マンション売却前にリフォームをするメリット・デメリット|リフォーム費用を解説

マンションや戸建てといった住宅は、築年数が古くなるにつれて不具合が生じるのが一般的です。

長く住めばそれなりに不具合箇所も生じるため、マンションを売却する前にリフォームする必要があるかもしれません。

マンションの売却前にリフォームすると早く売却できる可能性が高まるといったメリットがあります。

その一方で、リフォーム費用を売り出し価格に上乗せできないといったデメリットもあります。

この記事ではマンションの売却前にリフォームするメリットやデメリットに加えて、リフォームにかかる費用などを紹介していきます。

これから売却予定のマンションのリフォームを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者

黄 威翔/宅地建物取引士

黄 威翔/宅地建物取引士

台湾出身。日本で不動産業と出会い、一年目で宅地建物取引士を取得。 地方の不動産会社に長年勤務し、日本全国の中古不動産の売買仲介を担当。
 日本の方はもちろん、外国の方の対応経験も豊富で様々な視点から日本の不動産市場をご紹介しています。

マンションのリフォームとは

マンションのリフォームとは

戸建てと異なり、マンションにはリフォームできる場所とできない場所があります。

キッチンや浴室といった専有部分はリフォームできますが、梁や外窓といった共用部分のリフォームについては各マンションの管理規約で規制されているケースがほとんどです。

不具合箇所を修復する

リフォームできる場所とできない場所があるマンションの場合、売却前にリフォームするなら不具合のある場所を修復するとよいでしょう。

丁寧な清掃を心がけてどんなに大切に住んだマンションでも、長く住めば様々な場所に不具合が生じます。

たとえば、毎日使用するキッチンや浴室といった水回り、壁紙の張り替えなどがあげられます。

売却前にマンションをリフォームする場合、全ての場所をリフォームするのではなく不具合が生じた場所だけに留めておきましょう。

マンションのリフォーム時期の目安

売却前にマンションのリフォームを検討している場合、タイミングを見計らうことも大切です。

なぜなら、多くのマンションでは10年に一度のタイミングで点検が実施されるからです。

そのため、売却前にマンションのリフォームを検討している場合は築10年、あるいは築20年といったタイミングでリフォームするとよいでしょう。

ただし、畳や障子といった消耗品などは状況によって劣化が早いケースがあります。

このような場合は、10年を待たずにメンテナンスしておいた方がよいでしょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

陽のよくあたるところは日焼けによる変色が起こります。

水廻りやサッシ廻りも湿気や結露により痛みの早いところといえるかと思います。

マンション売却前にリフォームするメリット

 キッチンや浴室といった水回りは毎日使用する場所であるため、他の場所よりも不具合が生じやすいといえます。

マンションの売却前に不具合が生じた場所をリフォームすると、次のようなメリットがあります。

マンション売却前にリフォームするメリット

早く売却できる可能性が高くなる

マンションをリフォームしてから売り出すと、早く売却できる可能性が高まります。

その理由は、同じタイミングで築年数や間取りが似た物件が売り出されていた場合、リフォームすることで差別化が図れるからです。

たとえば、大型マンションで同じ間取りの物件が売り出されるとライバルが多くなるため、買い手が見つかりにくいケースがあります。

また、駅からの距離が近いなどの立地条件がよくても、部屋のイメージが悪いと購入希望者が買う気にならない可能性も考えられます。

しかし、壁紙やフローリングを張り替えて部屋のイメージがよくなれば、購買意欲のアップに繋がりやすくなるといえるでしょう。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

痛んでいる箇所を修繕することにより、そのお部屋で生活するイメージを湧きやすくできます。

リフォームはその訴求効果を高めるという点でもよいかと思います。

値引き交渉のときに有利

土地やマンションといった不動産の売買時には、売買契約前に値引き交渉がつきものです。

そのため、実際に売り出す前には値引き交渉を考慮した価格が設定されます。

しかし、明らかに故障している設備があったり修理が必要な場所があると、値引きを余儀なくされるので注意が必要です。

マンションの売却前にリフォームしておくことで値引き交渉を最低限に留められ、希望額での売却に繋がります。

瑕疵(かし)担保責任の心配が少なくなる

マンションの売却前に不具合が生じた場所を修繕していないと、瑕疵(かし)担保責任に問われる可能性が高まります。

瑕疵(かし)担保責任とは、売却した不動産に問題があった場合に買い手が売り手に対して損害賠償を請求したり契約解除ができることです。

物件種別に関わらず、不動産の売却後に瑕疵(かし)が発覚した場合は売り手が責任を負わなければなりません。

マンションの売却前にリフォームしておけば、瑕疵(かし)担保責任による後からトラブルや、相手の満足度を下げるような可能性を減らすことができます。

マンション売却前にリフォームするデメリット 

マンションを売却前にリフォームすると、早く売却できる可能性が高まるなどのメリットがあります。

その一方で次のような3つのデメリットがあるため、売却前に確認しておきましょう。

マンション売却前にリフォームするデメリット

リフォーム費用を価格に上乗せしにくい

売却前にリフォームすることで値引き交渉のときに有利ですが、リフォーム費用を売り出し価格に上乗せしにくいことがデメリットです。

どの程度の範囲をリフォームするかによりますが、リフォームするとそれなりに費用がかかります。

リフォームすることで、売り出し価格を高く設定できる可能性はあります。

しかし、200万円かけてリフォームしても、売り出し価格に200万円以上を上乗せして売り出すことは難しいといえるでしょう。

売却チャンスを取り逃す可能性がある

マンションを売却前にリフォームすると、売却のチャンスを逃してしまう可能性があります。

なぜなら、リフォームに時間をかけている間に繁忙期が過ぎてしまうかもしれないからです。

不動産業界の繁忙期は、新年度や新学期が始まる前の1~3月頃だといわれています。

この時期は不動産の売買が活発になるため、他の時期に比べて買い手が現れやすいといえるでしょう。

リフォームしている間に繁忙期を逃すと、なかなか買い手が現れない可能性も高まります。

買い手側がリノベーションをしたい場合はしないほうがよい

マンションを売却前にリフォームしても、結果的に無駄になる可能性があります。

中古物件の購入希望者は、できるだけ安く物件を購入して自分好みにリフォームやリノベーションしたいと考えている人が多いからです。

そのため、マンションをリフォームして売り出しても購入希望者の好みに合うとは限りません。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

程度にもよるのですが、水廻りの設備に古さを感じると清潔に見えないので購買意欲は減少する様に思います。

購入を検討されている方は多少のリフォームを視野に入れている場合があるので転居後でも生活しながら修繕できる箇所はさほどネックにならないかと思います。

(例としてはエアコンや照明の交換程度。畳の交換なんかも余程傷んでいない限りは売却後に購入者が交換しても大きな負担にならないのでリフォームは不要かと思います。)

リフォームの種類とかかる費用

リフォームの種類とかかる費用

様々な場所に対してリフォームが行えますが、場所や範囲によって費用が異なります。

ここでは、リフォームの種類と費用について解説していきます。

マンションの売却前にリフォームを検討している人は、費用を参考にしてみてください。

壁の張替え
  • 量産品クロス:800円~1,100円/1平米辺り
  • 一般品クロス:950円~1,500円/1平米辺り
床の張替え   4畳 6畳
フローリング

5~14万円

6~18万円

フロアタイル

4~9万円

5~10万円

クッションフロア

3~8万円

4~10万円

コルクタイル

約10万円

11~20万円

トイレの交換
  • トイレタンクのみ交換:10〜12万円
  • トイレ一式交換:15〜33万円
バスタブの交換 <工事費用>
  • 埋め込み:10〜15万円
  • 据え置き:4〜5万円
<バスタブの価格>
  • 木製:40万円〜
  • ホーロー:20万円〜
  • ステンレス:6万円〜
  • 人造大理石:3万円〜
  • FRP:3万円〜
キッチンのリフォーム 50〜150万円
配管工事
  • 部分的に交換する場合:3,000〜12,000円
  • 全体的に交換する場合:15万〜20万円

壁紙の張替え

新築マンションの場合、壁紙を張り替えるタイミングの目安は5~10年程度だといわれています。

壁紙を張り替える場合、どのようなクロスの種類を選ぶかで費用が異なります。

クロスの種類は、主に「スタンダードタイプ」と「ハイグレードタイプ」の2種類です。

壁紙の張り替えにかかる1平米辺りの単価は、次の通りです。

  • 量産品クロス:800円~1,100円
  • 一般品クロス:950円~1,500円

量産品クロスはよく見る一般的な壁紙で、賃貸物件の原状回復などに使用されます。

一般品クロスは、「1000クラス」とも呼ばれ、様々なデザインや種類がある各社オリジナルのクロスのことです。

壁紙の張り替えにかかる費用は、壁の面積が広くなるほど費用は高くなる傾向にあります。

なお、工事費と廃材処理費といった諸費用は業者によって異なります。

床の張替え

床に使用される素材は主に次の4種類で、素材によって費用が異なります。

  • フローリング(4畳):5~14万円
  • フローリング(6畳):6~18万円
  • フロアタイル(4畳):4~9万円
  • フロアタイル(6畳):5~10万円
  • クッションフロア(4畳):3~8万円
  • クッションフロア(6畳):4~10万円
  • コルクタイル(4畳):約10万円
  • コルクタイル(6畳):11~20万円

床の張り替えにかかる費用は素材の種類だけでなく、面積が広くなるほど高くなる傾向にあります。

トイレの交換

トイレの交換方法は主にタンクのみとトイレ一式の2種類で、費用は次の通りです。

  • トイレタンクのみ交換:10~12万円
  • トイレ一式交換:15~33万円

トイレタンクのみ交換する場合に比べると、トイレ一式を交換する場合の方が費用が高くなります。

トイレタンクのみ交換したい場合でも、製造年月日が古いと交換が難しいケースがあるので注意が必要です。

また、和式から洋式への交換だと、60万円以上かかることもあります。

浴室のリフォーム

浴室をリフォームする場合の工事方法は「埋め込み」と「据え置き」の2種類で、次のように工事方法によって費用が異なります。

  • 埋め込み:10~15万円
  • 据え置き:4~5万円

さらに、浴室をリフォームする際には工事費用に加えてバスタブ本体の費用がかかります。

バスタブ本体の費用は、次のように素材によって異なります。

  • 木製:40万円~
  • ホーロー:20万円~
  • ステンレス:6万円~
  • 人造大理石:3万円~
  • FRP:3万円~

高野槇(こうやまき)や檜(ひのき)といった木製のバスタブは、他の素材よりも高い傾向にあります。

キッチンのリフォーム

キッチンをリフォームする場合、費用の相場は50~150万円だといわれています。

しかし、キッチン本体の種類やグレードによって費用が異なります。

ここでは、シンプルグレードにおけるキッチン本体の種類別の費用を紹介します。

  • I型キッチン:50~80万円
  • L型キッチン:65~90万円
  • 対面型キッチン:70~100万円

キッチン本体だけを取り替えるなら費用は安く抑えられるものの、間取りを変更する場合は100万円以上の費用がかかります。

古くなった配管の工事

一般的に、配管の寿命は約15~20年だといわれています。

配管が古いとニオイの原因になるため、築年数が古いマンションの場合は配管工事をした方がよいでしょう。

配管工事にかかる費用は、次のように交換範囲によって異なります。

  • 部分的に交換する場合:(給水管)3,000~12,000円(排水管)8,000円〜15,000円
  • 全体的に交換する場合:15~20万円

ただし、配管はマンションの共用部にかかる部分にあるため、あらかじめ管理会社に問い合わせておくことをおすすめします。

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リフォームせずに高く売るコツ

マンションの売却前にリフォームしても、売り出し価格に上乗せするのは難しいといわれています。

ここでは、マンションをリフォームせずに高値で売却する方法を紹介してきます。

リフォームせずに高く売るコツ

ニオイ対策費用

消臭剤や観葉植物などの購入費用

ライトの交換

電球や蛍光灯の購入費用

ハウスクリーニング   浴室 キッチン レンジフード トイレ
ダスキン

16,000円~

16,000円~

17,000円~

8,000円~

おそうじ本舗

13,500円~

15,000円~

換気扇:7,000円~

7,500円~

ベアーズ

18,100円~

14,200円~

換気扇:10,000円~

9,400円

ホームステージング
  • コーディネートのみ:5〜10万円
  • 家具や小物をレンタル込:15~100万円

片付け・掃除を徹底的にする

マンションをリフォームせずに高値で売却するには、室内の片づけや掃除を徹底的にすることがポイントです。

マンションを売り出して購入希望者が現れると、内覧が行われます。

内覧時に物が散らかっていると室内が狭く見えるため、内覧を迎えるまでに不要なものはできるだけ片づけておきましょう。

特に玄関や水回りはニオイがこもりやすいため、観葉植物を置いたり消臭剤を使用するなどしてニオイ対策しておくと効果的です。

内覧時の印象がよければ売買契約に繋がる可能性があるため、室内の片付けや掃除はいつも以上に力を入れて行いましょう。

ライトを変えて明るさを演出する

マンションの方角によっては、日中でも十分な光が入らずに室内が暗いケースがあります。

マンションをリフォームせずに高値で売却するには、ライトを使用して室内を明るいイメージにすることが大切です。

たとえば、電球や蛍光灯を普段よりも明るいものに交換するのも手段の一つです。

蛍光灯の場合、色の種類は主に電球色・昼白色、昼光色の3種類で、次のようにどの色を選ぶかで印象が大きく異なります。

  • 電球色:暖色系で明るさを抑えた落ち着きのある色
  • 昼白色:自然の明るさに近く、どの部屋にも馴染みやすい色
  • 昼光色:青みのある白色で、脳を覚醒させる効果があるといわれている色

室内が暗いとイメージが悪くなりますが、明るいイメージだと内覧時の印象アップが狙えます。

ハウスクリーニングを依頼する

マンションをリフォームせずに高値で売却するには、ハウスクリーニングを依頼するのも選択肢の一つです。

長く住んでいると簡単に落ちない汚れがあるため、自分で掃除してもキレイにならないケースもあります。

自分で掃除してもキレイにならない汚れを落としたい場合、掃除のプロの任せるとよいでしょう。

ハウスクリーニングの費用は部屋の広さや場所によって異なりますが、数万円程度で依頼できるケースがほとんどです。

どの業者に依頼するかによっても費用は異なりますが、場所別の費用は次の通りです。

  • 浴室:16,000~18,100円
  • キッチン:14,200~16,000円
  • レンジフード:7,000~17,000円
  • トイレ:7,500~9,400円

ハウスクリーニングの大手「ダスキン」、「おそうじ本舗」、「ベアーズ」の3社で費用を比べると、「おそうじ本舗」の費用は安い傾向にあります。

ホームステージングを利用する

マンションをリフォームせずに高値で売却するなら、ホームステージングを利用してみましょう。

ホームステージングとは、リフォームせずにインテリアや家具の配置を変えて室内のイメージをよくする手法です。

家具やインテリアはレンタルできるため、室内の雰囲気に合うインテリアや家具がなくても安心です。

ホームステージングの費用は、次の通りです。

  • コーディネートのみ:5~10万円
  • 家具や小物をレンタル込:15~100万円

この手法を用いると、リフォームよりも費用が抑えられます。

リフォームする前に不動産業者に相談しよう 

マンションを売却する前にリフォームが必要かどうかは、素人では判断が難しいといえるでしょう。

近年ではリフォーム詐欺も多発しているため、まずは不動産会社に相談することをおすすめします。

不動産会社選びに迷うなら、一括査定サイトを利用してみましょう。

一括査定サイトは、物件種別やエリアといった少ない情報を入力するだけで複数の不動産会社に査定が依頼できます。

また、不動産会社を1件ずつ訪れて査定を依頼するのは時間も労力もかかります。

しかし、一括査定サイトなら自宅にいながら複数社に査定を依頼できるので簡単で便利なことが魅力です。

リフォームを賢くすればマンションを高く売却できる

リフォームを賢くすればマンションを高く売却できる

マンションの売却を検討している場合、リフォームしてできるだけキレイな状態で売り出した方が高値で売却できる可能性はあります。

しかし、リフォームすることで必ずしも売却価格が高くなるとは限りません。

まずは信頼できる不動産会社やリフォーム会社に相談することからスタートしてみるとよいです。

リフォームが必要な場合は1箇所のリフォームでも印象が変わることも十分にあります。

黄 威翔/宅地建物取引士
黄 威翔/宅地建物取引士

売却の際はスケジュールにゆとりを持って行うことをおすすめします。

信頼における不動産会社の担当者に出会えるとスムーズなやりとりが可能です。