太陽光発電投資とは？投資初心者におすすめの５つの理由と３つの注意点

「太陽光発電投資にはどのようなメリットがあるの？」

「太陽光発電の投資はどのような仕組みで儲かるの？」

これから太陽光発電の投資を検討している方の中には、どれくらい儲けられるのか気になっている方もいるのではないでしょうか。

実は、太陽光発投資は、投資初心者におすすめの方法で、低リスクで収益化することが可能です。

本記事では、太陽光発電投資のメリットやデメリット、仕組み、必要なコストについて紹介します。

最後には、よく疑問に思われがちなことについても回答をまとめているので、太陽光発電投資に興味を持っている方は参考にしてみてください。

太陽光発電投資の５つのメリット

太陽光発電投資には、いくつものメリットがあります。

特に主なメリットは以下の5つです。

1. 長期的に安定した収入を得られる
2. フルローンを利用できる
3. メンテナンスの手間がかからない
4. 難しい知識が必要ない
5. 節税対策として効果的

いずれも初心者にとって嬉しいことだらけなので、前向きに太陽光発電投資の検討をしてみましょう。

長期的に安定した収入を得られる

太陽光発電投資の最大のメリットは、長期的に安定した収入を得られる点です。

後ほど、太陽光発電の仕組みで詳しく説明しますが、FIT制度（固定価格買取制度）によって、契約の開始から20年間は、同じ金額で国から買い取ってもらうことができます。

つまり、毎月しっかり発電さえできれば、同じ金額で売ることができるため、まとまった金額の収入が期待可能です。

梅雨の時期や冬季など日照時間が短ければ発電量は落ちますが、それらを想定して収入計画を立てれば、特に問題はありません。

1年間の天候の状況はおおよそ予想することができ、20年間は売価も変わらないので、将来の見通しが付きやすくリスクが低いです。

また、設備を設置するだけで自然と収入を得られるため、不労所得として利益を得られる点も魅力的といえます。

数十年に一度の天候被害など、余程悪天候が続かなければ、高い確率で高収入を得られることから価値のある収入源です。

フルローンを利用できる

太陽光発電投資はフルローンを利用できる点も魅力です。

フルローンとは、頭金がない状態で金融機関から融資を受けることで、資金がない状態からでも投資を行えます。

様々な投資方法の中でも太陽光発電投資は多くの人から注目されており、2012年7月から始まったFIT制度によって、実際に収益を上げ始めている人が増えている状況です。

そのため、多くの金融機関が太陽光発電用のローン商品を提供しており、資金がない人でも融資を受けやすくなっています。

太陽光発電投資は初期費用がかかることで有名ですが、融資によって必要資金を全て揃えることができるので、頭金を用意するのが難しい人でも投資を始めやすいです。

また、ローンの返済は、太陽光発電による収入を充てることができるため、手出しをする必要がありません。

生活等に影響を及ぼすことなく、無理なくローンを返済できる点も太陽光発電投資が初心者におすすめの理由です。

メンテナンスの手間がかからない

太陽光発電の運営において、定期的に設備のメンテナンスをする必要がありますが、投資者本人は特にすることはないため、管理の手間がかかりません。

パネルの損傷や配線トラブルの有無、周辺環境の確認は重要で、何らかの異常があれば、発電効率が低下してしまいます。

発電効率が低下すると想定している発電量に達せず、売電収入が少なくなる可能性が高いです。

そこで、太陽光発電設備の管理会社が定期的に現場に足を運び、隅々まで設備に異常がないか確認します。

投資者は検査結果を聞き、トラブル等があれば対処の依頼をするだけなので、メンテナンスといっても何もする必要がないのです。

強いて言うなら、毎月の発電量をチェックする程度で、想定通りに問題なく発電できているか確認するだけで問題ありません。

何か異常があれば、管理会社に連絡して、その都度原因を確認してもらいましょう。

難しい知識が必要ない

太陽光発電投資は、施工業者に設備設置の依頼をして、設置後は管理会社が中心になって設備を管理するため、投資者本人は専門的な知識が必要ありません。

たとえば、不動産投資であれば、入居者を確保するための計画や複数の不動産管理など、ある程度の知識が必要です。

しかし、太陽光発電投資は、一度設備を設置してしまえば後は自動的に電気の売買が行われ、20年間は買取価格も変わらないことから、運用においてそれほど知識は重要ではありません。

頭を悩ますことと言えば設置場所の選定くらいで、後は流れに身を任せるだけで収益を得られます。

設備が適切に稼働しているかさえ注意していれば毎月安定して収入を得られる点が、初心者に易しいポイントです。

節税対策として効果的

太陽光発電投資は、節税対策としても効果的です。

消費税還付や減価償却、特別償却の対象なので、税金の支出を抑えることができます。

消費税還付	支払った消費税が預かった消費税よりも多い場合に、過払い分の消費税を還付してもらえる制度
減価償却	固定資産の購入費用を使用可能期間にわたって分割して費用計上する処理
特別償却	通常の減価償却費に加えて、取得価額に一定割合を乗じた額の償却ができる制度

特に消費税還付は、太陽光発電投資の節税対策のメインで、設備を設置するのに多額の消費税を支払っているため、売電によって預かった消費税よりも上回っていれば、過払い分を返還してもらえます。

また、減価償却も節税対策の基本で、設備にかかった費用を分割して経費計上することで、数年間にわたって帳簿上の利益を抑えることができ、課税対象額を少なくすることが可能です。

特別償却は、設備導入時に、通常の減価償却費に加えて設備費の30%を経費として計上できるため、投資翌年の税金を抑えられます。

節税対策をしっかり行うことで、支出をかなり減らすことができるので、少なくとも上記3つは確認しておきましょう。

太陽光発電投資で押さえておくべき３つのデメリット

太陽光発電投資をする上で、知っておくべきデメリットについて紹介します。

特に気を付けるべきポイントは以下の3つです。

1. 自然災害に弱い
2. 初期投資費用が高い
3. 固定価格買取制度終了後は収入が減少する可能性がある

初心者におすすめといっても、何もせずに稼げるわけではありません。

太陽光発電投資を成功させるために、予め頭に入れておき、しっかり対策をしておきましょう。

自然災害に弱い

太陽光発電は、どうしても自然災害に弱い点がデメリットです。

屋外に設置する以上は、天候の影響を受けやすくなっています。

特に、台風による飛来物や地震によって、パネルや配線等に損傷が発生する可能性が高いです。

設備が破損すれば、それだけ発電量に影響が出るので、収入が減少してしまいます。

また、多額の修繕費用が発生すれば、経費を差し引くと手元に残る利益が少なくなり、ローンの返済金額より下回る可能性もあるのです。

残念なことに、自然災害による損傷は、メーカー保証の対象外なので、自費になる可能性が高いといえます。

そのため、火災保険・動産総合保険や地震保険に加入しておくのがおすすめです。

これらの保険に加入しておけば、万が一設備等にトラブルが発生したり設備によって周辺住民に迷惑をかけたりしても、補償を受けられます。

可能性としては低いですが、実際に起こってしまってからでは遅いので、安心して運用できるように保証は充実させておきましょう。

初期投資費用が高い

太陽光発電投資は、設備費が高額な分、初期投資の費用が高くなりがちです。

設備規模によりますが、一般的には2,000万円程度かかるといわれており、土地や不動産の準備や特殊な工事などが加わると、さらに必要な資金が多くなります。

数千万円もの大金が必要となると、投資初心者にはハードルが高く見えるかもしれませんが、そこまで重く受け止める必要はありません。

先ほど述べたように、太陽光発電投資はフルローンを組めるため、初期費用が高くても問題なく始めることが可能です。

太陽光発電投資は10%の利回りで計算するのが一般的なので、適切に運用できれば約10年でローンを完済できます。

いくら初期費用が高くても10年余りで返済でき、残りの期間で安定して資産を増やせることから、特に初期費用の高さは気にする必要はありません。

それでも初期費用の高さが気になるのであれば、設備が安い海外メーカーの製品を選択するのも方法の一つです。

また、中古市場にもパネル等が流通しているので、中古設備の導入を検討するのも有効です。

状態等を気にする必要はありますが、設備導入の選択肢に加えておくとよいでしょう。

固定価格買取制度終了後は収入が減少する可能性がある

FIT制度によって投資開始から20年間は固定価格で取引できますが、20年後は収入が減少する可能性があります。

実のところ、FIT制度が終了した後のことは、今のところ不透明なのです。

FIT制度が開始してまだ10年しか経過していないため、FIT制度利用者で投資開始から20年経過した者は誰もいません。

さらに、最短でFIT制度の利用が終了する者でもあと10年は猶予があるので、政府も詳しくは情報を提示していない状況です。

しかし、20年後に固定価格での売買は終了するかもしれませんが、国から全く買い取ってもらえない事態は考えにくいといえます。

というのも、2022年4月に資源エネルギー庁が「今後の再生可能エネルギー政策について」で2030年までに温室効果ガスの46%削減、再生可能エネルギーの比率36～38%を目標にすると明言しました。

つまり、再生可能エネルギーである太陽光発電への注目がますます高まることを意味しており、2022年現在、日本が慢性的な電力不足に陥っている現状から、2012年から20年後の2032年以降も従来通り、電力の買取は継続される可能性が高いです。

FIT制度の買取価格は毎年下がっているため、FIT制度終了後の買取価格はFIT制度利用時よりも低くなることは予想つきますが、それでも収入がゼロになる事態は起こりにくいでしょう。

太陽光発電投資の仕組み

太陽光発電投資の仕組みについて具体的に紹介します。

そもそも、太陽光発電投資とは、土地や不動産の屋根の上に、太陽光発電設備を設置し、発電した電気を電力会社に売却して利益を得ることです。

太陽光発電投資をする上で、把握しておかなければならないのがFIT制度です。

FIT制度は、投資から20年間、契約時に決めた買取価格で満期が来るまで買い取ってくれる制度で、これによって安心して投資ができるといっても過言ではありません。

一般的には、太陽光発電の利回り（投資金額に対する収入の割合）が10%になるように融資金額や設備内容を決めるので、問題なく発電できれば、約10年でローンを完済することができます。

さらに、フルローンで組むケースが多く、ローン完済までは売電収入を返済に充てることになるので、給与等から手出しする必要がありません。

FIT制度は20年間は続くため、10年でローンを完済した後は、残りの期間の収入は全て投資者の資産となって蓄積されます。

つまり、太陽光発電投資は、初期費用額の融資を受け、FIT制度の最初の10年余りでローンを完済し、残りの期間で資産を増やすという構図です。

そのため、ローンを完済するまでの約10年間は我慢の期間で、ローン完済からFIT制度が終わるまでの期間でたくさん稼ぐということになります。

なお、太陽光発電設備の耐久は、メーカーによって異なりますが、20～25年といわれているので、理論上はFIT制度が終了しても、あと5年間は収入を得ることが可能です。

ただし、FIT制度終了あたりから発電効率が著しく低下することが考えられます。

ローン完済からFIT制度終了までに、ある程度資産が増えることが予想されるため、FIT制度終了にあわせて、得た資金を元手に新たな投資を検討してみるのもよいでしょう。

太陽光発電投資にかかるコスト

太陽光発電投資をする上で、何のコストがかかるのか押さえておく必要があります。

基本的には、大きく分けて以下の2つです。

1. 初期費用
2. ランニングコスト

これらのコストを差し引いた残りが実利となるので、どのくらい利益が出ているのか計算できるようになっておきましょう。

初期費用

太陽光発電投資をする上で、どのくらいの初期費用がかかるのか把握しておく必要があります。

基本的には、主な初期費用の項目は以下の通りです。

まず、太陽光発電設備を設置する場所を確保しなければなりません。

不動産の屋根に設置するのが一般的ですが、大規模な投資をするなら、広い土地を用意してその上に設置することになります。

土地や不動産を所有している場合は必要ありませんが、新たに設置場所を用意する場合は土地代が必要です。

また、発電システム代として費用が発生し、設置するパネルの枚数や発電性能によって価格が変動します。

パネルの枚数が多くなれば費用は高くなるのはもちろんのこと、発電性能が優れているほど導入コストも高いです。

ちなみに、事業用としてFIT制度を利用する場合は、太陽光発電設備に10KW以上の発電能力がなければ、FIT制度の対象になりません。

初期費用は工事費含めて1KWあたり20万円から30万円台前半になることが多いため、10KWの設備費に少なくとも200～350万円はかかると想定しておきましょう。

ランニングコスト

初期費用とは別に、ランニングコストが発生します。

主に、メンテナンスにかかる費用です。

メンテナンスコストは、年間あたり設置代金の0.3～0.7％といわれています。

たとえば、設置費用に1,000万円、0.5%のメンテナンスコストがかかるとすると、ランニングコストは年間5万円です。

また、別途保険に加入していれば、保険料も追加で発生します。

保険料は、設置代金の0.2～0.5％が目安です。

年間でどのくらいのランニングコストが発生するのか計算しておき、ローン返済を差し引いた売電収入を積み立てて、ランニングコストに充てましょう。

太陽光発電投資についてよくある質問

太陽光発電投資に関して、思われがちな疑問について紹介します。

今回は、以下の3つについてまとめてみました。

1. 太陽光発電投資が向いてる人とは
2. 太陽光発電の利回りはどれくらいなのか
3. 家庭用と産業用の違いとは何か

基本的な事項なので、詳しく知らない方は、チェックしておきましょう。

太陽光発電投資が向いてる人とは

自分が太陽光発電投資に向いているのかわからず、なかなか手を出せないでいる方に向けて、どのような人が太陽光発電投資をすべきなのか紹介します。

以下の特徴に該当する方は、積極的に太陽光発電投資に挑戦すべきです。

これまで説明してきたように、太陽光発電投資は、投資初心者におすすめの投資手段です。

フルローンを利用してできる投資なので、資金に余裕がなくても、高額投資をすることができます。

また、FIT制度によって、毎月の収益はある程度担保されており、売電収入からローンの返済を行うため、ローリスクで収益化を図ることが可能です。

さらに、太陽光発電の設備さえ設置してしまえば、専門的知識がなくても自動で稼いでくれることから、専門知識を学習する時間や副業に充てる時間がない人でも参入するハードルが低いといえます。

ただし、太陽光発電投資で実際に資産が増え始めるのに約10年はかかるため、短期的に資産を増やしたい方には向いていません。

短期的に資産を増やす方法として株やFX、仮想通貨などの変動型投資がありますが、手っ取り早く稼げる分リスクが高いので、初心者にとってハードルが高いです。

変動型投資に挑戦するのは不安で、リスクが低い、かつ将来の安定した収入源を確保したい方は、太陽光発電投資に挑戦してみましょう。

太陽光発電の利回りはどうやって計算するのか

太陽光発電の利回りをどうやって計算するのか気になっている方に向けて、具体的に利回りの計算方法を紹介します。

まず、利回りを計算する上で押さえておかなければならないのが、表面利回りと実質利回りの2つです。

主に、表面利回りと実質利回りの大きな違いは、年間の経費を差し引いているかどうかです。

表面利回りは、初期投資費用に対して、年間の売電収入がどのくらいの割合なのかを示しており、実質利回りは、年間の売電収入から経費等の支出金額を差し引いた年間利益（実際に手元に残る収入）の程度を表しています。

両者の計算式は以下の通りです。

たとえば、初期投資費用が1,000万円で、年間収入が110万円、年間支出（メンテナンス費用や保険料）が10万円かかる場合は、両者の値は以下のように計算できます。

特に、太陽光発電の運用で重視すべきなのは、どのくらいの利益が出ているのかを示す実質利回りです。

ローンの返済は、売電利益から支出することになるので、表面利回りをもとに計画を立てると、想定以上の経費が発生したときに返済できない事態が起こり得ます。

そのため、太陽光発電投資の利回りを計算するときは、実質利回りの数値に注目しましょう。

なお、実質利回りが10%の場合、初期投資額（融資を受けた金額）を10年で完済できる計算になりますが、実際は利息も支払う必要があるため、厳密に言えば、ローンの完済は11～12年かかります。

したがって、実質利回りからローンの返済スケジュールを出したい場合は、ローンの完済まで実際の年数からプラス1～2年はかかることを想定しておきましょう。

家庭用と産業用の違いとは何か

太陽光発電設備には、家庭用と産業用があります。

両者の違いは、以下の通りです。

設備規模	出力システム	設置場所	買取手段
家庭用	10KW未満	一般家屋の屋根の上	余剰買取
産業用	10KW以上	遊休地（工場の空き地など）や工場屋上	全量買取

特に大きな違いは、太陽光システムの出力値で、10KWを基準に分けられています。

また、設備規模が異なり、産業用の場合は広いスペースが必要なので、空き地や屋上を活用するケースが多いです。

他にも、買取手段にも大きな差があり、家庭用は発電した電気を家庭で消費したのち、余った分を国に買い取ってもらいますが、産業用は発電した電気を全て売却します。

そのため、本格的に太陽光発電投資で収益を上げるには、産業用を運用しましょう。

太陽光発電投資でしっかり儲けよう！

太陽光発電投資は、投資初心者でも取り掛かりやすく、長期的な視点で運用すれば、しっかり稼ぐことができます。

ただし、自然災害に弱く、定期的なメンテナンスが必要なので、万が一に備えて保険に加入しておくことが大切です。

FIT制度によって安定した収入が保証されているため、将来に備えて何らかの投資を始めたいと思っている方は、前向きに太陽光発電投資を検討してみましょう。