントとなるのが「自己のために相続の開始があったことを知った時」、すなわち自分が相続人になったことを知ったときから3ヶ月の期間です。

この期間に被相続人の相続財産を調べて、プラスの財産よりもマイナスの財産のほうが多い場合には、相続放棄を選択するこする方がよいでしょう。

土地の相続放棄には手続きが必要

相続放棄の手続きは家庭裁判所で行います。3ヶ月という限られた期間内に、多くの必要書類を揃えて裁判所に申立をしなければなりません。

自分で手続きをすることもできますが、弁護士に相談するのが最も安全で確実でしょう。

そのメリットは、代理人として裁判所とのやりとりを代行してくれるだけではなく、債権者からの催促があっても「弁護士に相続放棄を依頼してある」ということで、全てを依頼できる点です。

土地の相続放棄をするときの手続き

ここからは、土地の相続放棄の具体的な方法を紹介します。

土地の相続放棄をするときの手続き

相続放棄申述書を作成する

書式は、裁判所のホームページから入手できるので、記入例を参考にして必要事項を記入します。

家庭裁判所に必要書類を提出する

提出するのは被相続人の最後の住所の管轄にある家庭裁判所です。

相続放棄申述書に、申述人の戸籍謄本と被相続人の除籍謄本、住民票の除票を添えて提出しましょう。

受理通知書が届いて完了

家庭裁判所が受理すると、受理通知書が届いて手続き完了となります。

手続きにかかる費用は、収入印紙800円分、切手代などの通信費、戸籍謄本などの書類取得費用です。

代行を依頼する場合は、別途、弁護士や司法書士に対する報酬が費用として必要になります。

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土地を相続放棄するときのポイント

土地を相続放棄するときのポイント

相続が面倒だったり、負債を負うのが厄介だったりすると、どうしてもすぐに放棄を検討してしまいがちです。

しかし、複数の相続人がいる場合は話し合いが重要となります。

被相続人との間で話し合いをおこなう

土地の相続はトラブルを引き起こす可能性があるので、親族できちんと話し合うことが必要です。

できれば被相続人の意思を確認できるうちに方向性を決定しておくことが望ましいでしょう。

土地の価格を査定してもらう

立地条件のよい場所であれば、マイナス財産があっても、土地を売却すればプラスに転じる可能性もあります。

不動産価格の調べ方は様々ありますが、無料一括査定サイトであれば簡単に査定額を知ることができます。

自分の売りたい不動産・買いたい不動産の価格を調べるには、地域の特徴や不動産動向に通じていて、知識と経験が豊富な不動産会社に確認するのが最適です。

土地活用も検討する

土地を所有していると固定資産税の課税対象となり、さらに維持費も必要となります。しかし、立地条件のよい場所であれば、駐車場などにして収入を得ることも可能です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

不動産会社にはそれぞれ得意分野がありますので、土地活用を検討する際には、土地活用を得意としている不動産会社に相談することをおすすめします。

また、土地活用を専門としているコンサルティング会社などもあります。

いずれにしても、土地活用という名目でうまい話に騙さされないように注意しましょう。

土地の相続放棄する前にまずは土地の価値を確かめよう

土地の相続放棄する前にまずは土地の価値を確かめよう

不要な土地を処分するにはいくつかの方法がありますが、いったん相続してしまうと簡単に手放すことはできません。

価値のない土地を一度所有してしまうと、先々負の遺産となってしまう可能性があるので、相続を放棄することは経済的な負担を逃れるひとつの手段と言えます。

一方で、立地条件が良く売却に向いている土地であれば、多少のマイナス財産を相続したとしても、土地の売却によって利益を得られることもあります。

また、土地の有効活用で収入を得る方法もありますので、相続放棄だけが効果的な対策とは必ずしも言い切れません。

まずは、土地の価値を確かめて、放棄することが本当に最適かどうかを見極めるようにしましょう。

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