事業用定期借地権で土地活用するには?メリットやデメリットをご紹介

親から相続した土地を所有しているけれど、利用していないので誰か活用してくれる人に貸したい、と考えている方におすすめの土地活用法が「借地事業」です。

そして、その借地事業のひとつとして「事業用定期借地権」で契約を交わして土地を貸し出すという方法があります。

今回は事業用定期借地権とはどのような仕組みなのかてメリットやデメリットなどを詳しくご紹介していきます。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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事業用定期借地権は4つの定期借地権のひとつ

借地権は土地を借りる権利のことで、大きく「普通借地権」と「定期借地権」に分けられます。

さらに定期借地権は下記の4つにわけられます。

  • 一般定期借地権
  • 建物譲渡特約付借地権
  • 事業用定期借地権
  • 一時使用目的
  • 事業用定期借地権とは、定期借地権のうちのひとつなのです。

    定期借地権とは

    定期借地権は、簡単にいうと「決められた期間のみ土地を借りられる権利」です。

    契約の更新は自動では行わず、契約期間が終了したら土地を更地にして返還する必要があります。

    一方、普通借地権は通常の賃貸マンションの契約を思い浮かべて頂くと分かりやすいです。契約期限は決められていますが、更新することで契約を延長することができます。

    黄 威翔/宅地建物取引士
    黄 威翔/宅地建物取引士

    土地を別の目的で活用する可能性がある場合などは、定められた契約期限で必ず土地が戻ってくる定期借地権での契約が望ましいと言えますね。

    事業用定期借地権の契約の特徴

    事業用定期借地権とは、事業用にのみ土地の利用ができる借地権のこと。

    個人事業か法人かは問いませんが、主に大型店舗やホテル、コンビニエンスストア、工場用の土地に関する賃貸借で用いられるケースが多いです。

    契約の期限は10年から50年までと限られており、更新はなく契約終了後には土地が返還される仕組みになっています。

    事業用定期借地権の特約について

    事業用定期借地権で契約期間が10年以上30年未満の場合、「建物再建築による存続期間の延長」「契約終了時の建物買取請求権」を避けるためには、特約として契約書に定める必要があります。

    一方、契約期間が30年以上50年未満の場合は、特約を盛り込むかどうかは任意とされています。

    事業用定期借地権は更新可能

    事業用定期借地権で契約した場合、基本的には契約更新は出来ず更地にして返す必要があります。

    しかし、以下の場合に限り延長することができるのです。

  • 当初の契約期間30年以上50年未満であること
  • 双方の合意がある
  • 公正証書による手続きをすること
  • しかし、契約当初に30年間の契約を結んだ場合、契約書で「延長がないこと」と定められるため、延長ができなくなります。

    また、延長せずに契約終了する場合でも、借主は貸主に対して建物買取請求権を行使して、建物の買取を請求できます。

    事業用定期借地権として活用しやすい土地とは?

    事業用定期借地権として活用しやすい土地とは?

    事業用に貸し出すことが主目的なので、住居に向かない土地が、事業用定期借地権を利用しやすい土地といえます。

    どのような土地が該当するのか、詳しくご紹介していきます。

    交通量が多い道路に面している

    商業地など、交通量の多い道路に面している土地は居住としては不向きで、住宅での利用はしにくいですよね。

    逆に交通量が多い道路沿いはコンビニやファーストフード店などに適しています。

    このような土地は事業用定期借地権を利用しての土地活用が向いているといえます。

    長期間活用の予定がない

    事業用定期借地権はある程度の長期間、事業者に利用してもらう契約です。

    契約の期間は10~50年であり、貸し出した貸主からは中途解約はできません。

    一定の契約期間活用する予定のない土地ならば、事業用定期借地権を設定して貸すことを検討してはいかがでしょうか。

    ある程度の広さがある

    事業用のため、利用はコンビニエンスストアやドラッグストア、商業施設などが一般的です。

    そのため、駐車場の確保などを考えると、ある程度広い土地である方が望ましいです。

    大型のショッピングセンターなどの規模になると数千坪という広大な土地が必要になることも。

    100坪以下の土地は事業用定期借地権での活用は難しいと言えるでしょう。

    事業用定期借地権で土地活用するメリット

    事業用定期借地権で土地活用するメリット

    大きな道路に面した広い土地は住居用には不向きですが、店舗などには最適。

    しかし、知識や経験がないと、ご自身でお店を構えるのには高いハードルがありますね。

    そのような場合に検討したいのが事業用定期借地権で契約をして事業者に土地を利用してもらうこと。

    実際にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

    決まった期間で土地を活用できる

    事業用定期借地権は、契約期間期間は10~50年と決められており、基本的に更新はできません。

    契約期間中、安定した収入を得る事できるのは大きなメリットです。

    また、期間が決められていることによって、契約終了後の活用に関する計画が立てやすい点もメリットといえますね。

    低リスクで賃料収入を得られる

    土地を自ら事業用で使用すると、事業の失敗などのリスクを負うことになります。

    しかし、事業者に貸す場合は初期費用がかからず土地活用ができるのです。

    また、事業者用に貸し出す場合、住居用よりも地代を高めに設定が可能なのも大きなメリット。

    黄 威翔/宅地建物取引士
    黄 威翔/宅地建物取引士

    特に広い土地や大きな道路沿いであれば もとの土地価格が高いことが多いため、事業用で貸し出すことで安定的な収入に繋がります。

    節税できる

    事業用定期借地権を利用している場合は、契約の残存期間によって、相続税や固定資産税額の算出根拠となる評価額が減額されるため、相続税を節約することができます。

    その減少率は下記の通りです。

    契約の残りの期間 評価額の減少率
    15年を超える期間 20%
    10年を超えた15年以下 15%
    5年を超えた10年以下 10%
    5年以下 5%

    契約の残りの期間が長いほど評価額は下がるので、節税に繋がりますね。

    事業用定期借地権で土地活用するデメリット

    続いては事業用定期借地権のデメリットをご紹介します。

    メリットだけを見ていると、とても事業用定期借地権での土地活用は魅力的にみえますが、もちろんデメリットもあります。

    きちんとメリットとデメリットの両方を理解しておくことで、失敗しないかしこい土地活用に繋がります。

    利用の目的が事業用と限られてしまう

    事業用定期借地権は事業用にのみ活用できる方法です。

    貸し出す相手が事業者に限られてしまう点はデメリットといえます。

    すぐに活用してくれそうな事業者が見つかれば良いのですが、そうでない場合は利用者が見つかりにくく、なかなか貸し出しができないという場合も。

    そのため、事業用定期借地権としての活用とあわせて、売却も検討するとよいかもしれません。

    公正証書での契約が必要

    事業用定期借地権で土地の貸し借りを契約する際には、公正証書が必要となります。

    公正証書とは、公証人法に基づき、法務大臣から任命された公証人が作成する公文書のこと。

    証明力と執行力があり、法的に効力のある文書になります。

    一般定期借地権など事業用定期借地権以外の契約には必ずしも公正証書が必要とは定められていません。

    しかし事業用定期借地権の場合は公正証書での契約が必要なため、契約書の作成に専門家に依頼する必要があり、時間・費用などがかかってしまいます。

    契約の期間が決められてしまう

    基本的には契約の更新がない事業用定期借地権での契約では、期間終了後、土地は更地で返還されることとなっています。

    期間終了後の土地活用が決まっている場合にはメリットでもあるのですが、そうでない場合にはデメリットになってしまいますね。

    また、特約がない限り中途解約をすることができませんので、契約の期間を決める際には充分に検討する必要があると言えます。

    固定資産税の減税はない

    土地を所有していると「固定資産税」や「都市計画税」がかかります。

    建物がない土地だけの状態よりも住宅などが建っている方が固定資産税が優遇されるのですが、事業用定期借地の場合には減税はありません。

    特に住宅が建っていた土地で建物を解体して、事業用低地借地権に転換する場合などには気を付けましょう。

    主な土地活用の事例

    主な土地活用の事例

    それでは、どのように事業用定期借地権で土地活用されているのかいくつか事例をご紹介します。

    活用例を知る事で具体的な土地活用のイメージがふくらみます。

    ぜひ活用を検討されているかたは参考にされてみてください。

    コンビニの事例

    事業用定期借地権の活用として多いのがコンビニです。

    大手コンビニエンスストアでは、出店において、下記のようなガイドラインを定めています。

    立地:住宅地路面郊外ロードサイド
    契約期間:15年以上
    敷地面積:120(商圏人口・交通量などで立地・坪数を判断)
    敷地間口:20m以上
    第一種低層住宅専用地域、工業用専用地域以外である事

    参考:出店ガイドライン|ローソン

    パチンコ店の事例

    比較的広い敷地に店舗を有していることの多い大手パチンコ店では、下記のような条件を定めています。

    敷地面積:2,000坪以上
    契約期間:20年
    立地:道路付けは2面以上が望ましい。
    幹線道路沿い(国道、バイパス、県道)が望ましいが、信号を1本中に入った土地でも検討可
    用途地域:準工業、工業、商業、近隣商業、無指定
    保全対象施設:学校、病院、幼稚園、保育園、児童遊園、その他福祉施設(老人ホーム等)などから100m以上離れている事

    参考:出店に関する募集について|株式会社ダイナム

    近隣地と一体で事業用定期借地権の契約も

    事業者向けに良い土地を持っていたとしても、充分な広さではなかった場合、隣接地と一体化した土地活用も可能です。

    隣接地の所有者が異なる場合には、それぞれが土地を利用する事業者と契約する方法と、土地の所有者同士が借地契約を結んで土地を一体化させたうえで、事業者と契約を結ぶ方法が考えられます。

    このような手段を駆使すれば、土地活用の幅も広がりますよね。

    土地の活用を検討するならばプロに相談を

    土地の活用を検討するならばプロに相談を

    土地を持っているだけでも固定視線税がかかります。

    土地をお持ちの方で、土地の活用を検討する方は少なくないでしょう。

    しかし、賃貸借契約の結び方や借り手を探すことは、わからないことが多いですよね。

    土地活用は大きなお金が絡むことですので、失敗はしたくないもの。

    もし土地活用を検討しているのであれば、まずは、土地活用のプロに相談してみるのがおすすめです。

    相場や周辺状況などを分析して、最適な利用者へと貸し出すお手伝いをしてくれることでしょう。

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    まとめ

    事業用定期借地権での契約は、あらかじめ期間を定める事ができる土地活用法です。

    今後の土地の活用方法などにあわせた土地活用プランが計画できるので、事前にしっかりと計画を立てたいもの。

    また、土地活用には税金や法律も多く関わってきますので、分からないことはプロである不動産会社へ早めに相談すると良いでしょう。