空き家解体の基礎知識!解体費用を抑えるコツや活用方法を解説

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空き家の処分に困っていて、解体すべきかどうかを迷っている方も多いと思います。

しかし、空き家を管理せずに放置していると、さまざまなアクシデントに見舞われる恐れがあるので解体してしまった方が良いケースも存在するのです。

この記事では、空き家を解体する基準や解体費用を抑えるコツを解説します。また、解体せずに放置することで起こりえるトラブルについても解説しますので、空き家の処分に頭を悩ませている方は必見です。

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空き家を解体する基準は?

空き家を解体すべきか、そのままにしておくべきかで悩んでいる方もいらっしゃると思います。

どのような空き家は解体したほうがよいのか、判断する基準をお伝えします。

老朽化が激しくそのままでは売れない

空き家の売却を検討しているものの、経年劣化による損傷が激しくて売却できない場合は解体がおすすめです。

相続するにあたって空き家を売却して現金化してから分割したいと考えていても売却できなければ相続の計画が狂ってしまいます。

空き家のままでは売却できなくても、解体して更地にしてしまえば買い手が付く可能性は高くなるのでおすすめです。

周囲に危険をおよぼす可能性がある空き家

空き家が老朽化していて、解体しなければ周囲の人々や建物、道路などに危険が及ぶ恐れがある場合は解体をおすすめします。

特に屋根や外壁が崩れかけていて周辺の物件を破損させる恐れがある場合は、一刻も早く解体してください。

リフォームしても活用が難しい

リフォームをしてもや貸し出しが難しい空き家は解体をおすすめします。郊外に建っていると、お金をかけてリフォームしても不動産需要が見込めません。

また、床や天井が激しく劣化している空き家だとリフォーム事態が難しいというケースもあるのです。

空き家の解体工事の費用相場

空き家解体工事の相場を構造別に紹介します。ただし、空き家の解体費用は面積や構造、立地などの条件によって大きく変動します。

木造より鉄筋コンクリート造のほうが解体費用は高くなりますし、奥まった土地に建っている空き家だと作業車が入り込めないので工事費用は高騰するからです。あくまで参考価格と考えてください。

木造の空き家

木造の空き家解体工事の場合、1坪あたりの単価は2~4万円程度で、廃棄物処理費用は別途かかります。

鉄骨造の空き家

1坪あたりの単価は3~6万円程度で、廃棄物処理費用が別途かかります。

鉄筋コンクリートの空き家

鉄筋コンクリート(RC)造の解体工事の場合1坪あたりの単価は、4万5,000円~8万円程度で、は別途かかります。

空き家の解体費用を抑えるポイント

空き家の解体には多額の費用がかかります。

少しでも費用を抑えるために、抑えておくべきポイントを紹介します。。

複数の業者に見積もりを依頼する

解体工事の見積もりは1社だけでなく、複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。

複数社の見積もり価格を比較することで、相場を掴めますし、見積もり項目を比較して不要な項目を省いていけば解体費用を抑えられます。

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自分で空き家の残置物処分をする

空き家内の残置物を自ら処理すれば、解体費用を大幅に抑えられます。

運搬用車両のレンタカー代や持ち込み処分費だけで済むので、数十万円の費用節約が期待できます。

注意点としては自治体ごとに処分方法は異なることと、アスベストなどの危険物質が残置物に含まれている場合には、専門業者に依頼する必要があるということです。

建物滅失登記を自分で行う

空き家を解体した場合、法務局で建物の滅失登記をする必要があります。

専門家である土地家屋調査士に依頼する場合、木造2階建て住宅と物置であれば3~8万円程度の費用がかかるのですが、自分で建物滅失登記をすれば費用を大幅に抑えられます。

登記事項証明書の発行や交通費などがかかるので1000~3000円で済むのですが、登記完了までにかなりの時間がかかってしまうのが難点です。

法務局が開いている平日の日中に仕事がある方は、土地家屋調査士に依頼したほうがよいでしょう。

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解体工事費用が高くなる時期を避ける

空き家の解体費用を抑えるためには、工事費用が高くなる時期を避けることも一つの方法です。

一般的に建築業界の繁忙期は、解体工事費用も高くなる傾向があります。

特に、9月末や12月~3月末頃は、解体業者が忙しくなるので、工事費用が高くなります。

逆に、繁忙期以外の時期に依頼すれば、ある程度空き家の解体費用を抑えることができるのです。

空き家解体の補助金・助成金を利用する

空き家の解体費用の一部が支給される補助金が複数用意されているので、積極的に活用しましょう。

ただし、要件を満たしていても抽選落ちや審査落ちの可能性があることや、補助金が振り込まれるのは解体工事終了後である点には注意が必要です。

空き家を解体するメリット

空き家を解体することで、さまざまな恩恵を受けられますし、トラブルを未然に防げます。

空き家を解体するとどのようなメリットがあるのか、具体的に挙げていきます。

近隣トラブルを防げる

劣化が進んだ空き家は周辺住民にとって、景観の悪化や治安の悪化をもたらす可能性があります。

万が一倒壊して近隣の家を破損させたり放火されて周辺へ延焼してしまえば大きなトラブルへと発展するかもしれません。

空き家を解体することでそうしたトラブルを未然に防げます。

手入れの手間・費用を節約できる

空き家を解体すればメンテナンスにかかる費用や手間がかからなくなります。

空き家は所有している限り定期的に通風や通水をしなければ劣化が進んでしまいますし、外壁や屋根に破損があると倒壊の危険性が高まるので補修をする必要があります。

補修には費用がかかりますし、空き家が自宅の近くにない場合は通水・通風のために現地へ赴く交通費がかかるので、解体してしまえばそうした手間や出費を節約できるのです。

建物の固定資産税がかからなくなる

空き家を解体すれば、毎年建物にかかる固定資産税を支払わずに済むようになります。

ただし、建物の滅失登記に費用がかかることや、土地の固定資産税は変わらずにかかることには注意が必要です。

また、解体して更地にすると固定資産税の軽減措置から外れてしまうので、税額負担が大きくなってしまうというデメリットもあります。

空き家を解体するデメリット

続いて、空き家を解体するデメリットについてもお伝えします。

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空き家解体費用が高額になる可能性がある

空き家の解体工事は面積・構造によって異なるものの、費用が高額になることも多いです。

特に廃棄物が多い空き家だと、数百万円の解体費用がかかることもありますが、空き家を解体しないデメリットは非常に大きいので、放置しておくことはおすすめしません。

工事に関するクレームを受ける可能性がある

空き家解体工事の際には、家屋を粉砕する音車両の音などがクレームの原因となる恐れがあります。

事前に周辺住民や関係者とのコミュニケーションを密にとり、工事の内容や期間、騒音・振動の発生などを丁寧に説明することが重要です。

空き家を解体せず放置するデメリット

空き家の解体にはある程度の費用がかかりますが、放置しているとさまざまなデメリットがあるのです。

解体せずに空き家を放置していることで起こりえるアクシデントをいくつか紹介します。

倒壊すると近隣に迷惑が掛かる

築年数が古い空き家の場合、放置していると徐々に劣化が進んでいきます。

そして万が一倒壊して隣の家を破損させてしまうと迷惑がかかるのはもちろん、補修費用を請求される可能性もあります。最悪の事態に陥る前に手を打ちましょう。

害虫や鳥獣の被害に遭いやすくなる

空き家を解体せずに放置していると、シロアリなどの害虫が発生したり、鳥獣に荒らされたりと、さまざまな被害が発生する可能性があります。

特に木造住宅の場合、柱などの構造部分をシロアリに食い荒らされてしまうと、最悪の場合倒壊に至る恐れがあるのです。

犯罪の温床になる

放置されている空き家は、不法侵入や空き巣などの犯罪の対象になる可能性があります。

最も怖いのは放火被害で、延焼して近隣の家を焼失させてしまうと多額の賠償請求へとつながる恐れがあるのです。

固定資産税額が大幅に上がる

住宅用地に対しては固定資産税の軽減措置が適用されており、通常の住宅用地であれば課税標準の3分の1に、200平方メートル以下の部分については6分の1に減額されます。

ただし、空き家を管理をせずに放置して行政から「特定空き家」として指定されてしまうと、固定資産税の軽減措置の対象外となり、大幅に税負担が増えてしまいます。

空き家を解体して売却するか、解体しないなら適正な管理を行うかを選択することをおすすめします。

なお、特定空き家に指定されてしまったとしても、すぐに固定資産税の増加にはつながりません。

固定資産税および都市計画税)は毎年1月1日を基準日としているため、年内に管理状況を改善して特定空家の指定が解除されれば、元通り軽減税率を受けられるようになります。

空き家解体業者の選び方

空き家の解体において、業者選びは非常に重要です。

いい加減な業者に解体をまかせてしまうと、費用が高額になったり、周辺からのクレームや賠償請求につながったりする恐れがあります。

どのように空き家解体業者を選べばよいのか、選ぶ際のチェックポイントを解説します。

解体業の許可や保険に加入しているか確認する

まずは、解体業者が解体工事業の許可を得ているかや施工中の賠償保険に加入しているかを確認しましょう。

必要な許可を取っていれば信頼性をを確認できますし、技術力があることもわかります。

また、万が一解体工事中の事故で周辺の家や人を傷つけてしまった場合、保険に加入していれば安心です。

事前に解体業者の保険の加入状況を確認しておきましょう。

複数の見積を取得し比較する

解体工事の見積もりを取得する際には1社だけでなく、複数社へ依頼して比較することが重要です。

1社の見積もりでは金額が高いのか安いのか判断できません。

金額はもちろん、工期や施工方法をじっくり比べて最良の業者を選んでください。

空き家を解体せず活用する方法

空き家の解体費用は、建物の構造や面積の他、土地の形状によって大きく異なります。

作業車が入り込めない立地だと解体費用が高額になるので、解体せずに空き家を活用するのも1つの手段です。

空き家の活用アイデアをお届けしますので、参考にしていただけたら幸いです。

そのまま売却できるケースも

多額の解体費用がかかるために空き家の解体に二の足を踏んでいるのであれば、そのまま売却することも検討してみてはいかがでしょうか。

立地に魅力があれば買い手がつく可能性がありますし、不動産会社が買取ってくれる可能性もあります。

空き家をリノベーションして自ら使う

空き家の床や天井、水回りなど、老朽化している内装や設備をリノベーションして、自ら使用するという選択肢もあります。

水回りなどは業者でなければ難しいですが、内装は自らDIYすればで施工費を安く抑えられます。

事前に近所の工務店などでリノベーションにかかる金額を算出してもらいましょう。

宿泊施設にする

リノベーションして、ゲストハウスなどの宿泊施設に改装するのも、有効場空き家の活用方法です。

観光客からの需要が高い立地であれば、費用をかけてリフォームしても、十分な収益を得られる可能性は十分にあります。

ただし、住宅を古民家にするには消防設備などの設置や、行政からの許可が必要になるので事前に必要事項を調べておきましょう。

シェアハウスに改装する

空き家をシェアハウスに転用して賃貸すれば、お荷物だった空き家が収益を生みだす資産へと変わります。

宿泊施設よりも必要な設備が少ないので、ローコストで始められるのも魅力です。

貸し倉庫や資材置場にする

空き家を工務店などに資材置き場や倉庫の名目で貸すことで、空き家を有効利用できます。

残置物の撤去や最低限の補修だけで転用できるので、自己資金が少ない方でも始められます。

空き家の解体工事に使える補助金・助成金制度

空き家の解体工事には、自治体が提供する補助金・助成金制度を活用できるケースがあります。

自治体によって対象物件や支給条件が異なるのですが、上手に活用すれば解体費用の負担を大幅に抑えられます。

空き家の解体工事に使える代表的な補助金・助成金制度を紹介しますので、解体工事の発注前に利用できるか確認してみましょう。

空き家解体に利用できる国の補助金事業

国が推進している空き家対策事業を2つ紹介します。

国から直接補助金を個人に給付するのではなく、各自治体を通して支払うという流れになります。

空き家再生等推進事業

空き家を改修・活用して、地域活性化へとつなげたり、空き家を解体して、防災性や防犯性を向上させることを目的とする空き家対策事業です。

空き家の解体費用や、空き家取得費が補助の対象で、地方自治体が空き家の解体や活用のたねに補助金を出す際に、その2分の1を国が助成するという仕組みになっています。

空き家対策総合支援事業

空き家を活用するための補助金で、空き家の除却(解体)についても補助の対象となります。

空き家解体および解体後の土地整備の費用の最大1/2が補助されますが、解体後の土地を10年以上公共性のある用途で使用する場合に限り補助の対象となる点はご注意ください。

自治体によって補助金制度は異なる

日本の各自治体は、空き家対策のためにさまざまな補助金制度を用意しています。

事前に自治体のHPを参照して、どのような補助金があるか調べておきましょう。

なお、空き家解体の補助金や助成金の条件と申請方法については以下の記事もご参照ください。

空き家の解体の手順

空き家の解体作業は専門的な技術や設備が必要なので、専門業者に任せることになりますが、依頼して終わりというわけにはいきません。

解体工事を行う前には、地元自治体の条例や法令を確認し、いくつもの手続きを経る必要があります。

ここでは、空き家の解体工事に必要な手順や注意点についてくわしく解説します。

空き家の法的な所有者・相続人を調べる

一見なんの価値もなさそうな空き家といえど、資産には違いありません。

本当に自らの一存で空き家を解体してよいのかを事前に調べておかなければ、後々のトラブルに発展する可能性があります。

法務局で登記簿を調べて、自分以外に空き家の所有者がいないかを必ず調べておきましょう。

もしも他に所有者がいる場合は解体しても良いという同意を得る必要がありますし、既に亡くなっている場合は相続人を調べて同意を得なければなりません。

工事の見積もりを取得する

解体工事にどの程度の費用がかかるのか、業者から見積もりを取得します。

机上査定であれば面積や構造などで大体の金額を教えてくれますが、廃棄物の量や実際の立地などによって大きく解体費は変動します。

解体業者の現地調査を経て、正式な見積もりが提出されます。

書類を準備する

解体工事の申請時には複数の書類提出を求められます。例えば、以下の書類です。

  • 工程表
    空き家解体工事について、どの作業をどれくらいの期間が一目で分かるようになっているスケジュール表です。解体業者が作成して提出してくれます。
  • 分別解体等の計画等
    解体工事の作業内容や解体対象である空き家の詳細情報を記載する書類です。物件の構造(木造・鉄筋コンクリートなど)や解体の方法、アスファルト使用の有無など、をくわしく書いてください。

補助金を申請する ※利用する場合

空き家の解体で補助金を申請するのであれば、工事を始める前の申請が必要です。

工事の計画書や工程表、見積もりなどの必要書類を揃えて補助金申請をして、給付決定通知が交付されてはじめて補助金を受け取る資格を得ます。

ただし、給付決定となっても実際に補助金が振り込まれるのは工事完了後なので、最初は自己資金で解体をする必要があります。

施工準備をする

空き家解体工事を始める前に、各所への連絡や調整をすることで、トラブルやアクシデントを事前に防げます。

施工前にしておくべき事項を、いくつか挙げていきます。

空き家解体の届け出を各所に提出する

空き家を解体する旨を市町村の役場などに届け出ます。

解体作業などで道路を使用する場合は、道路専有許可を警察から受けることになります。

近隣住人へ工事説明と挨拶をする

解体業者と共に、近隣の住人へ空き家解体工事を行う旨を説明して回ることが、トラブルを防ぐために大切です。

解体工事では家屋を破壊する際に騒音が発生しますし、粉塵が舞い散ります。

工事の期間や作業時間、騒音対策などを説明して工事への理解をしてもらうように努めてください。

空き家内の残置物を撤去する

家具や家電、ゴミなどを事前に撤去することで、解体工事の費用を安く抑えられます。

全ての残置物撤去を業者に依頼すると100万円以上の費用がかかることもあるので、出来る限り自分で運び出すことで大幅なコストカットになります。

電気や水道の契約を解除する

電気やガス、水道などインフラの契約が残っている場合は解体する日までに解約しておいてください。

施工中はトラブルに備える

解体業者による工事が始まったら基本的に完了報告を待つだけなのですが、万が一トラブルやクレームが発生した場合は対応できるようにしてください。

完了後に補助金関連の報告をする ※利用する場合

補助金の交付を受ける場合、解体業者から提出された工事完了報告書や施工後の写真を提出します。

自治体などが提出された書類をチェックして問題がなければ補助金が入金されます。

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空き家解体 まとめ

空き家の解体は事前の準備や周辺住民への説明など、思ったよりも手間とお金がかかります。

補助金の申請をすれば最終的な費用負担は減らせるものの、さらに手間がかかることに。

やるべきことを整理して、できるだけ早めに動き出すことを心がけてください。