土地の造成とは?造成工事の概要から費用までを徹底解説

「造成」という言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、私たちの身近でも頻繁に行われている工事です。たとえば山を削って新たに宅地開発される場合、石などが散乱して凹凸のある状態の土地のままでは家を建てられません。

このような土地を家が建てられる状態にすることが「造成」です。宅地開発に関わらず、目的に合った土地にするために様々なシーンで造成工事が行われています。

この記事では造成の基礎知識に加えて、工事にかかる費用や期間について詳しく解説していきます。これから所有している土地の造成を検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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土地造成とは

土地の造成と一言でいっても、目的や用途に応じていくつかの種類があります。どのような土地の場合にどのような造成工事をしなければならないのか、把握しておきましょう。

また、土地造成について冒頭で少し触れましたが、ここでは土地の造成についても改めて解説していきます。

土地を目的や用途に合わせて整えること

土地の造成は空き地や農地、田んぼ、畑といった様々な土地を用途に合わせて変えるための工事のことを指しています。

たとえば農地として利用されていた土地を宅地に変更する場合、土地の造成を行い、安全に家が建てられる状態に土地を整えます。

ただし、土地の造成は「宅地造成等規制法」によって土地の造成が行える業者が決められているため、誰もが自由に行うことはできません。

小規模や中規模の土地造成であれば、解体業者や外構業者に依頼するとよいでしょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

敷地面積が広いなど大規模な工事になる場合は、造成工事を請け負っている建築会社や土木業者に依頼するとスムーズです。

造成工事の種類

土地を平らに地固めする程度のものから草木を伐採しなければならないものまで、土地の造成工事はひとつだけでなくいくつか種類があります。

造成工事の種類

整地

整地とは、傾斜や凹凸のある土地を平らに地固めすることを指しています。たとえば住宅地にある空き地を造成する場合でも、家を建てる前には整地が行われるのが一般的です。

以下で紹介する造成の際にも、仕上げとして整地が行われます。

また、整地は土地を平らに地固めするだけでなく、ときには砂利を敷いたりアスファルトを使う場合もあります。

伐採や防草

伐採や防草は、草木が生い茂っている土地に必要な工事のことを指しています。たとえば草木が繁茂した土地では、家は建てられません。

そのため生えている草木を伐採し、根を取り除く作業が必要です。伐採後は、防草シートを被せる措置がとられる場合もあります。

ただし、伐採しなければならない木々が多い場合は、木材を廃棄物処理場まで運搬する費用が追加で必要になるケースもあります。

地質変更や地盤改良

長い期間にわたってメンテナンスされていない土地は地質が悪かったり、地層の表面が軟弱化しているケースが考えられます。このようなときに必要なのが、安全な状態に地盤を整えるために行われる地盤改良工事です。

代表的な工事は、表層の土にセメント系固化材を混ぜて土地の強度を上げたり、鋼杭を打ち込むといった方法があげられます。

土盛や土止

土地がある場所によっては、家を建てたい土地が隣接する道路よりも低いケースがあります。このような場合、土盛や土止が必要です。土盛とは、土砂などで埋立底上げする工事のことを指しています。

一方の土止は、土盛で埋め立てた際に土砂が流出したり崩壊するのを防ぐための工事です。これらの工事とあわせて擁壁工事も行われるケースが多く、近年では防災目的で行われるケースもあります。

残土処分

傾斜のある土地を平らに地固めする場合、地盤や斜面の切り取りが必要な場合があります。この工事を切土といい、切土を行うと斜面の余分な土が出ます。

そのため余分な土を敷地外に運搬する必要があり、この作業が残土処分です。残土処分は受け入れ先が限定されており、都道府県が厳しく土質を規制しています。

造成工事にかかる費用

造成工事にかかる費用

整地程度の比較的容易な工事から地盤改良が必要な工事まで、造成工事の種類は多岐にわたります。工事内容が複雑になるほど費用が高くなる傾向にあるため、造成を行う前にどのくらいの費用がかかるのか把握しておくと安心です。

造成工事の費用相場は国税局で発表されている

新築や解体を業者に依頼する場合、業者ごとに費用が異なります。造成工事にかかる費用の相場については国税局で発表されています。

どの国税局の管轄かによって費用の相場が異なるため、まずは自身が所有する土地の国税局を把握しておきましょう。

東日本国税局 札幌
仙台
関東信越
東京
金沢
名古屋
西日本国税局 大阪
広島
高松
福岡
熊本
沖縄

造成工事別に費用をチェック

次に、造成工事別の費用を確認しておきましょう。次の表では、国税局が発表している造成工事にかかる費用の相場を示しています。なお、ここで紹介するのは傾斜のない土地の造成費用です。

  管轄の国税局 整地(円/平方メートル) 伐採・防草(円/平方メートル) 地質変更・地盤改良(円/平方メートル) 土盛(円/平方メートル) 土止(円/平方メートル)
東日本国税局 札幌 500円 500円 1,300円 4,100円 44,300円
仙台 500円 600円 1,400円 5,100円 58,600円
関東信越 600円 900円 1,400円 4,500円 51,700円
東京 600円 600円 1,400円 4,700円 55,500円
金沢 600円 600円 1,400円 4,500円 50,300円
名古屋 600円 600円 1,400円 4,600円 53,200円
西日本国税局 大阪 500円 600円 1,400円 4,300円 51,300円
広島 500円 400円 1,300円 4,300円 48,400円
高松 500円 700円 1,400円 4,400円 42,900円
福岡 500円 600円 1,400円 4,300円 45,500円
熊本 500円 600円 1,400円 4,200円 47,300円
沖縄 500円 600円 1,400円 4,700円 50,100円

このように整地と土止では費用の差が顕著で、土止はエリアによって10,000円近くの差があることがわかります。

土地の傾斜度別に費用をチェック

最後に、土地の傾斜が3度以上ある土地の造成費用の相場を紹介します。次の表では、「造成工事別に費用をチェック」と同様に管轄する国税局別にまとめています。

  管轄の国税局 3~5度(円/平方メートル) 5~10度(円/平方メートル) 10~15度(円/平方メートル) 15~20度(円/平方メートル)
東日本国税局 札幌 10,200円 17,700円 24,700円 38,500円
仙台 11,300円 19,500円 26,900円 42,400円
関東信越 10,200円 17,600円 24,400円 40,300円
東京 10,600円 18,300円 25,300円 41,300円
金沢 10,400円 17,900円 24,800円 40,200円
名古屋 10,600円 18,200円 25,200円 41,300円
西日本国税局 大阪 10,100円 17,500円 24,300円 40,100円
広島 10,200円 17,700円 24,600円 39,400円
高松 9,600円 16,500円 23,000円 37,700円
福岡 9,800円 16,900円 23,500円 38,500円
熊本 9,900円 17,100円 23,800円 39,000円
沖縄 10,500円 18,200円 25,200円 41,200円

この表をみると3度以上の傾斜がある土地の場合は費用が高く、傾斜が大きくなるほど費用が高くなることがわかります。

造成工事にかかる期間

造成工事の種類はいくつかあり、工事内容や土地の状態によって必要な期間が異なります。たとえば整地といった比較的簡単な造成工事なら、5日から1週間程度で完了するのが一般的です。

一方で大規模な造成工事が必要な場合、1ヶ月から2ヶ月程度の期間がかかるケースもあります。工事にかかる期間をできるだけ短くしたい場合、梅雨や積雪のあるシーズンを避けて行うとよいでしょう。

造成工事にかかる期間

造成工事の費用をおさえる3つの方法

「造成工事にかかる費用」で紹介したように、造成工事の内容やエリアによって費用が異なります。

さらに傾斜の大きい土地の場合は費用が高い傾向にあるため、ある程度の資金を準備しておかなければなりません。しかし、次のような方法で造成工事にかかる費用を抑えることが可能です。

造成工事の費用をおさえる3つの方法

自身で造成業者へ依頼する

造成工事は宅地造成等規制法によって土地の造成が行える業者が決められているため、個人が自由に造成できません。

しかし、不動産業者などを通して造成業者に依頼すると、中間マージンがプラスで発生するので費用が高くなる傾向にあります。

造成工事にかかる費用を少しでも抑えたい場合は、不動産業者などを通さずに自身で造成業者に依頼するとよいでしょう。

造成業者は複数社に見積もりを取り比較する

造成業者を選ぶ際には、複数社に見積もりを依頼することをおすすめします。なぜなら複数社に見積もりを依頼することで、費用や担当者の対応などを比較できるからです。

どの業者に依頼すればよいかわからない場合は、一括見積もりサイトを利用してみましょう。解体業者が造成工事も行っているケースが多いため、解体業者の一括見積もりサイトの利用がおすすめです。  

解体業者の一括見積もりサイトは複数あるものの、対象エリアや提携業者の数などそれぞれ特徴が異なります。自身が所有する土地が対象の一括見積もりサイトを確認し、スムーズに見積もりを依頼しましょう。

造成業者を選ぶポイント

造成工事を行っている業者は数多いため、どの業者に依頼すればよいか迷う人も多いのではないでしょうか。造成業者を選ぶ際には、次のようなポイントを押さえておくとよいでしょう。

  • 見積もりが詳細
  • 実績が豊富
  • スピーディーな対応
  • アフターフォローが充実

業者によって見積書に記載される項目が異なるため、項目がより詳細に記載されている業者を選びましょう。また、実績が豊富な業者は安心して造成工事を任せられ、顧客の立場に立った優良な業者が多い傾向にあります。

依頼者の要望に対するスピーディーな対応はもちろんのこと、造成工事後のアフターフォローの内容もきちんと確認しておきましょう。

造成工事には高い費用がかかるケースもあるため、できるだけ安く済ませるために費用だけで業者を選びがちです。

しかし、費用の安さを謳っておきながら必要な工事を怠るといった悪徳業者も存在します。そのため費用の安さだけで業者を選ばず、上記で紹介したポイントが揃っていることを確認することが大切です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

造成工事中に、地下水が出たり空洞があったりするなど、予測していなかった事態が発生することもあります。

そのような場合の対処方法や費用負担についても、見積もりを作成してもらう時点でしっかりと確認しておくようにしましょう。

近隣住民への事前説明をしっかり行う

造成工事は重機などを持ち込むため、日中であっても想像以上の騒音が発生するかもしれません。自身には必要な工事であっても、近隣住民にとっては騒音トラブルでしかない可能性も考えられます。

万が一騒音トラブルで訴訟問題に発展すると、弁護士費用や慰謝料といった無駄な費用がかかってしまいます。造成工事による騒音トラブルを未然に防ぐためにも、工事前に近隣住民への事前説明をきちんと行っておくことが大切です。

また、騒音だけでなく、粉塵飛散トラブルにも注意が必要です。粉塵飛散は健康への悪影響もかんがえられるため、散水をして飛散を防ぐなどの対策を徹底してもらうようにしましょう。

土地造成と建築時期は計画的に行う

造成工事にかかる費用を抑えるためには、土地造成と新居の建築時期を計画的に行うことが大切です。なぜなら、土地造成と新居の建築時期によっては固定資産税の負担が大きくなるからです。

宅地の場合は「住宅用地の特例」によって固定資産税が抑えられるものの、造成工事を行うことで建物がなくなると特例が受けられなくなります。

したがって1月1日時点で固定資産税額を確定し、次の1月1日までに新築を建てれば固定資産税の負担増大は避けられるでしょう。 

土地の造成で知っておきたい3つのこと

ここまでは土地の造成にかかる費用や期間、費用を抑えるポイントなどを紹介してきました。ここからは土地を造成する前に知っておくとよい豆知識を3つにまとめて解説していきます。

土地の造成で知っておきたい3つのこと

土地造成は自由に行うことはできない

自身が所有している土地に家を建てることを想定し、土地の造成を予定している人も多いことでしょう。しかし、造成工事は都道府県知事などの許可を得なければ行えません。

なぜなら、次の2つの法律が関わっているからです。

  • 都市計画法
  • 宅地造成等規制法

都市計画法

都市計画法とは、国内の都市を計画的に作っていくことを目的とした法律です。この法律では国民が住みやすい都市を実現するために、土地の利用方法が定められています。

たとえば自宅の敷地内に道を作る場合や、切土や盛土といった土地の形を変化させる工事も都市計画法によって規制されている工事の一つです。

そのため、次のような造成工事を行う際には都道府県知事などからの許可を受けなければなりません。

  • 区画を変更する場合
  • 土地の形を変更する場合

これらの項目に該当する造成工事を行う場合は、あらかじめ都道府県知事などから許可を受けるために申請しておきましょう。

宅地造成等規制法

「土地造成とは」で紹介したように、土地の造成が行える業者は宅地造成等規制法によって決められています。宅地造成等規制法とは、造成工事によって発生する事故を防ぐために様々な規制を設けている法律のことです。

特に傾斜地の多いエリアでは、造成工事を行うことによって崖崩れや土砂の流出が懸念されます。そのためこの法律で一定の規定を設け、死傷者などが出ることを防いでいます。宅地造成等規制法の対象となる造成工事は、次の通りです。

  • 高さが2メートルを超え、30度以上の斜面に対して行われる切土
  • 高さが1メートルを超える斜面に対して行われる盛土
  • 盛土と同時に切土と合わせて、高さが2メートルを超える斜面に対して行われる造成工事
  • 切土や盛土で生じる斜面の高さに関わらず、宅地造成面積が500平方メートルを超える工事

これらの項目に該当する造成工事を行う場合、都道府県知事などの許可を受ける必要があります。ここで紹介した2つの法律に関する許可申請は手続きが複雑です。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

申請が必要な造成工事を行う場合は、造成工事を依頼する業者に相談して、手続きを代行してもらうか、手続き方法を教えてもらいましょう。

造成工事の費用をローンで組む場合はつなぎ融資を利用する

造成工事にかかる費用は、工事内容や規模によって異なります。

  • 傾斜2度
  • 敷地面積30平方メートル
  • 造成工事の種類:土止

たとえば、大阪エリアで上記のような工事を行う場合、土止の費用が1平方メートルにつき51,300円となるため、概算でも153万9,000円となります。

そのため住宅ローンの利用を検討するケースが多いものの、造成工事の場合には基本的に住宅ローンが利用できません。そのため、造成工事費用には「つなぎ融資」を利用します。

「つなぎ融資」とは、新築する際の住宅ローンが開始する前に一時的に借り入れできる融資のことを指しています。

金融機関などから一時的にまとまった金額を借りられるため、住宅ローンが開始されるまでの造成工事費用に充てることができます。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

住宅を建てる前提で土地を購入し造成工事を行う場合には、「分割融資」が受けられる場合もあります。

「分割融資」とは、住宅ローンを申し込んだ銀行から、土地の購入代金や造成工事費用を分割して実行してもらえる融資のことです。住宅ローン金利が適用されるので、つなぎ融資よりも低い金利となっていますが、取り扱っている金融機関が限られますので注意が必要です。

造成業者のマニフェストは必ず確認する

造成工事を行う際には、砂利や余分な土といった様々な産業廃棄物が生み出されます。造成工事で土地が綺麗に仕上がると、造成工事によって生み出された産業廃棄物のことまで頭が回らないかもしれません。

しかし、造成工事で生み出された産業廃棄物がどのように処理されているか確認することが大切です。なぜなら造成工事を依頼した業者が悪徳業者で、不法投棄をしていることもあるからです。

造成工事を行った業者が不法投棄していることが発覚すると、土地の所有者が罰せられる懸念もあります。

そのため、依頼者は造成工事を依頼する業者のマニフェストをきちんと確認しなければなりません。依頼者にはマニフェストを確認する権限を持ち合わせているため、業者に依頼する際にはマニフェストの確認を怠らないようにしましょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

「マニフェスト制度」とは、産業廃棄物の処理を業者に委託する場合、その業者の責任を明確にし、不法投棄などを防止するために作られた制度です。

業者に「マニフェスト伝票」の作成を義務付けて、廃棄物処理やその一連の流れを追跡、確認できるようにしています。

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まとめ

最後に業者を依頼する際のポイントをもう一度確認しておきましょう。

  • 見積もりが詳細
  • 実績が豊富
  • スピーディーな対応
  • アフターフォローが充実

これらのポイントを押さえて、スムーズな造成工事を実現しましょう。