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進学や就職などで子どもが独立し、これまで住んでいたファミリータイプのマンションから、夫婦2人のマンションへの住み替えを検討している人もいるのではないでしょうか。
この記事では、今住んでいるマンションを査定に出して住み替えを検討中の人に向けて、マンション査定の前に知っておくべきポイントをまとめました。
マンション査定の流れ
マンション売却全体の流れをつかんだところで、まずマンション査定について說明します。
査定は次のような流れで進んでいきます
査定依頼
マンション売却の最初のステップは、不動産会社に査定依頼をすることです。インターネットの一括査定などを利用して、複数の不動産会社に依頼しましょう。
査定額は不動産会社によって違いがあります。多くの不動産会社は、「不動産流通推進センター」が作成したマニュアルを使用しています。
査定は物件の状態や立地条件、建材のグレードなどの細かな項目から物件を点数化します。
その点数に沿って、適正な価格を算出する仕組みとなっていますが、一部の不動産会社では独自のマニュアルを使用していることがあるため、同じ物件でも査定額に違いが生じるのです。
査定額のバラツキには、不動産会社の個別の事情も影響しています。取引事例や顧客数が少ない不動産会社よりも、取引事例が多い不動産会社の方が需要を見込めるので、より適正な価格を算出できると考えられます。
不動産会社が適正な価格を提示するかどうかを見極めるために、自分でも相場を調べることが大切です。
ただし、マンションは立地条件や、部屋の広さなどから周辺の物件と比較しやすいため、査定額に大きなバラツキは生じにくいといわれています。
訪問日時を決める
次に、連絡のあった不動産会社に訪問してもらう日時を決めます。
売却予定のマンションから新しい家にすでに引っ越している場合でも、不動産会社の担当者がわからないことを確認するために立ち会いを求められることがあります。
訪問査定
査定依頼した不動産会社にマンション室内外観を調査してもらいます。主な調査ポイントは以下のとおりです。
- トレンドに合った間取りかどうか
- 室内全体の雰囲気やリフォーム履歴
- 雨漏りの有無や天井のシミ
- 床下収納や点検口がある場合は床下の状況
- 傾きや建具の建付
- 床暖房、食洗機、風呂の追い炊き機能の有無などの設備関係
- 外壁のクラック
- 駐車場
- 駐輪場のスペース
- 道路付け
- 共用部
- 階数、方角、眺望
上の階からの水漏れなど、買主に不利になる情報はちゃんと伝えましょう。売却後に判明した場合はトラブルになりかねません。
必要書類の確認
訪問査定の際には必要書類を確認してもらいましょう。マンションの売却に必要な主な書類は次の通りです。
- 登記簿謄本または登記識別情報
- 購入時の契約書
- 重要事項説明書
- マンションの管理規約や使用細則(あれば)
- 固定資産税納税通知書
査定結果がわかる
不動産会社は訪問調査や近隣の家の相場、登記簿謄本などの書類から得られる情報をもとに出した査定結果を知らせてくれます。
より良い売却となるよう、「不動産会社に売ってもらう」という感覚ではなく、流れを把握し「自分で売るが、広く周知するために不動産会社を使う」というくらいの気持ちで行動しましょう。
マンション査定方法の選び方
ネットで情報を入力するだけの簡易的な査定から鑑定士に依頼して行う査定など、マンション査定の依頼には様々な選択肢があります。
マンション査定の選択肢
マンションを査定するために、いくつの方法があります。それぞれの査定方法の特徴を紹介します。
不動産一括査定を使う
不動産一括査定サービスは、複数不動産会社へ査定依頼することができます。
不動産を探す手間がかからないのはもちろん、複数不動産会社の意見や査定結果を確認、より確実な売却価格が見つかります。
不動産会社への査定依頼
不動産会社に行き査定依頼をする方法です。マンションの情報がわかる資料を持って直接不動産会社の担当者と話をします。
地元密着の不動産会社と話ができるメリットがある一方、複数の不動産会社に査定依頼をする場合は、個別に依頼していくことになります。
仕事をしている人にとって、査定依頼を個別にアプローチしていくのは負担が大きいかもしれません。
不動産鑑定士への依頼
不動産鑑定士とは、不動産の鑑定業を行う国家資格を持った専門家です。建物の鑑定だけでなく、土地の活用に関するコンサルティングも行っています。
不動産鑑定士はマンションの現状や相場などと照らして正確な査定をしてくれるため、マンションを1棟売却するなど、価格の見極めが難しいケースでは有効な査定方法です。
しかし、相談料や査定料がかかりますので、マンション1室を売却する場合の査定はほかの選択肢の方が向いているでしょう。
机上査定と訪問査定の違い
不動産会社が行うマンション査定の方法を説明します。
机上査定
机上査定とは不動産会社が実際に現地を見ることなく、立地や築年数、床面積、構造、間取りなどの物件データや、相場の価格や過去の成約価格のデータ、市場動向などに基づいて査定額を算出する方法です。
過去の取引事例が元になっているため、査定額は妥当性のある金額ではあるものの、現地調査をしていないため、算出されるのはあくまで概算となります。
訪問査定
机上査定のデータを踏まえた上で実際に現地に足を運び、物件の状況や周辺の環境まで確認した上で査定額を算出する方法です。物件の具体的な状況が反映されるので、精度の高い査定金額となります。
一括査定でも訪問査定でも、3社から多くても5社程度に査定依頼することをおすすめします。
その際、相見積もりを取っていることも伝えましょう。より良い査定結果を得られる確率が上がります。
おすすめなマンション査定サイト
マンションや不動産の査定サイトがたくさんありまして、どちらを使った方が良いか迷っている方も多いです。
ここでは、運営年数や提携会社数が多いマンション査定サイトを紹介します。
HOME4U
出典:HOME4U
HOME4Uは、NTTの関連会社である株式会社NTTデータスマートソーシングが20以上運営する不動産売却査定サービスです。
全国の実績がある不動産会社を厳選し、マンション売却に得意な不動産も見つかりやすいです。
【PR】SUUMO(スーモ)
出典:SUUMO
SUUMO(スーモ)は株式会社リクルートが提供する仲介専門の不動産一括査定サービスです。
不動産業界大手であるSUUMOは数多くの不動産仲介会社と提携しており、実績ある不動産会社から複数の査定価格を比較できます。
最短60秒で終わるほど申し込み手続きも簡単なので、仲介を利用した不動産売却をしたい人におすすめです。
HOME’S(ホームズ)
HOME’S(ホームズ)はサービス利用者数が700万人を突破するほど人気のある不動産一括査定サイトです。
日本最大級の不動産・住宅情報サイトの運営経験から生まれた独自の審査基準に基づき、良質な不動産会社のみと提携しているのが魅力です。
各不動産会社ごとに「買取保証」や「女性スタッフが1/3以上」などの特徴も見やすいので、こだわって探したい人におすすめです。
リビンマッチ
出典:リビンマッチ
オンラインチャットで簡単査定できるリビンマッチは、全国1700社の不動産会社が登録しており、都市地方関わらず、エリアに強い不動産会社が見つかりやすいです。
上記4社以外にもおすすめな不動産一括査定サイトを比較したい方は、こちらの記事をぜひご覧ください。
不動産の一括査定サイトにはどのようなメリットがあるのか興味がある方も多いのではないでしょうか。この記事では不動産一括査定サイトの利点やサイトの選び方などを紹介しています。不動産売却をスムーズに進めたい方に必見の情報を詳しく解説します。
マンション査定時の注意点
マンション査定に用意する書類を説明します。中には、法律改正も絡んでくるものもあり、慎重に情報収集を進めることも必要です。
物件に関する書類
物件に関する書類は、保管しているものを主に用意しておきます。必要な書類は次の通りです。
- 登記事項証明書
- マンションの間取り図などのカタログ
- マンション購入当時の契約書などが入ったファイル(契約書、重要事項説明書、固定資産税納税通知書等)
これらの書類は、訪問査定のときとその先の契約まで必要訪問査定のときからと売買契約まで必要になることが多いです。
登記簿謄本が無くなってしまった場合には、法務局で取得することができます。(1通1,000円)登記事項証明書が無くなってしまった場合には法務局で取得することができます。(1通窓口600円、オンライン請求で申込郵送500円、窓口受け取り480円)
マンションの間取り図等のカタログが無くなってしまった場合には、管理会社に依頼をすれば竣工図などのコピーをもらえることもあります。部屋のサイズを自分で測り、作成する方法もあります。
アピールポイントをまとめる
そのマンションのアピールポイントをまとめておき、それを訪問査定の時に伝えることが大事です。
最寄り駅やバス停、公共施設や商業施設へのアクセスの良さはマンションの大きなアピールポイントになります。周辺の環境等変化へは常に敏感になっておきましょう。
日当たりや風通しの良さは、住環境への大きなプラスです。眺望や景観は、それを求める購入者からの募集を増やすポイントです。写真などで朝夕の風景を撮っておくのも良いでしょう。
築年数に対して、外観がキレイな場合には、良くメンテナンスが行き届いているので、大きなアピールポイントです。共有施設などがある場合には、写真に撮って訪問査定のときに見せると良いでしょう。
不具合箇所など告知事項を探す
アピールポイントの一方で、訪問査定の時に不具合箇所も伝えることも大事です。
マンションにおける瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とはマンションに何かしらの欠陥や問題があり、取引の時点で通常の注意を払っても気が付かないまま取引が成立した時に、売主側が負う責任のことです。
隠れた瑕疵 | 一例 |
---|---|
給排水設備の故障 | 水が出なくなった 水が濁るようになった |
重要な部位の腐食 | 大きな柱の傷み 雨漏りがするようになった |
このような瑕疵が発見されたケースでは、買主は発見されてから1年以内に訴え出ると売主に追求できます。
瑕疵担保責任免責
瑕疵担保責任免責とは、もしも瑕疵が発生しても売主は責任を追わないという特約を契約時に付けるものです。
この場合には売却額を下げる以外には、なかなか買手が見つからないでしょう。したがって現時点ではあまり用いられない方式です。
瑕疵担保責任保険
瑕疵担保責任を負う場合、その費用が高額になる場合が多いことから、現在不動産会社からおすすめされる方法です。瑕疵が見つかった場合には、保険から全額及び大半の修繕費を賄うことができます。
買手は安心して契約を結ぶことができますし、売手は契約解除などになりにくいため、双方にメリットがあると言えるでしょう。
<b>瑕疵担保責任保険には建物の検査も含まれますので、買主としてはありがたい保険と言えるかと思います。</b>
瑕疵担保責任は変更される
2020年4月より改正民法の施行により、瑕疵担保責任は契約不適合責任となります。それに伴って、若干売主への負担が増える可能性が高いです。
まだ判例が無く、正確な判断材料はありません。買主側からの請求方法が増えること、見えない瑕疵なども含めて、売主側に全ての責任が背負わされるようになります。
対応策としては保険への加入が必須条件になるのではないでしょうか。
あるとよいもの
その他にあるとよいものとして、次のようなものがあります。
<b>管理規約や使用細則は、紛失していることもあるかと思います。管理組合や管理会社にコピーをお願いするとよいです。マンションの修繕履歴については個人で持っていないケースがほとんどなので、コピーをもらえるかどうかを管理組合や管理会社で確認してみましょう。
自分に合った不動産会社の選び方
マンションの売却を満足のいく結果にするためには、良い不動産会社と出会うことが大切です。不動産会社を選ぶポイントを解説します。
査定から不動産会社を選ぶポイント
複数社に査定依頼をしたら、「一番高い査定額を出してきた不動産会社にお願いしたい」と思う人が多いのではないでしょうか。
しかし、査定額は売却予想価格であり、その金額で売れることを保証するものではありません。そのため、査定額だけで不動産会社を選ばない方がよいです。
不動産会社を選ぶポイントは次の3つです。
相場と比べて明らかに高い査定額を提示する不動産会社には注意が必要です。高額な査定額が出ると嬉しく感じられるものですが、その分、売却が難しくなります。他社と比べて高額な査定額が出た場合には、算出の根拠をたずねてみましょう。
また、マンションのアピールポイントをしっかりと理解して、その上で高額査定を提示してきたのなら、その会社に売却を依頼するのもよい方法です。
よい不動産会社を見つけるためのコツ
よい不動産会社と出会うためのコツは次の2点です。
- 一括査定を利用し、複数社を比較検討する
- 売り主からもこまめに連絡をとる
多くの不動産会社と接点を持てば、よい不動産会社と出会う確率は高くなります。
そのために有効活用したいのが一括査定です。よいと思える不動産会社と出会えたら、売り主からもこまめに連絡をとり、担当者との信頼関係をつくりましょう。
必ずしも「高く売ること」がゴールではありません。売却完了まで信頼して任せられるかどうが、自分にとって何が一番譲れない部分か、などを整理して検討すると、自分の納得できる業者と出会える確率も上がるでしょう。
話題のAIマンション査定とは
近年話題となっているAIは、マンション査定にも活用され始めています。
マンションのAI査定では、過去のマンションの成約価格を元データとして学習しています。立地や築年数、景気、地価の動向までを含めて、パターンを推測し価格を算出しているのです。
人間には不可能な膨大なデータを収集、学習し答えを導き出すAIはすぐに査定結果が出るがメリットです。
ただし、マンションの査定では、いくつかの問題も抱えています。
レインズが使えない
その1つは、査定精度が低いということです。AI診断の査定精度が低いのはレインズが使えないことが原因のひとつと言われています。
レインズとは国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベースのことです。過去の取引事例や、現在の売り出し物件の情報が登録されています。
レインズは不動産会社しか見ることができないため、AI査定にデータを利用することも禁じられています。
AI診断で利用できるデータは、誰もが見ることのできるネット上の情報と、不動産会社のAI診断の場合には、自社の売却データを合わせたものということになります。
しかし、ネット上に出ている売り出し物件の半数以上は、売れずに売り止めされているのが現状です。
売り出し価格と、売買が成立した成約価格には差があります。AI査定で算出される査定額は実際に成約する可能性の高い金額と離れている可能性があることを理解しておきましょう。
一方、不動産会社の成約データは精度は高いものの、件数が少ないのが問題です。不動産業界では、せっかくのAI査定の能力が不動産業界では十分に生かせていないのが現実でしょう。
一括査定を依頼して、反応のあった会社に訪問依頼するという流れが、現状おすすめできる方法です。
マンション査定まとめ
マンション査定の成功のカギは、不動産会社とその担当者にかかっています。
どうしても高い査定額を出す業者に売却を依頼したくなるものですが、目先の価格にまどわされずに、しっかりと誠実に対応してくれる業者かどうかを見極めるようにしましょう。
また、査定額が適正かどうかを知るためには、自分自身で相場価格を調べておく必要があります。一括査定を活用し各社に査定額とその根拠を聞いていけば決して不可能ではありません。
一括査定で相見積もりをすることで、営業担当者が提示する額が妥当かどうかを判断できるようになります。
売出し価格を決めるのは、最終的に自分自身だということを意識しておく必要があるでしょう。