土地売却には欠かせない確定測量|基本内容と流れを把握しよう

測量は土地を売却するときに必ず行わなければならないプロセスであり、そこには自分の土地と他人の土地との境界を明確にするという重要な目的が含まれています。

自分の土地の面積や境界を把握することは、境界を接する隣人とのトラブルを未然に防ぐことにもつながり、同時に実測した面積によって売却価格を公正に明示できます。

しっかりと測量がなされていない土地には買い手が付かないため、測量は売主にとってのリスク回避につながります。このことから、売却のために売主が費用を負担して実施するのが一般的といえるでしょう。

この記事では、適正な土地取引のための、確定測量に関する基本的な事項や実施の流れ、費用面について解説します。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

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確定測量とは

土地の売買で重要なポイントとなる確定測量について、その特徴や他の測量との違いを紹介します。

確定測量とは

土地の境界を確定する測量

確定測量とは、土地の面積と境界を確定するための測量のことで、国土地理院発行の図面を基に実施されます。

正式な名称を境界確定測量と呼び、土地の所有者だけでなく、境界を接する隣地の所有者や測量士、土地家屋調査士といった資格を持つ人の立会いのもとで行われます。

複数の種類がある測量の中では最も正確で正式なものであり、測量には費用と時間を要します。

有資格者が行う測量

測量は土地家屋調査士や測量士が行います。

土地の売却に関わる測量の場合、仲介を依頼した不動産会社から紹介される土地家屋調査士に任せることがほとんどですが、自分で探した調査士に依頼することもできます。

確定測量が必要な場合

境界杭がない

道路工事等で隣地との境界杭がなくなってしまった場合、境界確定測量が必要になります。

隣地との境界の目印(境界杭)がはっきりしていないと土地売却ができません。

なくなった境界杭に関係する土地所有者全員の立会いと確認が必要ですが、新しい境界杭を設置することで、境界紛争を未然に防ぐことができるでしょう。

土地を分筆する

平成17年3月7日から新不動産登記法およびその関係法令等が施行されたことにより、土地の分筆登記申請をするときに、法務局に提出する地積測量図の取り扱い方法が明確化されました。

これにより、分筆登記をする土地については、全ての境界について、隣接土地所有者との境界確認作業が必要となっています。

登記簿の面積が実際と違う

測量されていない土地の場合、登記簿の面積で契約が進められます。

登記簿の面積と実際の面積が大きく相違する場合は、事前に測量するとよいでしょう。

土地を売買する場合、これまでは公簿面積(登記簿に載っている面積)での売買でも、とくに問題ありませんでした。

最近は地価高騰の影響により、買主側から土地の境界を確定したうえでの実測面積による売買を求められるケースが増えています。

この傾向はとくに都市部の売買で顕著に見られます。

なお、土地の境界を確定するためには、隣接地の所有者と現地で立会い、境界をお互いに確認する作業が必要です。

隣接地との境界が確定すると、それを証明する書類として境界確認書の引渡しを要求されます。

また、隣接土地所有者の協力がないと、境界が決められないという事態になり、売買ができない場合もあります。

確定測量以外の測量

確定測量以外には、現地測量という方法があります。違いについて詳しく解説します。

現地測量とは

現地測量ではその土地で測量機器を用いて地形や地物などの状況を測定し、地形図のもととなるデータを作成します。

ブロック塀・建物・既存境界標等の現地に存在する地物を測り、対象となる土地のおおよその寸法・面積・高さを測定します。

確定測量との違い

境界確定測量と異なり、隣接土地所有者や市町村等との立会いは不要なため、期間も短く、費用も安くすみます。

したがって、自分の土地の大まかな面積を知りたい場合等にはおすすめです。

土地境界についての調査や確認もありません。

算出される土地の面積は「現況面積」と呼ばれ、境界確認後の「確定実測面積」とは寸法や面積が異なりが生じるケースがあります。

現地測量が必要な場合

以下のような場合は、現地測量を用います。

新築するとき その土地に建てられる建物の設計に必要な間口や奥行き、土地の形状や面積などを測量します。
土地の高低差を調べるとき 敷地内に高低差がある土地の現状を把握するための調査を行います。
土地の評価 相続税の計算や土地を販売するときには、その土地の間口や奥行き、形状、面積などを測量して正確な評価を行います。
真北の調査 新しく建物を建てる際に問題となる日照制限(北側斜線制限)などを調査します。太陽観測等のデータから計算で「真の北」を求めます。その情報を元に建物の高さや傾斜などを設計に反映します。
測量図の真偽の確認 土地を購入する際に、売り主から提示された測量図が正しいものかどうかを確認するために「点検測量」と呼ばれる調査を行います。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

測量についての相談先は土地家屋調査士です。

不動産業者でもこの分野はわからないことが多い為、専門に任せます。

目安ですが、現地測量は20~30万円程度、確定測量は70万~100万円かかります。

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確定測量の流れ

ここからは、確定測量の具体的な流れについて解説します。

確定測量の流れ

資料収集と隣接地所有者への説明

測量に必要な書類の用意はもちろんですが、境界確定は隣接地の所有者の協力なくしては成立しません。

事前の根回しやスケジューリングが重要です。

確定測量に必要な書類

最初に、公図や登記簿、地積測量図、その付近で過去行われた境界確定資料、境界トラブルの有無などが調査されます。

この段階で、測量にかかる費用の見積もりも提示されるケースがほとんどでしょう。

まずは、これら書類を法務局や市町村役場で取得し、用意しましょう。

隣接地所有者へ説明

測量する前に、現場作業の趣旨説明を兼ねて近隣へ挨拶を行います。

測量して境界を確定するためには、隣接する土地の所有者による立会が必要不可欠です。

全員の協力なくしては、境界の確定はできません。

対象の土地を現地調査

現地の調査、塀やフェンス等の設置状況を確認し測量を行います。

この間に、測量結果を基にした境界確定の協議のための準備をしましょう。

測量の結果から、現況測量図を作成します。

境界を確定して杭を設置

官民や隣接地の所有者が現地に集まって境界確認を行い、境界確定の承諾書をもらいます。

このときに関係者全員から承諾がもらえないと境界を確定することはできません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

もし全員から承諾が得られない場合は”確定”しません。

ですから、何度も土地家屋調査士が説得したりすることがあります。

地域によっては隣接地以外にも道路を挟んで隣接する土地の所有者からも承諾を得る必要がある場合もあります。

承諾後、隣接地所有者から署名捺印をもらいます。

立会いによって発見された境界点がある場合、追加測量します。

なお、立会者が複数で一度に立会が出来ない場合、日数がかかることもあります。

図面の作成と登記

測量の結果をもとにした図面の作成と登記を行うことで完了です。

書類を作成する

測量や境界の結果をもとに測量図が作成されます。

また、境界確認書(筆界確認書)を作成し、隣接地所有者と各自保管しましょう。

登記する

実際に測量した土地の面積と登記簿の面積が異なっていた場合には、土地地積更正登記を行って登記簿に記載される面積を実測した面積に改める必要があります。

こうして作成された測量図や登記簿謄本は、土地の売買契約を結ぶ際に使われます。

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確定測量の費用

確定測量の費用

ここからは、測量にかかる費用についてみていきましょう。

事例によって異なりますが、条件によっては高額な費用が発生する場合もあります。

100坪未満の平均測量費用

測量や境界の確認および確定は、土地家屋調査士が行います。

普段の生活ではなじみが少ないので、仲介を依頼した不動産会社から紹介されるのが一般的でしょう。

測量費用の平均金額は、35万円から45万円の間となっていますが、官民立ち合いのもとに行われる測量費用の平均金額は、60万円から80万円の間になります。

その場合、市や国の職員が立ち会います。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

官民立会の測量とは、具体的には前面道路が国・県・市道である場合が一般的な事例です。

どこまでが宅地でどこからか道路かを現地にて確認します。

そうではない測量は、こういった道路ではなく、単に隣地とのラインを決めるものです。

高額になる場合もある

裁判所なども間に入って争っているような場合の土地や、複雑な相続絡みの土地の場合、費用は高額になります。

時には弁護士など専門家に依頼して解決を図らなくてはならず、その費用も見積る必要があるでしょう。

相続が絡んだ土地では、登記のなされないまま時間だけが経過し、関係する人物が多かったり、消息がつかめなかったりするので裁判所を利用しなければなりません。

面積が広ければ測量の手間もかかり、必然的に高額になりがちです。

狭小な土地であっても形状が複雑であれば、面積のわりに高額になることがあるでしょう。

土地がうねっていたり、途中に大きな段差があったり、また樹木が手入れされないまま放置されている場合、設置しなければならない境界標の数が多い場合が該当します。

境界に接する土地の所有者が多く、権利に関わる人が多くいる場合、全員の立ち合いスケジュールを調整をするだけでも相当な労力を要するでしょう。

また、共有持分のある土地では共有者全員の承諾が必要なため高額になります。

さらには、過去に境界についてトラブルが起こっていたり、隣地の所有者が立ち合いを拒否したりするケースもあり得ます。

確定測量をしっかり行いトラブルを防ごう

確定測量をしっかり行いトラブルを防ごう

売買の対象となっている土地について、正式な測量を行って地積を割り出しておくことは、売買の成否にとって非常に重要です。

通常、依頼から境界確定までにかかる期間は3~4ヶ月が平均的といわれていますが、隣接する土地の所有者すべてから承諾が得られなければ境界確定は成立しません。

協議が長引き、境界確定に1年以上かかるケースや境界確定が最終的に出来なかったケースもあります。

そうなると、土地の売却どころではなくなり、その後の資金計画にも大きな影響を及ぼすでしょう。

確定測量を行うにあたっては、信頼できる不動産会社から紹介された土地家屋調査士の存在が欠かせません。

段取りや費用についてあらかじめ把握し、余裕をもった計画を立てて対応するようにしましょう。

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