アパート建て替えの費用とタイミングはどのぐらい?メリット・デメリットもまとめて解説

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アパートなどの建物は時間が経つにつれてどんどん劣化し、修繕しきれない部分が建て替えを行う必要があります。

今回はアパートの建て替えの詳しい流れや建て替える目安、費用についてご紹介します。

建て替えについての知識がまったくない方は、ここを参考に建て替えについて検討してみてください。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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アパート建て替えのメリット

アパートの建て替えは高額な費用がかかるため、老朽化が進んでいてもあまり気は進まないかと思います。

しかし建て替えにはメリットがありますので、メリットを知ることで建て替えを前向きに検討できるでしょう。

ここでは建て替えによって得られる3つのメリットをご紹介します。

修繕費や入居者募集にかかる費用が減る

 

アパートを建て替えることで老朽化に伴う修繕の必要がなくなります。

各部屋や建物の外観の修繕をしなくても済みますので、修繕にかかる費用がゼロになるという大きなメリットを得られるでしょう。

建て替え後は新築のアパートとなりますので、多くの入居者が集まります。

新築物件は特に人気が高いため、長く入居者募集せずとも早い段階で部屋が埋まる可能性が高くなります。

募集時にかかる費用が建て替え前よりグッと減るでしょう。

満室になりやすいため収益が上がる

 

建て替え後は新築物件となるため、満室になりやすくなります。

満室になれば全部屋からの家賃収入が得られますので、収益が高くなるという大きなメリットを得られます。

建て替えをせず、老朽化が進んだ物件は空室率が高いため思うように収益を得られないというデメリットがあります。

建て替えをすることでデメリットが解消されますので、利益をしっかり上げたいという方にも最適です。

不動産所得にかかる所得税が安くなる

 

アパートは建築してから減価償却費というものが計上されます。

減価償却費とはアパートの利益を小さく見せることで、不動産所得にかかる所得税を安くするものです。

節税対策に大きく貢献してくれるでしょう。

しかしこの減価償却費はアパートを建築してからずっと計上できるものではありません。

建物の耐用年数分しか計上されませんので、耐用年数を過ぎると計上できなくなって所得税も高くなってしまうのです。

黄 威翔/宅地建物取引士黄 威翔/宅地建物取引士

耐用年数は構造によって異なります。木造アパートであれば22年、鉄筋コンクリート造であれば47年となります。
自身が所有するアパートの構造を確認し、耐用年数が過ぎたら早めに建て替えを検討することで長く減価償却費を計上できます。

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アパート建て替えで発生するデメリット

アパート建て替えで発生するデメリット

アパートの建て替えには大きなメリットがありますが、その反対にデメリットも発生します。

ここでは建て替え時に発生するデメリットについてご紹介しましょう。

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高額の建て替え費用が発生する

アパートの建て替えにおける最大のデメリットは高額の建て替え費用が発生することでしょう。

アパートの構造や大きさによってその費用は大きく左右しますが、先ほど説明した通り、相場は7500~8500万円です。

一括払いが難しい金額なので、30年ほどのローンを組んで返済していくことが望ましいでしょう。

工期がとても長くなる

アパートの建て替えはリフォームに比べると工期がとても長くなります。

リフォームの場合は最短でその日のうちに終わることもありますが、建て替えの場合は4~5か月かかることが多いです。

そのためその期間は家賃収入を得ることができません。

アパートの多くは2階建てとなっており、2階建てのアパートの場合は4~5か月となります。

階層が1つ増えるたびに工期はさらに長くなりますので、3階建てのアパートを建てるのであれば早めに建て替え計画を進めておくと良いでしょう。

住人に立ち退きの交渉をしなければならない

建て替えをするときには現在アパートに住んでいる住人に立ち退き交渉を行わなければなりません。

立ち退いてもらわないと建物を壊すことができませんので、建て替えを決めたら早めに交渉を始めましょう。

立ち退き交渉でまずやるべきことは立ち退きの時期や理由、立ち退き料などについて記載した私書を住人に送付することです。

送付した内容で住人が納得できるのであればスムーズに進みますが、住人が納得しない場合は交渉をしなければなりません。

交渉をしても話がまとまらない場合は裁判所にて解決をする必要があります。

そうなると時間も手間もかかりますので、交渉が難航しそうだと思ったら弁護士に相談することがおすすめです。

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アパートの建て替えの流れ

アパートの建て替えの流れについて

アパートを建て替えると決めても、今後どんな流れで進んでいけばいいのかわかりませんよね。

ここではアパート建て替えの流れを順に追って説明していきます。

建て替えの計画

アパートの建て替えを決めたら、まずは建て替え計画を考えましょう。

建て替え計画を進めるには今あるアパートを取り壊す必要があるため、建築業者への依頼が必要です。

知り合いの建築業者に依頼しても良いですし、知り合いがいなければ評判の良い業者に依頼します。

業者に依頼すると取り壊し日の打ちあわせがありますので、取り壊し日が決まったらその前までに住人の立ち退きを完了させておかなければなりません。

立ち退き着手~完了まで

アパートの建て替えは現在の建物を取り壊すことになるため、その時までに住人に立ち退きをしてもらう必要があります。

快く住人が立ち退きに応じてくれればいいのですが、人によっては立ち退き要求を拒むこともあるでしょう。

立ち退き要求を拒むようであれば立退料を支払わなければなりません。

立ち退き料は引っ越し代ほどを支払うことが一般的となっています。

大体50~60万円ほどが相場です。

この費用はオーナーと住人が話し合うことで決まりますので、どちらも納得のいく金額になるまできちんと話しましょう。

立ち退き料を支払ったとしても急な引っ越しは難しいので、取り壊し日が決まったらいち早く立ち退きに着手することが大切です。

 

アパートの取り壊し

住人全員の立ち退きが完了したら、取り壊し日にアパートを取り壊してもらいます。

取り壊した場所は更地となるため、そこに新しいアパートを建築することとなります。

新しいアパートの建築は取り壊しを行った業者に依頼しても良いですが、また別の業者に依頼しても構いません。

 

アパート建築の打ちあわせ~着工完了まで

 

アパートを取り壊した場所に再度新しい建物を建てるための打ち合わせも早めに行っておきましょう。

建築が遅れれば遅れるほど収入を得る時期も遠くなるため、早い段階から建築を開始してもらうことがおすすめです。

アパートの取り壊しと並行して打ち合わせを進めていくと良いです。

黄 威翔/宅地建物取引士黄 威翔/宅地建物取引士

建て替えプランが決まったら後は業者にお任せするのみです。
早くから入居者を募りたいのであれば、不動産に相談して募集をかけてもらいましょう。

アパートの建て替え費用はどれくらい?

アパートの建て替え費用はどれくらい?

アパートの建て替えには当然費用が発生します。

既存の建物の取り壊し費用から新しいアパートの建築費用まで、トータルでどれくらいの費用がかかるのかをご紹介します。

アパート建て替え費用の相場

 

アパートの建て替え費用はアパートの取り壊し費用・新しいアパートの建設費用・建設費以外の設備費用がかかります。

取り壊し費用はアパートの建築素材によって異なります。

木造アパートであれば1坪当たり4~5万円、鉄筋コンクリートであれば1坪当たり7~8万円の費用がかかります。

次に新しいアパートの建築費用ですが、こちらも坪単価によって総額が変わります。

木造アパートを建設する場合は1坪当たり55.8万円、鉄筋コンクリートであれば1坪当たり74.8万円が相場です。

最後に建設費以外の設備費用ですが、これは建物の外側、つまり塀やフェンス、駐車場の工事費用などを指します。

その他に電気やガス、暖房などの設備費用も含まれています。

アパートの広さや建築に使用する素材、設備費用などによって建て替え費用は大きく異なりますが、7500~8500万円がアパート建て替え費用の相場となります。

建て替え費用は施工条件によっても異なる

 

アパートの建て替え費用はアパート周辺の土地状況によっても大きく変わります。

アパート周辺に何もなく、重機が入りやすい環境であれば施工費用は安く済みます。

しかし、アパートが狭い道にあったり、曲がり角の多い入りこんだ場所にあったりする場合は施工費用が高くなります。

狭い場所となると重機がアパートにまで辿り着きにくいですし、工事中のガードマンを複数人周辺に配置する必要があるからです。

アパートを建て替える目安について

漠然とアパートを建て替えたいとは思っても、そもそもどのくらいが建て替えの目安なのかわからないという方も多いです。

ここではアパート建て替えの目安についてご紹介します。

築年数30年以上の物件

 

築30年を経過している建物は老朽化していることが多くなっています。

老朽化が進めば多くの場所で破損などが出てくるため、頻繁に修繕しなければなりません。

何度も修繕をすると修繕費が高くなってしまうため、トータルで高額な費用を用意しなければならなくなる恐れもあります。

また老朽化が進んでいる物件は空室率も高くなります。

空室を埋めるため部屋の内装をリフォームしたとしても、建物の外観が古ければあまり人も集まらないでしょう。

空室が埋まらないと収益を上げることができませんので、人を集めるためにも建て替えをして外観も内装もきれいにしておくことがおすすめです。

空室率が80%以上の物件

 

前述したように老朽化が進んでいる物件は空室率も高くなります。

新しく入ってくる入居者はほとんどおらず、他の住宅に転居していく人も多いです。

アパートの空室率が80%以上になったら建て替えの良いタイミングです。

空室率が高ければ高いほど入居している人が少ないため、立ち退き要求の際に発生する立退料の支払い額が少なく済みます。

また入居者が少なければ立ち退きの面倒な交渉を減らすこともできますので、精神的にも楽になります。

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まとめ

アパートの建て替えは高額な費用が発生するものの、新しい物件になることで入居者が増えたり節税対策ができたりとメリットが多いことも確かです。

築年数が新しい物件であればリフォームがおすすめですが、30年以上経過している物件であれば老朽化のことを考えて思い切って建て替えをして、多くの入居者が集まるアパートを手に入れましょう。