山林の土地の固定資産税について解説|3つのポイントを押さえよう

近年は「相続による」空き家問題が深刻化しており、放置されたままの家や土地が全国各地に存在します。これは、山林にも同様のことがいえます。

このような状況を受けて、林野庁では森林の適切な整備や保全などを目的として「森林の土地の所有者届出制度」を制定しました。

土地や山林といった不動産の所有者に対しては、固定資産税が課せられます。不動産の所有者を明らかにすることは、固定資産税の徴収額にも大きく影響するといえるでしょう。

土地や住宅といった不動産に比べると、山林の固定資産税はそれほど高い税額ではありませんが、これから不動産の相続が予定されている人の中には、不安を感じている人もいるかもしれません。

しかし、固定資産税は毎年納付する義務があるため、どの程度の税額を納付しなければならないのかあらかじめ把握しておくと安心です。

この記事では、山林にかかる固定資産税の税額や相続した場合の相続税などについて解説していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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山林の固定資産税はいくらなのか

ここでは山林の固定資産税の評価額や算出方法について紹介していきます。

山林の固定資産税の算出方法

土地や住宅といった物件種別にかかわらず、固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に対して課せられます。その算出方法は、次の通りです。

固定資産税の算出方法

固定資産税評価額とは、固定資産税の税額を決定する際に基準となる金額のことです。

山林の固定資産税評価額について

上記で紹介した固定資産税の算出方法をみると、固定資産税評価額の金額が税額に大きく影響することがわかります。

固定資産税評価額は様々な基準で決められる

固定資産税の税額に影響する固定資産税評価額は、不動産のある場所や面積、形状といった様々な要素が考慮されます。山林の固定資産税評価額を決定する際の基準は、次のような項目です。

  • 道路の幅
  • 道路の塗装方法
  • 最寄り駅からの距離
  • 隣接する道路がメインの道路であるか
  • 利便性などの立地条件
  • インフラ設備のよさ
  • 建ぺい率
  • 容積率など

このように固定資産税評価額を決定する基準は様々で、都市部や農村部は高く、奥地になるほど安くなる傾向にあります。

固定資産税評価額は公示価格70%が目安

一般的に、公示価格の70%が土地の固定資産税評価額の目安だと考えられています。公示価格とは公示地価制度にもとづき、毎年1月1日を起点として3月下旬頃に公表される1平方メートルあたりの価格です。

公示価格は、国土交通省の審議会の一つである土地鑑定委員会によって決定されます。土地鑑定委員会には、不動産鑑定評価に関する有識者から構成されていることが特徴です。

評価額30万円以下の場合は免税される

固定資産税の税額は固定資産税評価額によって異なり、固定資産税評価額の金額に比例して高くなります。たとえば山林の固定資産税評価額が5,000万円の場合、単純計算しても固定資産税の税額は70万円です。

しかし、固定資産税評価額が30万円以下の場合は固定資産税が免除されます。

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山林の固定資産税で抑えておきたい3つのポイント

土地や住宅といった一般的な不動産と同様に、山林の固定資産税を算出する方法は同じです。これから所有する予定のある山林の固定資産税について、次のような3つのポイントを押さえておくとよいでしょう。

山林の固定資産税で抑えておきたいポイント

固定資産税評価額は3年に一度見直される

固定資産税の税額を算出する際の基準となる固定資産税評価額は、一度決定されたら永久に変わらないわけではありません。固定資産税評価額は、3年に一度のペースで見直されています。

これは固定資産の評価替えと呼ばれており、最近の見直しは2018年に行われました。次回の見直しは2021年の予定で、見直されるとその後の3年間は固定資産税評価額は据え置きされる場合もあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

原則として固定資産税評価額は3年間据え置きされますが、近隣の土地開発が進んだり、新しい交通機関や駅ができたりすることにより土地の評価額が急に上がるような場合には、3年を待たずに見直されることがありますので注意しましょう。

共有で所有している場合は全員に課税される

物件種別に関わらず、不動産の所有者は一人だけに限定されているとは限りません。たとえば結婚後にマンションを購入する場合、夫婦共有名義にする人も増えています。

このように共有名義で山林を所有している場合、固定資産税は名義人全員に課税されます。ただし、固定資産税の税額を知らせる納付書は代表者だけに送付されます。

そのため、代表者は共有名義で名を連ねている全員から固定資産税を回収しなければなりません。

特に相続で山林を譲り受けた場合は、遺産分割協議が整うまでは共有名義になるので注意が必要です。

売却した場合の固定資産税について

上記の「山林の固定資産税はいくらなのか」で紹介したように、固定資産税は1月1日時点での所有者に納付義務があります。しかし、年度の途中で売却して所有者が変わることもあるでしょう。

このような場合、売り手と買い手で固定資産税を清算するのが一般的です。たとえば売却前の期間分は売り手、売却後の期間分は買い手といったように双方の所有期間に応じて固定資産税を負担します。

固定資産税は、1年分を1月1日にまとめて納付する仕組みです。そのため、買い手は購入後、その期間分の固定資産税を購入代金に上乗せして売り手に支払うケースが多いようです。

山林の相続税について紹介

現時点で山林を所有していなくても、相続などで将来的に山林を所有する可能性がある人もいるのではないでしょうか。山林を相続した場合には、他の不動産と同様に相続税が課せられます。

山林の相続税の算出方法

山林を相続した場合の相続税は、山林の種類によって算出方法が異なります。自身が所有する予定の山林がどの種類に該当するか確認し、算出方法を把握しておきましょう。

市街地山林の場合

山林の種類は、次の3つの種類に区分されています。

山林の種類

山林を相続する場合の相続税は、算出方法が異なります。このうち市街地山林とは、市街地にあり宅地の影響を受ける山林です。市街地山林の相続税は「宅地比準方式」で算出されます。

  • 相続税評価額=山林を宅地と仮定した場合の評価額-造成にかかった費用

これは山林を宅地として利用することを想定し、宅地用に造成した際にかかった工事費用を差し引いて算出する方法です。ただし、宅地として利用できない山林の場合、宅地比準方式は利用できません。  

純山林の場合

純山林とは市街地山林とは異なり、市街地から遠い場所にあり宅地の影響をほとんど受けない山林です。純山林は、次のように「倍率方式」で算出されます。

  • 相続税評価額=固定資産税評価額×倍率

固定資産税評価額に乗じる倍率は、山林がある場所ごとに決定されています。倍率を確認したい場合は、国税庁の公式ホームページを参照してみてください。

中間山林の場合

中間山林とは純山林とは異なり、市街地の近くにあり売買価格の水準が純山林の売買価格よりも高い山林です。中間山林は、純山林と同様に「倍率方式」で算出されます。

相続税以外の費用もかかる

山林を相続すると、相続税が課せられます。さらに相続に関する様々な手続きにともない、次のような費用もかかるのであらかじめ把握しておきましょう。

山林の相続にかかる費用

相続によって所有者の名義を変更することを、相続登記といいます。相続登記は自身でも行えますが、手続きが複雑なために司法書士に依頼する人も多いです。

ただし、相続登記を司法書士に依頼する場合、手続きにともなう費用の他に司法書士への報酬も支払う必要があります。相続の際にかかる費用の相場は、次の通りです。

手続き内容 費用の相場
登録免許税
  • 固定資産税評価額の0.4%
  • ただし、法定相続人以外が相続する場合は2%
固定資産税評価証明書の交付手数料
  • 200~400円程度
  • ただし、自治体によって異なる
戸籍謄本の交付手数料
  • 450円程度
  • ただし、自治体によって異なる
司法書士への報酬

7~10万円程度

司法書士への報酬は依頼する司法書士事務所によって異なります。

そのため、司法書士へ依頼する場合は複数の司法書士事務所の見積もりをとり、費用を比較しておくとよいでしょう。

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固定資産税を支払わないためには売却も検討する

固定資産税を支払わないためには売却も検討する

山林を所有すると、当然ながら固定資産税を納付しなければなりません。さらに相続すると相続税が発生するだけでなく、管理費用などがかさむので、売却を検討するのもひとつの方法です。

山林を売却するのは難しい

山林を売却して手放せば、固定資産税の負担がなくなります。そのため、不動産会社に相談してすぐにでも売却手続きしたいと考える人も多いことでしょう。

しかし、土地や住宅といった一般的な不動産に比べると、山林の売却は難しいといわれています。なぜなら宅地にするための造成費用がかさんだり、用途が限られるからです。

山林の売却方法

山林の売却は難しいものの、次のような方法を活用すると解決の糸口が見つかるかもしれません。ただし、山林の売買は市場規模が小さいため、自身で売却へ向けての行動を積極的に行う必要があります。

不動産会社の一括査定サイトを活用する

インターネットが普及し、スマホやパソコンでいつでもインターネットを利用できる時代となりました。

インターネット上には様々なWebサイトが登場しており、山林を売却する際に便利なのが「一括査定サイト」です。一括査定サイトとは、複数の不動産会社に対して査定を依頼できるサービスのことを指します。

一括査定サイトの最大のメリットは、複数社に査定を依頼できる点です。複数社に査定を依頼することで、査定額を比較できるだけでなく優良な不動産会社を見つけやすくなります。

森林組合に相談する

不動産会社に相談するといった一般的な売却方法が難しい場合、森林組合に相談するのもひとつの方法です。森林組合とは森林の保全や林業をサポートするために設立された団体で、各都道府県ごとに拠点を設けています。

全国各地の森林所有者が出資して運営されているため、山林の売買実績も豊富です。森林組合によっては、山林の売買をあっせんしているケースもあります。

山林の固定資産税を計算してみよう

山林の固定資産税を計算してみよう

山林の固定資産税の算出方法は土地や住宅といった一般的な不動産と同様ですが、相続税は山林の種類によって異なります。

さらに相続する際には相続登記が必要で、司法書士に依頼する費用も発生します。また、共有名義で所有する場合は、固定資産税の支払いを巡ってトラブルにならないように注意しましょう。

固定資産税の負担が重いと感じた場合は、早目に不動産会社や森林組合などに相談してスムーズな売却を目指しましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

売却だけでなく、山林自体を活用したり貸したりする方法もあります。もし、売却せずに固定資産税の負担を減らしたいのであれば、山林の活用について不動産会社や土地活用コンサルタントなどに相談してみてもよいかもしれません。

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