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消費税は、商品・製品の販売やサービスの提供などの取引に対して広く公平に課税される税で、消費者が負担し事業者が納付します。
また、生産や流通などの各取引段階で二重三重に課税されることのないよう、税が累積しないしくみが採用されています。
土地の売買では消費税がかかる場合とかからない場合がありますが、原則は非課税取引です。
取引金額が大きくなりがちな不動産売買時の消費税は、計算を誤るとその後の資金計画にも大きく響いてくることでしょう。
どの部分が非課税で、何に課税されるのか、しっかり把握しておくことが不動産取引で損をしない秘訣です。
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土地の売買で課税になるのは
これから売却しようとしている土地が課税対象かどうかという点は、手元に残る現金の額を大きく左右するため、非常に注目されるポイントです。
課税される条件や土地の種類について、詳しく見ていきましょう。
不動産会社が建物を売買した場合
不動産の売買を継続した事業として行っている業者は課税事業者です。
したがって、不動産会社による売買は課税取引にあたります。
土地に埋まっている地下型の車庫を売買した場合
狭小な国内の土地では、地下にガレージを設ける場合もあるでしょう。
この地下にある車庫を売却する場合は、土地ではなく設備の譲渡と見なされるので課税の対象になります。
土地の仲介手数料
不動産会社の仲介で土地を売買したときには、土地代金のほかに、仲介をした不動産会社に支払う仲介手数料が発生します。
これは不動産仲介という役務に対する成功報酬型のフィーであり、消費税課税の対象です。
不動産売買の手数料は、「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けとることができる報酬の額(昭和45年建設省告示第1552号)」によって上限の額が決まっています。
取引価格の200万円以下の部分については5%、200万円を超えて400万円以下の部分については4%、400万円を超える部分については3%という計算になります。
計算式の例を見ていきましょう。
- 1000万円の取引の場合の計算式
- 200万円×0.05+200万円×0.04+600万円×0.03(+消費税)
- 400万円を超える取引の場合に使える速算式
- 取引額×0.03+6万円(+消費税)
上記のような形になります。
土地の売買で非課税になるのは
非課税となる条件や対象を把握しておくこともまた、不動産取引で成功するコツです。
土地の売買においては、その土地にある定着物などが対象になるかどうかも重要なポイントです。
土地を売買した場合
消費税は消費に対して課税される税金です。
土地は資本の移転であり消費される対象ではないので、土地売買の取引には消費税がかかりません。
このことは、消費税法基本通達第6章の「非課税範囲」の第1節に「土地の譲渡及び貸付け関係」として記載されています。
海外不動産の売買や、仲介業者を通さずに個人オーナーから直接購入する場合、そして借地も非課税です。
ただし、土地についての役務(サービス)の提供は非課税取引とは規定されていないので、課税取引となることに注意しましょう。
土地貸付の期間が1カ月未満の場合や、駐車場や遊戯施設など施設の利用を伴う土地の使用は、役務(サービス)の提供とみなされ課税の対象となります。
土地の定着物を売買した場合
譲渡や貸付けが非課税となる土地取引ですが、その土地が宅地である場合には、庭木、石垣、庭園、その他これらに類する附属設備が含まれます。
さらに、宅地と一体として譲渡するもの(建物およびその附属施設を除く)も同様です。
ただし、立木や、その他独立して取引の対象となる土地の定着物は含まれません。
登記免許税や印紙税などの税金
登録免許税や印紙税は、それ自体が税金です。
税金に消費税が課税されては二重に税金を徴収されることになるので、これらはもちろん非課税です。
印紙税の詳細に関して、もっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
不動産売買の費用に印紙税というものがあります。これが意外な出費となります。印紙税についてまとめましたので知らない人、知っている人も是非参考にしてください。
個人が土地の建物を売買した場合
新築マンションや新築の建売住宅は、売主が建設会社や工務店、不動産会社ですので、消費税がかかります。
新築の住宅を購入した個人が、その住宅を売却する場合、その住宅はすでに中古住宅であり、さらに個人間の売買になるため、非課税となります。
中古住宅であっても、不動産買取り業者が買い取った後で、個人に販売する場合は、建物に消費税が課せられます。
土地の売買で発生する消費税に関する注意点
- 不動産価格は税込みで表示される
- 消費税率は引き渡し時点のものを採用する
- 仲介手数料の払い過ぎに注意する
土地売買においては、消費税についてあまり神経質になる必要はありません。
とはいえ、最低限の注意事項は抑えておき、安心して取引を行うようにしましょう。
不動産価格は税込みで表示される
2013年の「消費税転嫁対策特別措置法」施行により、2017年3月31日までは消費税を含まない「税抜き価格」での価格表示が認められていました。
しかし不動産の場合は、「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則第10条」に規定があり、消費税の課税対象の取引においては、その額も含んで表示するよう義務付けられています。
土地3,000万円・建物2,000万円の新築戸建を例として見てみましょう。
物件種類 | 金額 | 消費税 |
---|---|---|
土地 | 3,000万円 | 非課税 |
建物 | 2,000万円 | 200万円 |
合計 | 5,000万円 | 200万円 |
販売価格は税込表示(内税)なので、広告や不動産会社のサイトに掲載される金額は5,200万円で表示されます。
消費税率は引き渡し時点のものを採用する
不動産の売買で消費税が課税されるのは、不動産を引き渡したときです。
そのため、消費税率が改正されるタイミングが近い場合は、引き渡しが税率改正の前か後かを確認するようにしましょう。
仲介手数料の払い過ぎに注意する
仲介手数料とは、住宅の売買や賃貸借の取引の際、売主と買主の間に入って意見の調整や契約事務などを行う不動産会社(仲介会社)に支払う手数料のことです。
仲介手数料は、「約定報酬」「媒介報酬」「媒介手数料」などとも呼ばれており、売買契約にかかる諸費用のうちでも比較的高額になりがちな費用と言えます。
不動産の総額表示で気をつけたいのは、この仲介手数料を支払うときです。
土地と建物をいっしょに購入する場合であっても、土地には消費税がかからないため建物のみに消費税が課税されます。
仲介手数料を計算する際の取引額は、消費税を含まない基礎価格で算出されるので、建物については税抜き価格を確認するようにしましょう。
物件価格5,000万円(税込)の不動産を購入するケースで、建物価格が2,200万円(税込)、土地価格が2,800万円(非課税)だったと仮定して計算してみます。
・課税前の建物価格=2,200万円÷1.1=2,000万円
したがって、算出根拠となる価格は、非課税の土地代金と建物(税抜)を合わせて4,800万円ということになります。表示されている物件価格だけをもとに仲介手数料を算出してしまうと、払い過ぎになりますので注意するようにしましょう。
不動産売買の仲介手数料の計算方法は、こちらの記事をご覧ください。
不動産売買における媒介手数料は、買主・売主ともに仲介を依頼して売買契約が成立すれば支払う費用です。この手数料は法律によって上限額が定められており、明確な計算式が存在します。今回は、その媒介手数料の概要から計算方法まで詳しく解説します。
仲介手数料には、通常の物件の売却活動費用が含まれていますので、仲介手数料以外に、広告費や事務手数料を請求されても支払う必要はありません。 ただし、通常の広告では反響が薄いので大幅な宣伝をしましょう、と業者からもちかけられて承諾した場合には、広告費が別に発生してしまうので注意が必要です。
不動産取引の課税の有無を判断する基準
- 相手が課税事業者であるか
- 消費されるものの取引であるか
- 社会的政策配慮の非課税取引か
課税の対象となるかどうかは、ある程度パターン化して覚えておくと便利です。
直感的に課税・非課税の推測を立てられることは、不動産売買においても有利に作用するでしょう。
相手が課税事業者であるか
不動産の売買において、土地は非課税ですが、建物は消費税の対象となります。
つまり、住宅を購入するときには建物部分については課税対象になります。
しかし売主が消費税の課税事業者でなければかかりません。
例としては、課税事業者である不動産会社から買った場合です。個人が自宅の売主となる場合では、課税されることはありません。
また、住宅の貸付にかかる家賃には消費税はかかりません。
消費されるものの取引であるか
消費税は消費に対して課税される税金です。
土地は資本の移転であり消費されるモノではないので、土地売買の取引には消費税がかかりません。
仲介業者を間に入れず、個人オーナーから直接購入する場合はもちろんのこと、海外不動産の売買や借地も非課税です。
なお、事務所等の賃料は課税されますが、住宅用家賃は賃借期間が1カ月に満たない一時貸しの場合を除いて非課税です。
社会的政策配慮の非課税取引か
課税対象となる要件を満たす取引であったとしても、特例で税金の負担を求めることが社会的に望ましくない取引、課税の対象としてなじみにくいものについては、消費税が課税されません。
例えば裁判や検査などの公共サービス、医療保険各法にもとづく医療の提供、社会福祉事業法に規定する社会福祉事業等、そして学校の授業料などが非課税となります。
不動産に関係する取引で非課税取引の対象となるものには、以下があります。
- 土地の購入代金
- 住宅ローンの返済利息・保証料
- 火災保険料
- 地代
- 家賃(居住用)
- 保証金・敷金
なお、家賃が非課税となるのは「住宅」として貸付けた場合のみであり、事務所や店舗などの「事業用」として貸付けた場合には消費税が課税されます。
そもそも消費税の課税対象になる条件
- 日本国内の取引であること
- 事業者が継続的な事業として行う取引であること
- 取引によって対価を得る場合
- 資産の譲渡・貸付および役務の提供となる取引
消費税は、全ての財貨、サービスの取引に対してかかる税金です。
したがって、あらゆる取引に消費税がからんでくると思われがちですが、課税対象とならないものもあります。
日本国内の取引であること
消費税日本国内での取引のみに適用され、国内の事業者がモノやサービスを提供し、その対価を得た場合に発生します。
海外での消費はすべて課税の対象外ですが、保税地域から引き取られる外国貨物(いわゆる輸入品)には課税されます。
事業者が継続的な事業として行う取引であること
ここで言う事業とは、不特定多数の人に継続的に商取引を行うことを意味していて、事業の規模は関係ありません。
また、国税庁のホームページには、事業の定義として「同種の行為を反復、継続かつ独立して遂行すること」とあります。
また「事業者」とは、法人と個人事業者(事業を行う個人)のことを指し、株式会社などの会社、国、都道府県や市町村、公共法人、宗教法人や医療法人などの公益法人などを含め、法人はすべて事業者として扱われます。
なお、法人でない社団または財団であっても、代表者または管理人の定めがあるものは、法人とみなされることにより事業者となります。
一方で個人事業者の場合、例えば、小売業や卸売業をしている人をはじめ、賃貸業や取引の仲介、運送、請負、加工、修繕、清掃、クリーニング、理容や美容といった業を営んでいる人はすべて事業者になります。
さらには、医師、弁護士、公認会計士、税理士なども事業者になります。
このように事業者が細かく定義されている背景には、消費税が消費者に負担を求める税であることに照らし、個人が消費者として行う行為を課税対象から除外するための配慮があります。
取引によって対価を得る場合
消費税は商品やサービスの消費が行われた場合に課税されるので、国債の取引や預貯金の利子、出資に対する配当、あるいは無償での寄付や贈与などでは発生しません。
「取引によって対価を得る」ということは、資産の譲渡若しくは貸付けまたは役務の提供に対して利益を受けることをいいます。
これは、商店が商品を売ったり、運送業者がサービスを提供して対価を受け取るような場合が典型的な例と言えるでしょう。
したがって、営利を目的としない親睦会の会費や寄附金などは、消費税の課税の対象とはなりません。
しかし、次のいずれかに当たる場合には、事業として対価を得て行われた資産の譲渡とみなされます。
- 個人事業者が自分の販売する商品などを家庭で使用したり消費した場合
- 法人が自社の商品などをその役員に対して贈与した場合
なお、事業活動の一環として、またはそれに関連して行われる取引も課税対象となります。
例えば、商品の配達用に使用していたトラックを売ったときが該当します。
つまり、事業に使用していた機械、建物、自動車などの事業用資産を売った場合、事業として行われた取引となります。
ただし、個人事業者が生活のために使用していた、事業用でない自動車や冷蔵庫などの資産を売った場合には、事業として行う取引とはなりません。
したがって、これらの資産譲渡においては、消費税は課税されません。
資産の譲渡・貸付および役務の提供となる取引
「資産の譲渡」とは、売買等の契約により、「資産をそのままの状態で他人に移転すること」を指します。
例えば、商品や製品の販売のほか、事業用設備を売却することも資産の譲渡に当たります。
また、これらは形がある資産だけにとどまりません。特許権や商標権などの無体財産権の譲渡も資産の譲渡に含まれます。
また、「貸付け」とは、資産にかかる権利の設定など、「他の人に資産を使用させる一切の行為」を指します。
したがって土地の貸付も例外ではありません。なお、無体財産権の実施権や使用権等を設定する行為も資産の貸付けに含まれます。
「役務の提供」は、土木工事、修繕、運送、保管、広告、印刷、仲介、興行、飲食、宿泊、情報の提供、出演などのサービスを提供することをいいます。
医師、弁護士、公認会計士、税理士などによる専門的知識、技能等に基づく役務の提供も同様です。
土地の売買を行うときは消費税のことも考慮しよう
土地の売買では数千万円以上の金額が動くことも珍しくありません。
土地の売買価格に消費税が課税されるかどうかで悩んでいる人も多いと思いますが、原則を覚えてしまえば判定は簡単です。
消費税は課税事業者(会社)が行った国内取引に課税されますが、資産の譲渡(売却)であっても土地の場合ならば課税されません。
建物の譲渡(売却)や仲介手数料は課税の対象となりますが、一般の個人が売主となってマイホームを譲渡(売却)した場合は、建物部分についても課税の対象外です。
一方で、投資用不動産などの売却については、収益額によって一般の個人が売主でも消費税がかかる場合がありますので注意しましょう。
このような基本的な消費税のルールを知っておけば、増税前後でもあわてずに不動産取引に対応できます。
不動産の売却を検討している場合は、日頃から不動産の値動きや、社会情勢や経済情勢などについてのチェックもしておくと、相場の動きをいち早く掴むことができるかと思います。 レインズマーケットインフォメーションなどで、実際に行われた取引の値段を追っていくのも、不動産の値動きを掴むために効果的かもしれません。